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日々の出来事
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カカオの生産地を知ろう(ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国)
ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%¥1,296(税込) 生産者:Zorzal Cacao生産国:ドミニカ共和国地域:ドゥアルテ 事業形態:私有地の農園と鳥の保護区も持つ中央発酵施設カカオ豆:16軒のカカオ農家からウェットビーンズを購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内のメッシュの乾燥台とセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:ナッツ、甘い果実 商品ページはこちら ドミニカ共和国はどんな国? ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島々の中では二番目に大きいイスパニョーラ島の東側に位置し、西側にはハイチ共和国があります。 国土の面積は約4.8万㎢、九州と高知県を合わせた広さで、人口は1,074万人(2019年)です。 ヨーロッパ人で初めてカカオを発見したのはコロンブスと言われていますが、実はヨーロッパ人で初めてドミニカ共和国に上陸したのもコロンブスだそうです。 ドミニカ共和国は原住民と様々な人種が混じり合う多民族国家で、様々な文化が混じり合っています。 また、ドミニカ共和国は米国メジャーリーグで活躍する選出を多く輩出する野球大国。日本プロ野球にもドミニカ共和国出身の選手がいると思うと、少し身近な国に感じられます。 公用語はスペイン語。国名の由来はスペイン語で「安息日」を意味し、スペイン人が入植した日がカトリック暦の「聖なる安息日」だったことに由来するそうです。 ドミニカ共和国のカカオ事情 国の主要産業はバナナ、ココナッツ、柑橘類などの農業で、その中でカカオは世界で10番目の生産国(2019年:89,000トン)で、国の一大産業のひとつになっています。 オーガニック認証を受けているカカオ豆が多いことも特徴で、ドミニカ共和国のカカオ生産の60%を占めているサンフランシスコ・デ・マコリスでは70%近くがオーガニック認証のカカオ豆を生産しています。 またドミニカ共和国では、カカオの品質が良くない、発酵せずに乾燥した安価な「サンチェス(Sanchez)」と、品質が良く発酵工程を経たBean to Bar メーカーが使用する「ヒスパニオラ(Hispaniola)」に分類しており、現状はサンチェスが60%、ヒスパニオラが40%と言われています。 ソルサル・カカオについて 彼らの農園があるレゼルバ・ソルサルは、サンフランシスコ・デ・マコリスから車で2時間ほどのところにあります。緑豊かな山あいにカカオが生い茂り、ツグミのさえずりも聞こえる、自然と共存出来る環境です。 ソルサル・カカオは、チャールズ・キルヒナー博士(通称チャック)が2012年に創業した、自然保護と経済活動の両立を目指して立ち上げられました。...
カカオの生産地を知ろう(ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国)
ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%¥1,296(税込) 生産者:Zorzal Cacao生産国:ドミニカ共和国地域:ドゥアルテ 事業形態:私有地の農園と鳥の保護区も持つ中央発酵施設カカオ豆:16軒のカカオ農家からウェットビーンズを購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内のメッシュの乾燥台とセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:ナッツ、甘い果実 商品ページはこちら ドミニカ共和国はどんな国? ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島々の中では二番目に大きいイスパニョーラ島の東側に位置し、西側にはハイチ共和国があります。 国土の面積は約4.8万㎢、九州と高知県を合わせた広さで、人口は1,074万人(2019年)です。 ヨーロッパ人で初めてカカオを発見したのはコロンブスと言われていますが、実はヨーロッパ人で初めてドミニカ共和国に上陸したのもコロンブスだそうです。 ドミニカ共和国は原住民と様々な人種が混じり合う多民族国家で、様々な文化が混じり合っています。 また、ドミニカ共和国は米国メジャーリーグで活躍する選出を多く輩出する野球大国。日本プロ野球にもドミニカ共和国出身の選手がいると思うと、少し身近な国に感じられます。 公用語はスペイン語。国名の由来はスペイン語で「安息日」を意味し、スペイン人が入植した日がカトリック暦の「聖なる安息日」だったことに由来するそうです。 ドミニカ共和国のカカオ事情 国の主要産業はバナナ、ココナッツ、柑橘類などの農業で、その中でカカオは世界で10番目の生産国(2019年:89,000トン)で、国の一大産業のひとつになっています。 オーガニック認証を受けているカカオ豆が多いことも特徴で、ドミニカ共和国のカカオ生産の60%を占めているサンフランシスコ・デ・マコリスでは70%近くがオーガニック認証のカカオ豆を生産しています。 またドミニカ共和国では、カカオの品質が良くない、発酵せずに乾燥した安価な「サンチェス(Sanchez)」と、品質が良く発酵工程を経たBean to Bar メーカーが使用する「ヒスパニオラ(Hispaniola)」に分類しており、現状はサンチェスが60%、ヒスパニオラが40%と言われています。 ソルサル・カカオについて 彼らの農園があるレゼルバ・ソルサルは、サンフランシスコ・デ・マコリスから車で2時間ほどのところにあります。緑豊かな山あいにカカオが生い茂り、ツグミのさえずりも聞こえる、自然と共存出来る環境です。 ソルサル・カカオは、チャールズ・キルヒナー博士(通称チャック)が2012年に創業した、自然保護と経済活動の両立を目指して立ち上げられました。...
オンラインストア限定 H2Oチョコレートケーキ
オンラインストア限定で11月29日より発売となった「H2Oチョコレートケーキ」。もともとはダンデライオン・チョコレート表参道店向けに開発された商品を、今回オンラインストア専用にご自宅でもあっと驚くチョコレート体験ができるように再考案しました。 この「H2Oチョコレートケーキ」を開発したペストリーシェフ・森本康志が、商品の開発経緯や工夫したポイントを解説。味わいの妙や狙いをより深くお伝えし、ダンデライオン・チョコレートのチョコレート体験を楽しんでいただけると嬉しいです。 ご注文はこちらから ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 チョコレートメーカーだからこそできるチョコレートケーキ チョコレートケーキというと「濃厚」「重たい」といった印象を持つことも。 「少しでも軽やかな印象に、かつ、チョコレートに使用するドミニカ共和国産カカオがもともと持つ素材の良さやポテンシャルを、さまざまな食感のパーツで構成することで、食べやすく、口の中で色んな表情を見せてくれるように仕上げました。」 「チョコレートだけなのにこんな爽やかな酸味がするんだ!」「フルーツを使っていないのにフルーティーな香りがするの?」「軽い食感で、ペロッと食べれちゃう」、 こんな風に感じていただけることをイメージして考案しました。 ケーキの構成は、下からカカオニブを混ぜ込んだダクワーズ(アーモンド風味のメレンゲを使った生地)、チョコレートクランチ、H2Oチョコレートガナッシュ、チョコレートムース、最後に艶やかなグラサージュでコーティングしています。使用しているのは全てドミニカ共和国産カカオを使用したチョコレートとカカオニブ。この中で要となるのが「H2Oチョコレートガナッシュ」です。 「H2Oというのは水の化学式。通常のガナッシュには、生クリームや牛乳、バターなどの乳成分、香料やアルコールなどが使用されますが、このガナッシュは水とチョコレートだけで仕上げています。ちょうど良い割合で混ぜ合わせることで乳化させることができ、ドミニカ共和国産カカオが持つ本来の味わいを最大限目立たせるガナッシュにしています。」 表面のグラサージュも、通常ココアパウダーで作られることが多いですが、ここにもチョコレートを使用することで風味がさらに豊かになり、チョコレート専門店であるダンデライオン・チョコレートらしさがより感じられるようにしました。 「一般的なムースケーキに入っているフルーツなどをカカオの特徴を活かしながら表現したケーキ。ムースケーキの概念を覆す、チョコレートメーカーだからこそ実現できるケーキになったのではないかと思います。」 ご家庭でも「チョコレート体験」を ダンデライオン・チョコレートの店舗では出来立てのチョコレートケーキを召し上がっていただけますが、ご家庭でもこの味を楽しんでいただくにはどうすれば良いのか。 現行のH2Oチョコレートケーキではグラサージュが冷凍に適さず、また冷蔵にしたとしても配送中に崩れてしまうなどのリスクがありました。 「開発する際に大事にしたことは2つ。まずは「冷凍したグラサージュをうまく解凍させること」、そしてダンデライオン・チョコレートだからこそ出来る「チョコレート体験」です。」 グラサージュの粘度に着目し、試行錯誤。頭の中での理想像を実現するために、濃度と粘度にこだわり、行き着いたのがこのフィルムを剥がすとグラサージュが流れ落ちる仕様。材料や構成はほとんど変えず、しかしながらご家庭でもお店にいるような臨場感が味わえ、五感で楽しめる仕掛けがしてあります。 「『こんなの見たことない』を実現できた気がします。グラサージュを変えたことにより、より食感のメリハリが生まれ、食べたときの味わいにもより幅が出来たことでチョコレート専門店ならではのチョコレート体験を楽しんでいただけると思っています。」 H2Oチョコレートケーキの楽しみかた H2Oチョコレートケーキは冷凍された状態でご自宅に届きます。まずは召し上がる約6時間前に箱から出し、冷蔵庫でゆっくりと解凍します。この時、フィルムは付けたままで、少し縁のあるお皿などに移しておくのがポイントです。急激な温度変化によってチョコレートから水分が滲出してしまうので、すぐに常温に戻さないようにお気をつけください。 しっかりと解凍されたら、いよいよフィルムをゆっくりと外します。待ってましたと言わんばかりに、グラサージュがなめらかに表面に広がって行くので、まずは視覚でとろりととろけるチョコレートを味わいましょう。 お好みの大きさにカットして、ドミニカ共和国産カカオで表現されたそれぞれの層の味わいをゆっくりと口の中で楽しんでみてください。 飲み物と合わせて楽しみたい、という方にいくつかおすすめなものを。 「コーヒーなら酸味や苦味が強すぎない中煎り程度のもの。H2Oチョコレートケーキの酸味や苦味を消さず、味わいの厚みを補ってくれるはずです。カフェオレなどミルクが入っているものも合いますね。 紅茶の場合は、アールグレイなどのフレーバーティーではなく、ダージリンなどでストレートのものが良いと思います。アールグレイしかないという方は、ミルクティーにして少しマイルドにした状態の方がベターです。 もちろんお酒でも。ふくよかで柔らかい酸味とナッティー感があるので、まろやかなタイプのバーボンウイスキーならロックで楽しむのも良いですね。もしくはドミニカ共和国産のラム酒なども余韻が楽しくなるペアリングだと思います。」 「もちろん召し上がる人がおいしく食べるが何より大事なので、自分の「これが美味しい組み合わせだ!」というもののが見つかったら、ぜひ教えてください。みなさんがH2Oチョコレートケーキの魅力や楽しみ方をさらに引き出してくれることをワクワクして待っています。」 ダンデライオン・チョコレートが大切にしている「チョコレート体験」を、お店だけでなく、ご家庭でも。この臨場感をぜひお楽しみください!...
オンラインストア限定 H2Oチョコレートケーキ
オンラインストア限定で11月29日より発売となった「H2Oチョコレートケーキ」。もともとはダンデライオン・チョコレート表参道店向けに開発された商品を、今回オンラインストア専用にご自宅でもあっと驚くチョコレート体験ができるように再考案しました。 この「H2Oチョコレートケーキ」を開発したペストリーシェフ・森本康志が、商品の開発経緯や工夫したポイントを解説。味わいの妙や狙いをより深くお伝えし、ダンデライオン・チョコレートのチョコレート体験を楽しんでいただけると嬉しいです。 ご注文はこちらから ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 チョコレートメーカーだからこそできるチョコレートケーキ チョコレートケーキというと「濃厚」「重たい」といった印象を持つことも。 「少しでも軽やかな印象に、かつ、チョコレートに使用するドミニカ共和国産カカオがもともと持つ素材の良さやポテンシャルを、さまざまな食感のパーツで構成することで、食べやすく、口の中で色んな表情を見せてくれるように仕上げました。」 「チョコレートだけなのにこんな爽やかな酸味がするんだ!」「フルーツを使っていないのにフルーティーな香りがするの?」「軽い食感で、ペロッと食べれちゃう」、 こんな風に感じていただけることをイメージして考案しました。 ケーキの構成は、下からカカオニブを混ぜ込んだダクワーズ(アーモンド風味のメレンゲを使った生地)、チョコレートクランチ、H2Oチョコレートガナッシュ、チョコレートムース、最後に艶やかなグラサージュでコーティングしています。使用しているのは全てドミニカ共和国産カカオを使用したチョコレートとカカオニブ。この中で要となるのが「H2Oチョコレートガナッシュ」です。 「H2Oというのは水の化学式。通常のガナッシュには、生クリームや牛乳、バターなどの乳成分、香料やアルコールなどが使用されますが、このガナッシュは水とチョコレートだけで仕上げています。ちょうど良い割合で混ぜ合わせることで乳化させることができ、ドミニカ共和国産カカオが持つ本来の味わいを最大限目立たせるガナッシュにしています。」 表面のグラサージュも、通常ココアパウダーで作られることが多いですが、ここにもチョコレートを使用することで風味がさらに豊かになり、チョコレート専門店であるダンデライオン・チョコレートらしさがより感じられるようにしました。 「一般的なムースケーキに入っているフルーツなどをカカオの特徴を活かしながら表現したケーキ。ムースケーキの概念を覆す、チョコレートメーカーだからこそ実現できるケーキになったのではないかと思います。」 ご家庭でも「チョコレート体験」を ダンデライオン・チョコレートの店舗では出来立てのチョコレートケーキを召し上がっていただけますが、ご家庭でもこの味を楽しんでいただくにはどうすれば良いのか。 現行のH2Oチョコレートケーキではグラサージュが冷凍に適さず、また冷蔵にしたとしても配送中に崩れてしまうなどのリスクがありました。 「開発する際に大事にしたことは2つ。まずは「冷凍したグラサージュをうまく解凍させること」、そしてダンデライオン・チョコレートだからこそ出来る「チョコレート体験」です。」 グラサージュの粘度に着目し、試行錯誤。頭の中での理想像を実現するために、濃度と粘度にこだわり、行き着いたのがこのフィルムを剥がすとグラサージュが流れ落ちる仕様。材料や構成はほとんど変えず、しかしながらご家庭でもお店にいるような臨場感が味わえ、五感で楽しめる仕掛けがしてあります。 「『こんなの見たことない』を実現できた気がします。グラサージュを変えたことにより、より食感のメリハリが生まれ、食べたときの味わいにもより幅が出来たことでチョコレート専門店ならではのチョコレート体験を楽しんでいただけると思っています。」 H2Oチョコレートケーキの楽しみかた H2Oチョコレートケーキは冷凍された状態でご自宅に届きます。まずは召し上がる約6時間前に箱から出し、冷蔵庫でゆっくりと解凍します。この時、フィルムは付けたままで、少し縁のあるお皿などに移しておくのがポイントです。急激な温度変化によってチョコレートから水分が滲出してしまうので、すぐに常温に戻さないようにお気をつけください。 しっかりと解凍されたら、いよいよフィルムをゆっくりと外します。待ってましたと言わんばかりに、グラサージュがなめらかに表面に広がって行くので、まずは視覚でとろりととろけるチョコレートを味わいましょう。 お好みの大きさにカットして、ドミニカ共和国産カカオで表現されたそれぞれの層の味わいをゆっくりと口の中で楽しんでみてください。 飲み物と合わせて楽しみたい、という方にいくつかおすすめなものを。 「コーヒーなら酸味や苦味が強すぎない中煎り程度のもの。H2Oチョコレートケーキの酸味や苦味を消さず、味わいの厚みを補ってくれるはずです。カフェオレなどミルクが入っているものも合いますね。 紅茶の場合は、アールグレイなどのフレーバーティーではなく、ダージリンなどでストレートのものが良いと思います。アールグレイしかないという方は、ミルクティーにして少しマイルドにした状態の方がベターです。 もちろんお酒でも。ふくよかで柔らかい酸味とナッティー感があるので、まろやかなタイプのバーボンウイスキーならロックで楽しむのも良いですね。もしくはドミニカ共和国産のラム酒なども余韻が楽しくなるペアリングだと思います。」 「もちろん召し上がる人がおいしく食べるが何より大事なので、自分の「これが美味しい組み合わせだ!」というもののが見つかったら、ぜひ教えてください。みなさんがH2Oチョコレートケーキの魅力や楽しみ方をさらに引き出してくれることをワクワクして待っています。」 ダンデライオン・チョコレートが大切にしている「チョコレート体験」を、お店だけでなく、ご家庭でも。この臨場感をぜひお楽しみください!...
チョコレートと児童労働
「チョコレート」と切り離せない問題として近年取り上げられることが多くなった、カカオ生産地における児童労働の問題。なぜこのような問題が起きているのか、現在の問題点や今後の課題を解説し、消費者として私たちがどのようにチョコレートと向き合うべきか、考えてみたいと思います。 なぜカカオの奴隷制度は始まった? そもそもなぜ、カカオ栽培において奴隷や子どもたちが働かなければいけない状況になったのでしょうか?実はこれはカカオの長い歴史の中から生まれたものでした。1521年、スペインがメキシコ中央部に栄えたアステカ帝国を征服したことで、カカオは中央アメリカからヨーロッパへ渡り、貴族や王族を中心に一気に広まります。 【関連記事】チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート カカオの需要が拡大し、また非常に高値で売買されたことから、1800年代後半になるとヨーロッパ各国は植民地支配をしていたアフリカの国々に次々とカカオ農園をつくります。また、ヨーロッパでは甘いチョコレートが好まれたため砂糖も消費するようになり、砂糖のプランテーションも同時に始まりました。カカオと砂糖、現在のチョコレートに必要不可欠な原材料は、古くから植民地支配された国々が安価な労働力によってつくられていたということになります。 なぜ今も児童労働は続いている? 2000年頃からカカオ栽培における児童労働の問題が取り上げられるようになりましたが、今も撲滅できずにいるのが現状です。 世の中がサステナブル、エシカル、SDGsと言った言葉に関心が高まる中、この問題が解決できない理由には、カカオの複雑な商流(カカオがどのように私たちの手元にチョコレートとなって届くか)にあります。 大企業を除き、チョコレートブランドの多くはその原料を問屋や卸業者を通して「製菓用チョコレートメーカー」から購入しています。製菓材料店で見かけるヴァローナやカレボーなどの海外メーカー、大東カカオなど国産メーカーがあります。 こうした製菓用チョコレートメーカーは、チョコレートを製造するために輸出入業者を介してカカオ豆を購入しますが、それはカカオ農家からではなく、カカオ生産国か隣国にある、複数産地のカカオ豆をある程度とりまとめている卸業者の場合もあります。その卸業者は生産地にあるカカオ豆の発酵・乾燥を行う加工所、または加工所で出来たカカオ豆の品質を一定にするためにブレンドされる倉庫などから購入します。そして加工所がカカオ農家から発酵・乾燥前のカカオ豆(ウェットビーンズ)を購入する、とようやくここでカカオ農家にたどり着きます。 さて、ここにいくつの業者や企業が関わっているでしょうか?この商流はもっとシンプルな場合も、もっと複雑になる場合もありますが、いずれにせよ、こうなってしまうとチョコレートブランド側ではカカオ生産者が誰かまでなんて、把握できるはずがありません。そしてこの複雑な商流こそが、児童労働や過酷な労働環境を根絶できない最大の理由でもあります。複雑が故に、どこが原因で起きているのか、誰が何をどう改善すればなくなるのか、根本的な原因が探りにくいため解決策が出にくい、ということが挙げられます。 もちろん、カカオ生産国自体が貧困国で奴隷や児童労働に頼らざるをえないという生産国自体の問題もあります。しかし、カカオ生産国以外のカカオ豆を購入している国々によって起きる問題として、私たち消費国が目を背けてはいけないことです。 現在起きていること、チョコレートメーカーの取り組み カカオの児童労働を巡っては、人権保護団体がチョコレートを扱う欧米の大手企業やチョコレートメーカーを訴え、現在複数の裁判が行われています。 2021年6月には、米国連邦最高裁判所が大手チョコレートメーカー2社に対して、児童労働や強制労働が行われた責任を問うことはできない、と異例とも言える判決を下しました。日本で報道を目にすることはありませんでしたが、海外のBean to Bar チョコレートメーカーの中には「ありえない」「絶対に買ってはいけない」「だからBean to Bar チョコレートは安心なんだ」と極端な発言をしている場面も見受けられました。 確かに、Bean to Bar チョコレートメーカーの場合は、カカオ豆からチョコレートを作っていることもあり商流がとてもシンプルです。ダンデライオン・チョコレートのようにダイレクト・トレード(必ず産地を訪れ、自らの目で生産地や生産者、生活環境、商流などを把握した上で直接価格を交渉し購入すること)でカカオ豆を入手しているメーカーも増えています。 参考:フェアトレードとダイレクトトレードの違いとは? ...
チョコレートと児童労働
「チョコレート」と切り離せない問題として近年取り上げられることが多くなった、カカオ生産地における児童労働の問題。なぜこのような問題が起きているのか、現在の問題点や今後の課題を解説し、消費者として私たちがどのようにチョコレートと向き合うべきか、考えてみたいと思います。 なぜカカオの奴隷制度は始まった? そもそもなぜ、カカオ栽培において奴隷や子どもたちが働かなければいけない状況になったのでしょうか?実はこれはカカオの長い歴史の中から生まれたものでした。1521年、スペインがメキシコ中央部に栄えたアステカ帝国を征服したことで、カカオは中央アメリカからヨーロッパへ渡り、貴族や王族を中心に一気に広まります。 【関連記事】チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート カカオの需要が拡大し、また非常に高値で売買されたことから、1800年代後半になるとヨーロッパ各国は植民地支配をしていたアフリカの国々に次々とカカオ農園をつくります。また、ヨーロッパでは甘いチョコレートが好まれたため砂糖も消費するようになり、砂糖のプランテーションも同時に始まりました。カカオと砂糖、現在のチョコレートに必要不可欠な原材料は、古くから植民地支配された国々が安価な労働力によってつくられていたということになります。 なぜ今も児童労働は続いている? 2000年頃からカカオ栽培における児童労働の問題が取り上げられるようになりましたが、今も撲滅できずにいるのが現状です。 世の中がサステナブル、エシカル、SDGsと言った言葉に関心が高まる中、この問題が解決できない理由には、カカオの複雑な商流(カカオがどのように私たちの手元にチョコレートとなって届くか)にあります。 大企業を除き、チョコレートブランドの多くはその原料を問屋や卸業者を通して「製菓用チョコレートメーカー」から購入しています。製菓材料店で見かけるヴァローナやカレボーなどの海外メーカー、大東カカオなど国産メーカーがあります。 こうした製菓用チョコレートメーカーは、チョコレートを製造するために輸出入業者を介してカカオ豆を購入しますが、それはカカオ農家からではなく、カカオ生産国か隣国にある、複数産地のカカオ豆をある程度とりまとめている卸業者の場合もあります。その卸業者は生産地にあるカカオ豆の発酵・乾燥を行う加工所、または加工所で出来たカカオ豆の品質を一定にするためにブレンドされる倉庫などから購入します。そして加工所がカカオ農家から発酵・乾燥前のカカオ豆(ウェットビーンズ)を購入する、とようやくここでカカオ農家にたどり着きます。 さて、ここにいくつの業者や企業が関わっているでしょうか?この商流はもっとシンプルな場合も、もっと複雑になる場合もありますが、いずれにせよ、こうなってしまうとチョコレートブランド側ではカカオ生産者が誰かまでなんて、把握できるはずがありません。そしてこの複雑な商流こそが、児童労働や過酷な労働環境を根絶できない最大の理由でもあります。複雑が故に、どこが原因で起きているのか、誰が何をどう改善すればなくなるのか、根本的な原因が探りにくいため解決策が出にくい、ということが挙げられます。 もちろん、カカオ生産国自体が貧困国で奴隷や児童労働に頼らざるをえないという生産国自体の問題もあります。しかし、カカオ生産国以外のカカオ豆を購入している国々によって起きる問題として、私たち消費国が目を背けてはいけないことです。 現在起きていること、チョコレートメーカーの取り組み カカオの児童労働を巡っては、人権保護団体がチョコレートを扱う欧米の大手企業やチョコレートメーカーを訴え、現在複数の裁判が行われています。 2021年6月には、米国連邦最高裁判所が大手チョコレートメーカー2社に対して、児童労働や強制労働が行われた責任を問うことはできない、と異例とも言える判決を下しました。日本で報道を目にすることはありませんでしたが、海外のBean to Bar チョコレートメーカーの中には「ありえない」「絶対に買ってはいけない」「だからBean to Bar チョコレートは安心なんだ」と極端な発言をしている場面も見受けられました。 確かに、Bean to Bar チョコレートメーカーの場合は、カカオ豆からチョコレートを作っていることもあり商流がとてもシンプルです。ダンデライオン・チョコレートのようにダイレクト・トレード(必ず産地を訪れ、自らの目で生産地や生産者、生活環境、商流などを把握した上で直接価格を交渉し購入すること)でカカオ豆を入手しているメーカーも増えています。 参考:フェアトレードとダイレクトトレードの違いとは? ...
煎餅と、チョコレートと
私たちダンデライオン・チョコレートはクラフトチョコレートメーカーとして日々チョコレートを作りBean to Bar チョコレートの魅力を発信していますが、私たちの周りには同じように、ものづくりを通してお客さまにおいしさと共にワクワクする体験を発信している素敵なブランドがたくさんあります。そんな同じビジョンを持つブランドと、お互いのこだわりや大事にしていることを深堀りする対談企画「◯◯と、チョコレートと」。商品の魅力やブランドについて考えていること、また今後どのように発展していきたいかなど、普段聞けない「うちに秘めた想い」をお伝えしたいと思います。ご紹介するブランドや商品を身近に感じ、毎日の暮らしをちょっと豊かにするための参考やきっかけになると嬉しいです。記念すべき第一回は、「煎餅と、チョコレートと」。おせんべいとチョコレート、あまじょっぱい組み合わせのストーリーをお楽しみください。 煎餅と、チョコレートと 松崎煎餅 8代目店主・松崎宗平さん(右)と、ダンデライオン・チョコレートの物江徹(左) チョコレートよりもはるか昔、日本に根付くお菓子のひとつが「おせんべい」。松崎商店は、文化元年(1804年)から続く老舗煎餅屋です。2021年7月にはこれまで本店があった銀座5丁目から4丁目に移転し、屋号も「銀座 松崎煎餅」から「MATSUZAKI SHOTEN」へと変更。煎餅を軸とした新たな「商店」としての展開に挑戦しています。今回、兼ねてから音楽を通してプライベートでも親交のある8代目店主・松崎宗平さんとダンデライオン・チョコレートの物江徹が、お互いの商品やこれからの挑戦について話しました。 銀座から東銀座に 藤色ののれんの横には松崎煎餅の看板商品「三味胴」を模したネオンサインが。歴史と現代の融合を感じます 物江:「銀座 松崎煎餅」から「MATSUZAKI SHOTEN」に変わって、雰囲気もガラッと変わったね。銀座から東銀座に移って、どんな変化があった?松崎:煎餅だけじゃなく、それを含めた身近なものを発信しやすくなったかな。銀座はどちらかというとフォーマルなイメージだと思うんだけど、もうそろそろそこから脱さないといけない時代だと感じていて。うちはそのちょっと先の立ち位置にいたいというか、もう少し気を抜いて楽しめるようになりたいなって想いもあって、より下町で敷居が高くない店も多い東銀座に移転を決意した。そもそも煎餅って、肩肘張って食べるものじゃないしね。物江:確かに、立地はブランドのイメージを発信する上でも大事だよね。ダンデライオン・チョコレートは本店があるサンフランシスコの立地と蔵前の雰囲気が似ていたからっていうのも理由のひとつで。古くからある倉庫や問屋さんと、新しいクリエーターが少しずつ増えているところとか。松崎:そういう意味では2016年にオープンした松陰神社前店※1が似ているかも。あのエリアがいいなって思った先駆者達がそれぞれお店を出し始めて、それに僕たちも引き寄せられて。街を訪れる人が増えると今度は企業が入ってきて街が栄えていく、みたいな。東銀座もそうなってほしいと思ってる。※1「地域密着・原点回帰」をテーマにしたコンセプトストア。カフェ併設型の店舗で店舗限定の煎餅も販売 煎餅の固定観念を新しいかたちに さまざまなアーティストとのコラボレーションや季節に合わせた限定のイラストを施した「三味胴」。ひとつひとつ手作業で描かれています 物江:長く愛されている伝統あるブランドでありながら、なぜ今敢えて新しく変わろうと思った?松崎:松崎煎餅はもともと瓦せんべいという小麦が主原料のメーカーだった。でも僕が継ぐ頃には草加煎餅という米菓子がメインになっていて、瓦せんべいの方は自社構成比が5%くらいまで落ちていたんだよね。だから「せっかくならもともとやっていたものを大事にしたほうがいいんじゃない?」という想いがあった。そしてこの業界の悩ましいところは、小麦や米の使用量で大体の商品価格が決まっちゃっているということ。業界的にもマーケット的にも動く(売れる)値段の範囲があって、なかなか商品価値を上げても値段を上げることができない。物江:日本に古くから根付いているからこそ、だね。確かに、その点チョコレートやコーヒー、ケーキは海外から来たもので、ある程度価格が上がっても受け入れやすい気がする。実際僕たちのチョコレートバー(板チョコレート)もオープンした2016年は「一枚1,200円の板チョコなんて高い」という声が多かったけど、この5年でそういった声を聞くことが減ったかな。松崎:だから見せ方やアプローチを変えて、本来の瓦せんべいの価値を高めてそれを根付かせるかが、今の課題だと思って。ちょっと見た目の違う「松崎ろうる」や天然着色料でイラストを描いた「三味胴」で興味を持ってもらったり、他の同業者とも意見交換しつつ、試行錯誤しながら新しいかたちを模索しているところかな。 物江:なるほど、その点は僕たちがやっていることと似ているかも。一番の看板商品はチョコレートバーだけど、日本人はなかなかチョコレートバーをそのまま食べる習慣がまだない。だから僕たちのお店も工場併設型のカフェになっていて、目の前で作ったチョコレートを使ったドリンクを飲めたり、ガトーショコラのような誰もが知っているお菓子でまずは関心を持ってもらう。そこでおいしいって思っていただけたら、「じゃあ次はチョコレートバーも試してみよう」ってもう一歩踏み込める。松崎:そうだね、この新しい店舗ではお煎餅に合うコーヒーが飲めたり、「ぎんざ空也 空いろ」のあんこを使った松崎ろうるがあったり、新しい瓦せんべいの楽しみ方が提供できていると思う。コーヒーに煎餅って意外だけど、実は合うんだっていうのもこのカフェスペースで体験できるし。物江:ダンデライオン・チョコレートのカカオニブとチョコレートを使った「黒格子」も新しいかたちのひとつだったね。すごくこだわって作ってくれて、確か最初に話があってから発売するまで1年くらいかかった気がする。松崎:そう、ものすごくいろんなパターンで試したね。僕はカカオニブだけが入ったものがおいしいなと思っていたんだけど、周りのスタッフからは生地にもチョコレートを混ぜたほうがおいしいという意見もあって、ちょっと見た目が茶色い「黒格子」になった。いろんなカカオの産地や配合割合で何度も試作して、時間はかかったけど長く続けていきたい定番商品になったよね。ちなみにこれから黒格子をミルクアイスに混ぜ込んだ「黒格子アイス」も発売予定なんだ。 「大江戸松崎 黒格子」は、ダンデライオン・チョコレートのチョコレートとカカオニブを使用した瓦せんべいです 伝統があるから変われること 「黒格子」の製造風景。職人さんが一枚一枚丁寧に焼いています 物江:実際に瓦せんべいを作っている様子を見学させてもらったけど、本当にひとつひとつ職人さんが手作りしているんだね。チョコレートも製造工程を見たお客さまから「こんなに時間をかけて丁寧に作られているなら大事に食べないと」と感想をいただくけど、この瓦せんべいの製造現場も実際にお客さまに生で見てほしいって思っちゃう。松崎:瓦せんべいは原材料が小麦粉や砂糖、卵ととてもシンプル。だからその日の気温や湿度、生地の状態を見て毎日職人さんがその日の火加減を決めている。機械も50年ものだから、こういった今も残る機械や製法を大事にしながら、どう新しく進化できるか、日々試行錯誤しているよ。物江:ダンデライオン・チョコレートでは新商品を開発するとき商品開発担当がいたりするんだけど、松崎商店ではどうやって開発しているの?松崎:例えば「松崎ろうる」は僕がイメージしたものを瓦せんべいの職人に伝えて、「だったらこんな風にできそう」と厚みや製法を変えて何パターンか作ってもらって進めて行った。あと三味胴は季節ごとにイラストが得意なスタッフに考えてもらったり。結構みんなで話し合って進めることが多いかな。物江:長く続くブランドだと、何かが変わったり新しいことに挑戦したりすることに消極的なイメージもあるけど、みんなで取り組めるっていい方向性だよね。松崎:そうだね、そのあたりは先代から「とりあえずやってみな」と挑戦しやすい環境ではあるのかも。もちろん失敗もあるけど、まずは動いてみないと分からないし、自分たちが発信したいことはどんどんかたちにしていきたいよね。 行ったら楽しい街にする 物江:屋号も変わって、これからどんな展開をして行きたい?松崎:今は松崎煎餅が主体のお店だけど、これから他のブランドや食品以外のものも販売して、ポップアップ的なことができたら、という構想がある。 この街にもおもしろいお店が徐々に増えてきてるし、僕たちも「商店」として人が集まる場所にできたらって考えてる。近隣のお店と一緒に盛り上げてワクワクする街にして、世代を問わず、「今日東銀座行こう」ってなるといいなと思うよ。 カフェスペースのテーブルは昭和39年に設立した松崎ビルで使用していたものをリメイク。街歩きの途中に足を休めるのにもおすすめです * * *...
煎餅と、チョコレートと
私たちダンデライオン・チョコレートはクラフトチョコレートメーカーとして日々チョコレートを作りBean to Bar チョコレートの魅力を発信していますが、私たちの周りには同じように、ものづくりを通してお客さまにおいしさと共にワクワクする体験を発信している素敵なブランドがたくさんあります。そんな同じビジョンを持つブランドと、お互いのこだわりや大事にしていることを深堀りする対談企画「◯◯と、チョコレートと」。商品の魅力やブランドについて考えていること、また今後どのように発展していきたいかなど、普段聞けない「うちに秘めた想い」をお伝えしたいと思います。ご紹介するブランドや商品を身近に感じ、毎日の暮らしをちょっと豊かにするための参考やきっかけになると嬉しいです。記念すべき第一回は、「煎餅と、チョコレートと」。おせんべいとチョコレート、あまじょっぱい組み合わせのストーリーをお楽しみください。 煎餅と、チョコレートと 松崎煎餅 8代目店主・松崎宗平さん(右)と、ダンデライオン・チョコレートの物江徹(左) チョコレートよりもはるか昔、日本に根付くお菓子のひとつが「おせんべい」。松崎商店は、文化元年(1804年)から続く老舗煎餅屋です。2021年7月にはこれまで本店があった銀座5丁目から4丁目に移転し、屋号も「銀座 松崎煎餅」から「MATSUZAKI SHOTEN」へと変更。煎餅を軸とした新たな「商店」としての展開に挑戦しています。今回、兼ねてから音楽を通してプライベートでも親交のある8代目店主・松崎宗平さんとダンデライオン・チョコレートの物江徹が、お互いの商品やこれからの挑戦について話しました。 銀座から東銀座に 藤色ののれんの横には松崎煎餅の看板商品「三味胴」を模したネオンサインが。歴史と現代の融合を感じます 物江:「銀座 松崎煎餅」から「MATSUZAKI SHOTEN」に変わって、雰囲気もガラッと変わったね。銀座から東銀座に移って、どんな変化があった?松崎:煎餅だけじゃなく、それを含めた身近なものを発信しやすくなったかな。銀座はどちらかというとフォーマルなイメージだと思うんだけど、もうそろそろそこから脱さないといけない時代だと感じていて。うちはそのちょっと先の立ち位置にいたいというか、もう少し気を抜いて楽しめるようになりたいなって想いもあって、より下町で敷居が高くない店も多い東銀座に移転を決意した。そもそも煎餅って、肩肘張って食べるものじゃないしね。物江:確かに、立地はブランドのイメージを発信する上でも大事だよね。ダンデライオン・チョコレートは本店があるサンフランシスコの立地と蔵前の雰囲気が似ていたからっていうのも理由のひとつで。古くからある倉庫や問屋さんと、新しいクリエーターが少しずつ増えているところとか。松崎:そういう意味では2016年にオープンした松陰神社前店※1が似ているかも。あのエリアがいいなって思った先駆者達がそれぞれお店を出し始めて、それに僕たちも引き寄せられて。街を訪れる人が増えると今度は企業が入ってきて街が栄えていく、みたいな。東銀座もそうなってほしいと思ってる。※1「地域密着・原点回帰」をテーマにしたコンセプトストア。カフェ併設型の店舗で店舗限定の煎餅も販売 煎餅の固定観念を新しいかたちに さまざまなアーティストとのコラボレーションや季節に合わせた限定のイラストを施した「三味胴」。ひとつひとつ手作業で描かれています 物江:長く愛されている伝統あるブランドでありながら、なぜ今敢えて新しく変わろうと思った?松崎:松崎煎餅はもともと瓦せんべいという小麦が主原料のメーカーだった。でも僕が継ぐ頃には草加煎餅という米菓子がメインになっていて、瓦せんべいの方は自社構成比が5%くらいまで落ちていたんだよね。だから「せっかくならもともとやっていたものを大事にしたほうがいいんじゃない?」という想いがあった。そしてこの業界の悩ましいところは、小麦や米の使用量で大体の商品価格が決まっちゃっているということ。業界的にもマーケット的にも動く(売れる)値段の範囲があって、なかなか商品価値を上げても値段を上げることができない。物江:日本に古くから根付いているからこそ、だね。確かに、その点チョコレートやコーヒー、ケーキは海外から来たもので、ある程度価格が上がっても受け入れやすい気がする。実際僕たちのチョコレートバー(板チョコレート)もオープンした2016年は「一枚1,200円の板チョコなんて高い」という声が多かったけど、この5年でそういった声を聞くことが減ったかな。松崎:だから見せ方やアプローチを変えて、本来の瓦せんべいの価値を高めてそれを根付かせるかが、今の課題だと思って。ちょっと見た目の違う「松崎ろうる」や天然着色料でイラストを描いた「三味胴」で興味を持ってもらったり、他の同業者とも意見交換しつつ、試行錯誤しながら新しいかたちを模索しているところかな。 物江:なるほど、その点は僕たちがやっていることと似ているかも。一番の看板商品はチョコレートバーだけど、日本人はなかなかチョコレートバーをそのまま食べる習慣がまだない。だから僕たちのお店も工場併設型のカフェになっていて、目の前で作ったチョコレートを使ったドリンクを飲めたり、ガトーショコラのような誰もが知っているお菓子でまずは関心を持ってもらう。そこでおいしいって思っていただけたら、「じゃあ次はチョコレートバーも試してみよう」ってもう一歩踏み込める。松崎:そうだね、この新しい店舗ではお煎餅に合うコーヒーが飲めたり、「ぎんざ空也 空いろ」のあんこを使った松崎ろうるがあったり、新しい瓦せんべいの楽しみ方が提供できていると思う。コーヒーに煎餅って意外だけど、実は合うんだっていうのもこのカフェスペースで体験できるし。物江:ダンデライオン・チョコレートのカカオニブとチョコレートを使った「黒格子」も新しいかたちのひとつだったね。すごくこだわって作ってくれて、確か最初に話があってから発売するまで1年くらいかかった気がする。松崎:そう、ものすごくいろんなパターンで試したね。僕はカカオニブだけが入ったものがおいしいなと思っていたんだけど、周りのスタッフからは生地にもチョコレートを混ぜたほうがおいしいという意見もあって、ちょっと見た目が茶色い「黒格子」になった。いろんなカカオの産地や配合割合で何度も試作して、時間はかかったけど長く続けていきたい定番商品になったよね。ちなみにこれから黒格子をミルクアイスに混ぜ込んだ「黒格子アイス」も発売予定なんだ。 「大江戸松崎 黒格子」は、ダンデライオン・チョコレートのチョコレートとカカオニブを使用した瓦せんべいです 伝統があるから変われること 「黒格子」の製造風景。職人さんが一枚一枚丁寧に焼いています 物江:実際に瓦せんべいを作っている様子を見学させてもらったけど、本当にひとつひとつ職人さんが手作りしているんだね。チョコレートも製造工程を見たお客さまから「こんなに時間をかけて丁寧に作られているなら大事に食べないと」と感想をいただくけど、この瓦せんべいの製造現場も実際にお客さまに生で見てほしいって思っちゃう。松崎:瓦せんべいは原材料が小麦粉や砂糖、卵ととてもシンプル。だからその日の気温や湿度、生地の状態を見て毎日職人さんがその日の火加減を決めている。機械も50年ものだから、こういった今も残る機械や製法を大事にしながら、どう新しく進化できるか、日々試行錯誤しているよ。物江:ダンデライオン・チョコレートでは新商品を開発するとき商品開発担当がいたりするんだけど、松崎商店ではどうやって開発しているの?松崎:例えば「松崎ろうる」は僕がイメージしたものを瓦せんべいの職人に伝えて、「だったらこんな風にできそう」と厚みや製法を変えて何パターンか作ってもらって進めて行った。あと三味胴は季節ごとにイラストが得意なスタッフに考えてもらったり。結構みんなで話し合って進めることが多いかな。物江:長く続くブランドだと、何かが変わったり新しいことに挑戦したりすることに消極的なイメージもあるけど、みんなで取り組めるっていい方向性だよね。松崎:そうだね、そのあたりは先代から「とりあえずやってみな」と挑戦しやすい環境ではあるのかも。もちろん失敗もあるけど、まずは動いてみないと分からないし、自分たちが発信したいことはどんどんかたちにしていきたいよね。 行ったら楽しい街にする 物江:屋号も変わって、これからどんな展開をして行きたい?松崎:今は松崎煎餅が主体のお店だけど、これから他のブランドや食品以外のものも販売して、ポップアップ的なことができたら、という構想がある。 この街にもおもしろいお店が徐々に増えてきてるし、僕たちも「商店」として人が集まる場所にできたらって考えてる。近隣のお店と一緒に盛り上げてワクワクする街にして、世代を問わず、「今日東銀座行こう」ってなるといいなと思うよ。 カフェスペースのテーブルは昭和39年に設立した松崎ビルで使用していたものをリメイク。街歩きの途中に足を休めるのにもおすすめです * * *...
【アップルパイ】リンゴの甘さとカカオニブの苦みが秀逸マッチ
月に1度、毎月替わる限定パンと定番のパン4種類の計5種類(7個)が届く、ダンデライオン・チョコレートのオンラインストア限定商品「パン詰め合わせ」。今回ご紹介するのは10月の月替わりパン「アップルパイ」です。世界中で愛されているといっても過言ではないアップルパイの歴史をたどりつつ、ダンデライオン・チョコレートこだわりのアップルパイについて、開発担当者であるファクトリー&カフェ蔵前のシェフ・辻舞(つじ まい)がご紹介します。 パン詰め合わせ(7個) ¥3,456(税込)朝食やおやつとして、わたしたちのチョコレートをもっと身近に日常のなかで味わっていただきたいという想いから生まれたダンデライオン・チョコレートオリジナルのパンセットです。お届けするパンは毎月替わる限定パンを含め、全部で5種類(7個)。蔵前のキッチンでひとつひとつ心を込めてつくっています。 <これまでの記事>●【パン・オ・ショコラ】チョコレートと生地の食感バランスに注目!●【クイニーアマン】形も味も一線を画すオリジナリティあふれる一品●【クロワッサン・オ・ザマンド】チョコレートを存分に楽しむ工夫が肝●【コッペパン】昔ながらの優しい味わいにカカオの風味をのせて アップルパイの発祥は、実はイギリス アップルパイとは、一般的にパイ生地に砂糖で甘く煮たりんごを詰めて、オーブンで焼いた物のこと。アメリカの定番スイーツというイメージが強いため、発祥はアメリカだと思っている人が多いかもしれませんが、最も古いアップルパイのレシピはイギリスに残されており、14世紀までさかのぼるそうです。当時は砂糖の入手が困難だったことから砂糖を使っていないだけでなく、りんごの他にイチジク、レーズン、洋なしといったフルーツや、サフランが入っていたのだとか。アップルパイはその後、16世紀頃までにオランダやフランス、イタリア、ドイツなど、ヨーロッパ各国に広まっていきました。アメリカで食べられるようになったのはさらに遅く、17〜18世紀といわれています。その理由は、アメリカにはりんごがなかったため。17世紀に入り、ヨーロッパからやって来た宣教師によって(諸説あり)、ようやくりんごが持ち込まれ、収穫したりんごで彼らがアップルパイを作ったことが始まりだそう。さらに、1800年代に入ると、アメリカの開拓者の一人であるジョン・チャップマンが、現在のアメリカ東部から中西部にかけての開拓地一帯にりんごの種を植えて歩き、りんご栽培が定着。それが、アメリカでアップルパイが普及する要因になったと考えられています。 アップルパイの特徴は国によってさまざま 今やアメリカには、「As American as apple pie(アップルパイのようにアメリカ的だ)」という慣用句もあるほど、国民の生活に根づいているアップルパイ。日本におけるアップルパイは、そのアメリカから伝わったといわれています。日本には、平安時代中期(900年頃)の書物に「りんご」の名が記録されていますが、当時は野生種のため食用には適さず、観賞用でした。西洋りんごと呼ばれる、現在私たちがよく目にする食用のりんごが普及したのは、明治4年(1871年)以降。日本におけるりんごの歴史は、実はまだ150年程とは驚きですね。ヨーロッパからアメリカへ、アメリカから日本へと、りんごの伝来とともに広まっていったアップルパイ。その特徴もさまざまで、海外ではりんごのフィリングにシナモンやナツメグなどをきかせた物が一般的なのに対し、日本では砂糖のみで味つけされていることが多いといった違いがあります。ちなみに、ホール型のアップルパイで、パイ生地を編み目状にするのは日本特有の形なのだそう。他にも、オーストリアやドイツではりんごのフィリングを巻き寿司のように生地で巻く「アプフェルシュトゥルーデル」と呼ばれるスタイルがあったり、フランスでは一般的なアップルパイ以外に、りんごを丸ごとパイ生地で包んだ「ブールドロ」というお菓子があったりします。ユニークなところでは、フランスの「タルト・タタン」は、アップルパイを作ろうとして失敗したことから生まれたという説もあるそう。国ごとに異なる個性があるのも、それだけアップルパイが世界中で愛されている証拠といえるかもしれませんね。 味、食感、香りのすべてにこだわったりんごのフィリング ここからは、ダンデライオン・チョコレートのアップルパイについて、開発に携わった辻シェフが紹介します。アップルパイの主役といえば、りんごのフィリング。通常、焼き菓子や菓子パンに使用するりんごは「紅玉(こうぎょく)」が多いのですが、ダンデライオン・チョコレートのアップルパイでは「ふじ」を使っています。「紅玉は酸味があるのに加えて食感もしっかりしているので、一般的に煮込んで使うのに適した品種とされています。一方のふじは蜜が多く、そのまま食べておいしいのが特徴です。ダンデライオン・チョコレートのアップルパイは、フレッシュ感を残したフィリングにしたくて、あえてふじを選びました」食感も楽しんでいただけるよう、りんごは大きめにカット。煮込むのではなく砂糖とともに軽くキャラメリゼ(ソテー)することによって、りんご本来の味と香りを活かしました。「りんごと一緒にカカオニブ入りのアーモンドクリームを生地で包んでいるのですが、りんごを軽くキャラメリゼにすることで、そのアーモンドクリームとのマリアージュが引き立つんです。また、アーモンドクリームに混ぜ込んだカカオニブは粗めに砕いているので、噛むとカカオニブの風味が口の中で弾けるように広がり、キャラメリゼしたりんごの甘さとカカオニブの苦みや酸味のハーモニーを楽しんでいただけると思います」その味わいをさらに深めているのが、りんごをフランベする際に用いているラム酒です。「ラムの他にも、ブランデーやコアントローなど、いくつかのお酒を使って試作した結果、ネグリタというフランスのラムを使うことにしました。これは、香りに重厚さがあるのが魅力で、肌寒くなってくる10月の気候にも合うと思います」 そして、アップルパイの形にもこだわりがあります。「私と同じく商品開発を担当している森本シェフがよく言っているのですが、焼き菓子を焼くときはただ焼くのではなく、焼いている香りがお菓子自体に移ることもおいしさを生み出す要素のひとつという考え方があるんです。アップルパイなので、生地の表面にりんごのフィリングをのせて焼くこともできたんですけど、今回はおいしさを閉じ込めるイメージで、包むことにしました。そのため、クロワッサン生地も通常より薄く伸ばして、りんごの食感を邪魔しないように工夫しています」 アツアツのアップルパイがこの季節にぴったり! ダンデライオン・チョコレートのアップルパイは、りんご本来の甘さの中に、カカオニブの苦みがアクセントになった大人の味わい。甘い物をそんなに召しあがらない方でも、楽しんでいただける一品になっていると思います。また、「パン詰め合わせ」のパンは、急速冷凍してお届けしています。2時間程度常温で解凍したらトースターで温めることで、焼き立てのような状態で召しあがっていただくことができます。秋も深まるこの時期、ぜひアツアツのアップルパイで体も心も温まってください! パン詰め合わせ(7個)¥3,456(税込)朝食やおやつとして、わたしたちのチョコレートをもっと身近に日常のなかで味わっていただきたいという想いから生まれたダンデライオン・チョコレートオリジナルのパンセットです。お届けするパンは毎月替わる限定パンを含め、全部で5種類(7個)。蔵前のキッチンでひとつひとつ心を込めてつくっています。
【アップルパイ】リンゴの甘さとカカオニブの苦みが秀逸マッチ
月に1度、毎月替わる限定パンと定番のパン4種類の計5種類(7個)が届く、ダンデライオン・チョコレートのオンラインストア限定商品「パン詰め合わせ」。今回ご紹介するのは10月の月替わりパン「アップルパイ」です。世界中で愛されているといっても過言ではないアップルパイの歴史をたどりつつ、ダンデライオン・チョコレートこだわりのアップルパイについて、開発担当者であるファクトリー&カフェ蔵前のシェフ・辻舞(つじ まい)がご紹介します。 パン詰め合わせ(7個) ¥3,456(税込)朝食やおやつとして、わたしたちのチョコレートをもっと身近に日常のなかで味わっていただきたいという想いから生まれたダンデライオン・チョコレートオリジナルのパンセットです。お届けするパンは毎月替わる限定パンを含め、全部で5種類(7個)。蔵前のキッチンでひとつひとつ心を込めてつくっています。 <これまでの記事>●【パン・オ・ショコラ】チョコレートと生地の食感バランスに注目!●【クイニーアマン】形も味も一線を画すオリジナリティあふれる一品●【クロワッサン・オ・ザマンド】チョコレートを存分に楽しむ工夫が肝●【コッペパン】昔ながらの優しい味わいにカカオの風味をのせて アップルパイの発祥は、実はイギリス アップルパイとは、一般的にパイ生地に砂糖で甘く煮たりんごを詰めて、オーブンで焼いた物のこと。アメリカの定番スイーツというイメージが強いため、発祥はアメリカだと思っている人が多いかもしれませんが、最も古いアップルパイのレシピはイギリスに残されており、14世紀までさかのぼるそうです。当時は砂糖の入手が困難だったことから砂糖を使っていないだけでなく、りんごの他にイチジク、レーズン、洋なしといったフルーツや、サフランが入っていたのだとか。アップルパイはその後、16世紀頃までにオランダやフランス、イタリア、ドイツなど、ヨーロッパ各国に広まっていきました。アメリカで食べられるようになったのはさらに遅く、17〜18世紀といわれています。その理由は、アメリカにはりんごがなかったため。17世紀に入り、ヨーロッパからやって来た宣教師によって(諸説あり)、ようやくりんごが持ち込まれ、収穫したりんごで彼らがアップルパイを作ったことが始まりだそう。さらに、1800年代に入ると、アメリカの開拓者の一人であるジョン・チャップマンが、現在のアメリカ東部から中西部にかけての開拓地一帯にりんごの種を植えて歩き、りんご栽培が定着。それが、アメリカでアップルパイが普及する要因になったと考えられています。 アップルパイの特徴は国によってさまざま 今やアメリカには、「As American as apple pie(アップルパイのようにアメリカ的だ)」という慣用句もあるほど、国民の生活に根づいているアップルパイ。日本におけるアップルパイは、そのアメリカから伝わったといわれています。日本には、平安時代中期(900年頃)の書物に「りんご」の名が記録されていますが、当時は野生種のため食用には適さず、観賞用でした。西洋りんごと呼ばれる、現在私たちがよく目にする食用のりんごが普及したのは、明治4年(1871年)以降。日本におけるりんごの歴史は、実はまだ150年程とは驚きですね。ヨーロッパからアメリカへ、アメリカから日本へと、りんごの伝来とともに広まっていったアップルパイ。その特徴もさまざまで、海外ではりんごのフィリングにシナモンやナツメグなどをきかせた物が一般的なのに対し、日本では砂糖のみで味つけされていることが多いといった違いがあります。ちなみに、ホール型のアップルパイで、パイ生地を編み目状にするのは日本特有の形なのだそう。他にも、オーストリアやドイツではりんごのフィリングを巻き寿司のように生地で巻く「アプフェルシュトゥルーデル」と呼ばれるスタイルがあったり、フランスでは一般的なアップルパイ以外に、りんごを丸ごとパイ生地で包んだ「ブールドロ」というお菓子があったりします。ユニークなところでは、フランスの「タルト・タタン」は、アップルパイを作ろうとして失敗したことから生まれたという説もあるそう。国ごとに異なる個性があるのも、それだけアップルパイが世界中で愛されている証拠といえるかもしれませんね。 味、食感、香りのすべてにこだわったりんごのフィリング ここからは、ダンデライオン・チョコレートのアップルパイについて、開発に携わった辻シェフが紹介します。アップルパイの主役といえば、りんごのフィリング。通常、焼き菓子や菓子パンに使用するりんごは「紅玉(こうぎょく)」が多いのですが、ダンデライオン・チョコレートのアップルパイでは「ふじ」を使っています。「紅玉は酸味があるのに加えて食感もしっかりしているので、一般的に煮込んで使うのに適した品種とされています。一方のふじは蜜が多く、そのまま食べておいしいのが特徴です。ダンデライオン・チョコレートのアップルパイは、フレッシュ感を残したフィリングにしたくて、あえてふじを選びました」食感も楽しんでいただけるよう、りんごは大きめにカット。煮込むのではなく砂糖とともに軽くキャラメリゼ(ソテー)することによって、りんご本来の味と香りを活かしました。「りんごと一緒にカカオニブ入りのアーモンドクリームを生地で包んでいるのですが、りんごを軽くキャラメリゼにすることで、そのアーモンドクリームとのマリアージュが引き立つんです。また、アーモンドクリームに混ぜ込んだカカオニブは粗めに砕いているので、噛むとカカオニブの風味が口の中で弾けるように広がり、キャラメリゼしたりんごの甘さとカカオニブの苦みや酸味のハーモニーを楽しんでいただけると思います」その味わいをさらに深めているのが、りんごをフランベする際に用いているラム酒です。「ラムの他にも、ブランデーやコアントローなど、いくつかのお酒を使って試作した結果、ネグリタというフランスのラムを使うことにしました。これは、香りに重厚さがあるのが魅力で、肌寒くなってくる10月の気候にも合うと思います」 そして、アップルパイの形にもこだわりがあります。「私と同じく商品開発を担当している森本シェフがよく言っているのですが、焼き菓子を焼くときはただ焼くのではなく、焼いている香りがお菓子自体に移ることもおいしさを生み出す要素のひとつという考え方があるんです。アップルパイなので、生地の表面にりんごのフィリングをのせて焼くこともできたんですけど、今回はおいしさを閉じ込めるイメージで、包むことにしました。そのため、クロワッサン生地も通常より薄く伸ばして、りんごの食感を邪魔しないように工夫しています」 アツアツのアップルパイがこの季節にぴったり! ダンデライオン・チョコレートのアップルパイは、りんご本来の甘さの中に、カカオニブの苦みがアクセントになった大人の味わい。甘い物をそんなに召しあがらない方でも、楽しんでいただける一品になっていると思います。また、「パン詰め合わせ」のパンは、急速冷凍してお届けしています。2時間程度常温で解凍したらトースターで温めることで、焼き立てのような状態で召しあがっていただくことができます。秋も深まるこの時期、ぜひアツアツのアップルパイで体も心も温まってください! パン詰め合わせ(7個)¥3,456(税込)朝食やおやつとして、わたしたちのチョコレートをもっと身近に日常のなかで味わっていただきたいという想いから生まれたダンデライオン・チョコレートオリジナルのパンセットです。お届けするパンは毎月替わる限定パンを含め、全部で5種類(7個)。蔵前のキッチンでひとつひとつ心を込めてつくっています。
【親子向けワークショップ】小学1年生 夏休みの自由研究レポートをご紹介
7月から8月にかけて毎年開催している、夏休みの親子向けワークショップ。多くの小学生のみなさんには、夏休みの自由研究に、という目的で参加していただいています。<ワークショップレポートはこちら>●【レポート】夏休み企画・親子向けワークショップ 回を重ねるごとに参加者のみなさんと私たちの距離も近くなり、ワークショップ後にまたお店に足を運んでいただいたり、「こんな風にまとめました!」と出来上がった自由研究を見せに来ていただくことも増えました。とても小学生とは思えない出来映えのものが本当に多く、スタッフ内でも「色使いが秀逸」「こんなに上手に包括的にまとめられるんだ」「私より詳しい!」など驚きの声が上がります。そんなみなさんの自由研究の成果を、私たちの中だけで止めておくのはもったいないので、今回「【親子向け】チョコレートの歴史を体験しよう!」と「ファクトリーツアー」に参加していただいた、小学1年生の自由研究をご紹介したいと思います! 驚かされるポイントはいくつもありますが、カカオが一体どんなものなのかから始まり、チョコレートの歴史、Bean to Bar チョコレートのつくりかた、最後にマヤ文明のチョコレートドリンクを自宅で再現するという構成からまとめかたまで、これを読めばチョコレートのことが一目で分かるレポートになっています。正直、特に歴史のクラスは小学1年生には難しすぎる内容だろうなと思っていましたが、これを見てしっかり理解していたことが分かり、とても嬉しくなりました。 小学校は今もなおオンライン授業、ご両親も在宅でお仕事となり、3時のおやつに皆で集まってチョコレートを食べながら、そのカカオの生産国についてお話ししたり、国旗を検索したりすることもあるそうです。活き活きと楽しそうにお話しする様子が目に浮かび、チョコレートを囲む家庭のあたたかさを感じることができました。元々チョコレートが大好きで、5歳の時にはカカオ分70%のチョコレートに目覚め、「将来はカカオ豆から作るチョコレート屋さんを開きたい」と夢を語っているそうです。私たちも、そんな未来のチョコレートメーカーの目標になれるよう、日々チョコレートづくりに励みたいと思います。来年もまた、楽しくワクワクするワークショップを開催しようと思いますので、お楽しみに。また、ご参加いただいたみなさまの「自由研究のウェブ展示会」を開催できたらいいなぁ、とも考えています。素敵なレポートをありがとうございました!またお店で会える日を、楽しみにしています! Bean to Bar チョコレートメイキングキット¥2,376(税込) チョコレートの原材料である生のカカオ豆からチョコレートまで、自宅で一から作れるキットです。フードプロセッサーを使用し、ご家庭でBean to Bar チョコレート作りを体験できます。カカオ豆のフレーバーや甘さ、トッピングなどアレンジの仕方は無限大。オリジナルのチョコレート作りをぜひお楽しみください!
【親子向けワークショップ】小学1年生 夏休みの自由研究レポートをご紹介
7月から8月にかけて毎年開催している、夏休みの親子向けワークショップ。多くの小学生のみなさんには、夏休みの自由研究に、という目的で参加していただいています。<ワークショップレポートはこちら>●【レポート】夏休み企画・親子向けワークショップ 回を重ねるごとに参加者のみなさんと私たちの距離も近くなり、ワークショップ後にまたお店に足を運んでいただいたり、「こんな風にまとめました!」と出来上がった自由研究を見せに来ていただくことも増えました。とても小学生とは思えない出来映えのものが本当に多く、スタッフ内でも「色使いが秀逸」「こんなに上手に包括的にまとめられるんだ」「私より詳しい!」など驚きの声が上がります。そんなみなさんの自由研究の成果を、私たちの中だけで止めておくのはもったいないので、今回「【親子向け】チョコレートの歴史を体験しよう!」と「ファクトリーツアー」に参加していただいた、小学1年生の自由研究をご紹介したいと思います! 驚かされるポイントはいくつもありますが、カカオが一体どんなものなのかから始まり、チョコレートの歴史、Bean to Bar チョコレートのつくりかた、最後にマヤ文明のチョコレートドリンクを自宅で再現するという構成からまとめかたまで、これを読めばチョコレートのことが一目で分かるレポートになっています。正直、特に歴史のクラスは小学1年生には難しすぎる内容だろうなと思っていましたが、これを見てしっかり理解していたことが分かり、とても嬉しくなりました。 小学校は今もなおオンライン授業、ご両親も在宅でお仕事となり、3時のおやつに皆で集まってチョコレートを食べながら、そのカカオの生産国についてお話ししたり、国旗を検索したりすることもあるそうです。活き活きと楽しそうにお話しする様子が目に浮かび、チョコレートを囲む家庭のあたたかさを感じることができました。元々チョコレートが大好きで、5歳の時にはカカオ分70%のチョコレートに目覚め、「将来はカカオ豆から作るチョコレート屋さんを開きたい」と夢を語っているそうです。私たちも、そんな未来のチョコレートメーカーの目標になれるよう、日々チョコレートづくりに励みたいと思います。来年もまた、楽しくワクワクするワークショップを開催しようと思いますので、お楽しみに。また、ご参加いただいたみなさまの「自由研究のウェブ展示会」を開催できたらいいなぁ、とも考えています。素敵なレポートをありがとうございました!またお店で会える日を、楽しみにしています! Bean to Bar チョコレートメイキングキット¥2,376(税込) チョコレートの原材料である生のカカオ豆からチョコレートまで、自宅で一から作れるキットです。フードプロセッサーを使用し、ご家庭でBean to Bar チョコレート作りを体験できます。カカオ豆のフレーバーや甘さ、トッピングなどアレンジの仕方は無限大。オリジナルのチョコレート作りをぜひお楽しみください!