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カカオの生産地を知ろう(アンバンジャ, マダガスカル)

カカオの生産地を知ろう(アンバンジャ, マダガスカル)

Sold out 生産者:ベジョーホ農園生産国:マダガスカル地域:サンビラノ・バレー事業形態:私有地の農園と発酵施設カカオ豆:私有地で栽培発酵方式:4段のひな壇式発酵箱乾燥方法:木製の乾燥台とセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:甘い果実、酸味のある乳製品 マダガスカルはどんな国? マダガスカル共和国はアフリカ大陸の東海岸から400km離れた島国で、島国としては世界で4番目の大きさ(約59万㎢で日本の面積の約1.6倍)です。人口は2,697万人(2019年)で、日本の約0.19倍になります。「星の王子様」にも登場するバオバブの並木道やドリームワークスの映画でもおなじみ、大自然に囲まれて動植物が豊かに生息する島には、マダガスカルのみに生息する固有種が約8割を占めるとも言われています。公用語はマダガスカル語の他にフランスの植民地であったことからフランス語、そして2007年からは英語も公用語に加わりました。ちなみに、マダガスカルの地形は左足の形をしていますが、これは神が地球を創造する際、最初に左足を踏み込んだ場所がマダガスカルであったため、という言い伝えがあり、マダガスカルは別名「神の左足」とも表されるそうです。 マダガスカルのカカオ事情 国の主要産業は農林水産業、鉱山業、観光業で、その中でカカオは世界の生産量第22位(約0.16%)と決して多くはありません(2019年:約11トン)。マダガスカルというとバニラビーンズが有名ですが、他にもコーヒー、そして意外にも米が主要作物となっています。マダガスカルにカカオが持ち込まれたのは1800年代、フランスの植民地としてカカオの栽培が始まりました。多くは小さな家族経営の農園ですが、中には自身のカカオ農園でカカオを栽培し、収穫したものを発酵から乾燥してカカオ豆に加工する施設、そしてチョコレートを作る製造施設まで併設している場合もあります。マダガスカル産カカオは、一度食べたら忘れられないフルーティーな酸味が特徴で、その品質の高さから世界中の多くのBean to Bar チョコレートメーカーが好んで購入する産地となっています。 ベジョーホ農園について ベジョーホ農園があるサンビラノ・バレーはマダガスカルの北西に位置し、マダガスカルのカカオ生産では有名な地域です。多くのカカオ農園は個人経営で、何世代にも渡って続く昔ながらの農法でカカオを育てています。ベジョーホ農園は1920年代からカカオを栽培しており、樹齢80年以上の木々で覆われた600ヘクタールの土地からなる、単一農園としては規模の大きい農園です。バーティル・アケッソンズ氏が運営するこの農園では、カカオの収穫後の工程で重要視している点が2つあります。一つは、収穫したカカオをすぐに発酵作業に移すこと。カカオは収穫後腐敗しやすいため、収穫後1時間以内に発酵箱に移しています。これは農園と発酵施設が同じ場所にあるからこそ実現することで、他の農園では発酵施設まで数時間かかる場合もあります。そしてもう一つは、カカオ豆の乾燥です。マダガスカルの強い直射日光で日干しすることで、発酵によって出来た酢酸が揮発する前にカカオ豆自体が乾燥し、独特の鮮やかでフルーティーな酸味を生み出しています。 ベジョーホ農園が目指すカカオ産業 ベジョーホ農園のカカオ豆は、毎年フルーツのような味わいとパンチのある酸味が特徴ですが、袋ごとのフレーバーのばらつきがなく、とても安定しています。バーティルがカカオ生産を始めた頃は、多くのチョコレートメーカーが「チョコレートらしい」味わいを求めていました。しかし、今ではその個性的で魅力的なカカオ豆のフレーバーに多くのチョコレートメーカーが惚れ込み、このカカオ豆で作ったチョコレートを初めて食べてクラフトチョコレートの世界に飛び込んだメーカーもいるほどです。そして、このような個性的なフレーバーを持つカカオ豆の需要があることを知り、他のカカオ生産者たちも個性ある味わいを持つカカオの開発を始めるようになりました。このような点からも、バーティルはBean to Bar チョコレート業界においてパイオニア的存在と言えます。現在マダガスカル以外の国々でも様々なプロジェクトに携わるバーティル。今後カカオ業界にどのような影響を与えるか、とても楽しみです。 マダガスカルのBean to Bar チョコレートメーカー AKKESON’S ベジョーホ農園を経営するバーティル・アケッソンズのチョコレートブランド。自身の農園で収穫したマダガスカル産カカオはもちろん、中米、アジアのカカオ豆を使用したチョコレートも製造しています。日本での購入先はこちら。 関連商品 アンバンジャ, マダガスカル 70%¥1,400(税込)〜 マダガスカル北岸にあるバーティル・アケッソンズのベジョーホ農園で2017年に収穫されたカカオ豆です。初めて開発に携わったリリーは、やや強めのローストをすることで、南国への旅を思わせる明るくてトロピカルな果実味を引き出しました。ハーブティーや甘めの白ワインとよく合います。 チョコレートバー各種¥1,400(税込)〜 シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 【他の産地の記事】・ハシエンダ・アズール,...

カカオの生産地を知ろう(アンバンジャ, マダガスカル)

Sold out 生産者:ベジョーホ農園生産国:マダガスカル地域:サンビラノ・バレー事業形態:私有地の農園と発酵施設カカオ豆:私有地で栽培発酵方式:4段のひな壇式発酵箱乾燥方法:木製の乾燥台とセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:甘い果実、酸味のある乳製品 マダガスカルはどんな国? マダガスカル共和国はアフリカ大陸の東海岸から400km離れた島国で、島国としては世界で4番目の大きさ(約59万㎢で日本の面積の約1.6倍)です。人口は2,697万人(2019年)で、日本の約0.19倍になります。「星の王子様」にも登場するバオバブの並木道やドリームワークスの映画でもおなじみ、大自然に囲まれて動植物が豊かに生息する島には、マダガスカルのみに生息する固有種が約8割を占めるとも言われています。公用語はマダガスカル語の他にフランスの植民地であったことからフランス語、そして2007年からは英語も公用語に加わりました。ちなみに、マダガスカルの地形は左足の形をしていますが、これは神が地球を創造する際、最初に左足を踏み込んだ場所がマダガスカルであったため、という言い伝えがあり、マダガスカルは別名「神の左足」とも表されるそうです。 マダガスカルのカカオ事情 国の主要産業は農林水産業、鉱山業、観光業で、その中でカカオは世界の生産量第22位(約0.16%)と決して多くはありません(2019年:約11トン)。マダガスカルというとバニラビーンズが有名ですが、他にもコーヒー、そして意外にも米が主要作物となっています。マダガスカルにカカオが持ち込まれたのは1800年代、フランスの植民地としてカカオの栽培が始まりました。多くは小さな家族経営の農園ですが、中には自身のカカオ農園でカカオを栽培し、収穫したものを発酵から乾燥してカカオ豆に加工する施設、そしてチョコレートを作る製造施設まで併設している場合もあります。マダガスカル産カカオは、一度食べたら忘れられないフルーティーな酸味が特徴で、その品質の高さから世界中の多くのBean to Bar チョコレートメーカーが好んで購入する産地となっています。 ベジョーホ農園について ベジョーホ農園があるサンビラノ・バレーはマダガスカルの北西に位置し、マダガスカルのカカオ生産では有名な地域です。多くのカカオ農園は個人経営で、何世代にも渡って続く昔ながらの農法でカカオを育てています。ベジョーホ農園は1920年代からカカオを栽培しており、樹齢80年以上の木々で覆われた600ヘクタールの土地からなる、単一農園としては規模の大きい農園です。バーティル・アケッソンズ氏が運営するこの農園では、カカオの収穫後の工程で重要視している点が2つあります。一つは、収穫したカカオをすぐに発酵作業に移すこと。カカオは収穫後腐敗しやすいため、収穫後1時間以内に発酵箱に移しています。これは農園と発酵施設が同じ場所にあるからこそ実現することで、他の農園では発酵施設まで数時間かかる場合もあります。そしてもう一つは、カカオ豆の乾燥です。マダガスカルの強い直射日光で日干しすることで、発酵によって出来た酢酸が揮発する前にカカオ豆自体が乾燥し、独特の鮮やかでフルーティーな酸味を生み出しています。 ベジョーホ農園が目指すカカオ産業 ベジョーホ農園のカカオ豆は、毎年フルーツのような味わいとパンチのある酸味が特徴ですが、袋ごとのフレーバーのばらつきがなく、とても安定しています。バーティルがカカオ生産を始めた頃は、多くのチョコレートメーカーが「チョコレートらしい」味わいを求めていました。しかし、今ではその個性的で魅力的なカカオ豆のフレーバーに多くのチョコレートメーカーが惚れ込み、このカカオ豆で作ったチョコレートを初めて食べてクラフトチョコレートの世界に飛び込んだメーカーもいるほどです。そして、このような個性的なフレーバーを持つカカオ豆の需要があることを知り、他のカカオ生産者たちも個性ある味わいを持つカカオの開発を始めるようになりました。このような点からも、バーティルはBean to Bar チョコレート業界においてパイオニア的存在と言えます。現在マダガスカル以外の国々でも様々なプロジェクトに携わるバーティル。今後カカオ業界にどのような影響を与えるか、とても楽しみです。 マダガスカルのBean to Bar チョコレートメーカー AKKESON’S ベジョーホ農園を経営するバーティル・アケッソンズのチョコレートブランド。自身の農園で収穫したマダガスカル産カカオはもちろん、中米、アジアのカカオ豆を使用したチョコレートも製造しています。日本での購入先はこちら。 関連商品 アンバンジャ, マダガスカル 70%¥1,400(税込)〜 マダガスカル北岸にあるバーティル・アケッソンズのベジョーホ農園で2017年に収穫されたカカオ豆です。初めて開発に携わったリリーは、やや強めのローストをすることで、南国への旅を思わせる明るくてトロピカルな果実味を引き出しました。ハーブティーや甘めの白ワインとよく合います。 チョコレートバー各種¥1,400(税込)〜 シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 【他の産地の記事】・ハシエンダ・アズール,...

カカオの生産地を知ろう(コスタ・エスメラルダス, エクアドル)

カカオの生産地を知ろう(コスタ・エスメラルダス, エクアドル)

Sold out 生産者:Costa Esmeraldas生産国:エクアドル地域:アタカメス事業形態:私有地の農園と発酵施設カカオ豆:私有地で栽培発酵方式:5段のひな壇式発酵箱乾燥方法:メッシュの乾燥台とビニールハウス内のセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:チョコレートファッジ、甘いフルーツ エクアドルはどんな国? 南アメリカ大陸の北西部、コロンビアとペルーに接し、西は太平洋に面している赤道直下の国です。国土の面積は約25.6万㎢で、日本の本州と九州を合わせた広さ。人口は1,737万人(2019年)で、日本の約1/10になります。国土の中央をアンデス山脈が縦断しており、その両側に盆地があります。そのため気候も複雑で、標高などによって4つの地域に分類されており、中央のアンデス山脈が縦断する地域である「シエラ」、太平洋に面する亜熱帯低地である「コスタ」、東部のアマゾン川上流熱帯雨林が広がる地域である「オリエンテ」、そしてガラパゴス諸島、となっています。公用語はスペイン語、ちなみに「エクアドル」という名前はスペイン語で「赤道」という意味だそうです。 エクアドルのカカオ事情 国の主要産業は石油などの鉱業、農業、水産業と言われていますが、その中でカカオは世界の生産量第5位(約5%)、南米では最もカカオ豆の生産量が多い国です(2019年:284千トン)。現在の考古学的研究によると、実はカカオの起源はエクアドルと言われています。そんなエクアドルにはアリバ・ナシオナルという独特のフローラルな香りが特徴であるエクアドル固有の品種があります。しかし今から50年ほど前、ある農学者によってCCN-51という改良品種が開発されたことで、エクアドルのカカオ生産は一変します。CCN-51は大きな実をつける分その中の種の数も多く、また病害虫の耐性が強いため、生産性の高い品種です。同じカカオを育てるなら収益性の高い品種を育てたいと、アリバ・ナシオナル種からCNN-51に乗り換える農家が増え、アリバ・ナシオナル種は一時衰退の一途をたどっていました。エクアドルの固有種に立ち返り栽培に尽力する生産者や、CNN-51をより美味しく加工しスベシャルティカカオとして販売する生産者など、エクアドル全体のカカオの品質価値向上に努める生産者が多くいます。一口に「エクアドル産カカオ」と言ってもフレーバーがそれぞれ異なるため、どんな生産者かまで知ることで、よりそのカカオの味わいを深く感じることができるでしょう。 コスタ・エスメラルダスについて コスタ・エスメラルダスの「コスタ」は「海岸」の意味。エクアドルの北端、海岸沿いに位置するエスメラルダス郡に、サラザール一家が10年ほど前に土地を購入し始めた、家族経営のカカオ生産者です。手付かずの土地から始めたカカオ栽培は苦難の連続でした。道路も整備されていない乾燥した牧草地は決してカカオを栽培するのに適した土地ではなく、小さな農園では適切なアドバイスを受けることも難しく、サラザール家は一時農園を手放すことを考えなくてはいけなくなるほどひどい赤字状態になりました。しかし、サラザール家の息子フレディが経営に参画したことで、状況が少しずつ改善されました。フレディはビジネススクールで学んだことを農園経営に当てはめ、農園のマネージメント強化と栽培技術や知識の向上に努めました。土作りから発酵に至るまで研究を重ね、現在はCCN-51をコモディティカカオとして、ネオ・ナシオナル種(アリバ・ナシオナルと、病気に強く生産性の高い品種の掛け合わせ)をスペシャルティカカオとして栽培・加工し、両方を育てながら、カカオ豆の品質向上と、農園の長期安定化に取り組んでいます。若くしてコスタ・エスメラルダスの取締役で農場長も務めるフレディのカカオ豆は毎年安定した品質とフレーバーで、多くの努力を重ねたからこそ生まれる自信みなぎる味わいに、私たちも魅了されています。 コスタ・エスメラルダスが目指すカカオ農園 フレディは自らの事業を進める上で、周囲のコミュニティと共存共生することを最も大事にしています。例えば、現在も土地の一部でバナナや柑橘類を生産しているほか、野生動植物の繁殖地となっている原生林も残しています。2017年に農園を拡大した際には、周囲の環境への影響を細かく分析し、またチョコレートメーカーが将来必要になるであろうカカオの品種を選定するなど、周囲で関わる全ての人たちにとって良い結果が生まれるように配慮しています。発酵の専門家ダン・オドハティが設計した理想的な発酵・乾燥施設から生まれるフレディのカカオ豆は、安定的かつ繊細で複雑な香りを持ち合わせており、海外の多くのチョコレートメーカーから愛されるカカオ豆となっています。 エクアドルのBean to Bar チョコレートメーカー ・PACARIエクアドルにチョコレートの歴史を変えることを目標として” Santiago Peralta”と” Carla Barbotó”によって2002年に作成された家族経営の会社です。直接取引で仕入れたカカオ豆を使用し、エクアドルの中でも産地の異なるもの、また様々なフレーバー展開も楽しめます。日本での購入先はこちら。 関連商品 コスタ・エスメラルダス, エクアドル 70%¥1,400(税込)〜エクアドル北岸に近いフレディ・サラザールの農園で作られたカカオ豆です。開発を担当したエリックはこの農園を訪れた際、収穫から乾燥に至る品質へのこだわりに感銘を受け、こってりとした甘みと果実味を感じる味わいに仕上げました。軽めか重めのビールとのペアリングがおすすめです。 チョコレートバー各種¥1,400(税込)〜シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 【他の産地の記事】・ハシエンダ・アズール, コスタリカ・アンバンジャ, マダガスカル・ワンプゥ, ホンジュラス...

カカオの生産地を知ろう(コスタ・エスメラルダス, エクアドル)

Sold out 生産者:Costa Esmeraldas生産国:エクアドル地域:アタカメス事業形態:私有地の農園と発酵施設カカオ豆:私有地で栽培発酵方式:5段のひな壇式発酵箱乾燥方法:メッシュの乾燥台とビニールハウス内のセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:チョコレートファッジ、甘いフルーツ エクアドルはどんな国? 南アメリカ大陸の北西部、コロンビアとペルーに接し、西は太平洋に面している赤道直下の国です。国土の面積は約25.6万㎢で、日本の本州と九州を合わせた広さ。人口は1,737万人(2019年)で、日本の約1/10になります。国土の中央をアンデス山脈が縦断しており、その両側に盆地があります。そのため気候も複雑で、標高などによって4つの地域に分類されており、中央のアンデス山脈が縦断する地域である「シエラ」、太平洋に面する亜熱帯低地である「コスタ」、東部のアマゾン川上流熱帯雨林が広がる地域である「オリエンテ」、そしてガラパゴス諸島、となっています。公用語はスペイン語、ちなみに「エクアドル」という名前はスペイン語で「赤道」という意味だそうです。 エクアドルのカカオ事情 国の主要産業は石油などの鉱業、農業、水産業と言われていますが、その中でカカオは世界の生産量第5位(約5%)、南米では最もカカオ豆の生産量が多い国です(2019年:284千トン)。現在の考古学的研究によると、実はカカオの起源はエクアドルと言われています。そんなエクアドルにはアリバ・ナシオナルという独特のフローラルな香りが特徴であるエクアドル固有の品種があります。しかし今から50年ほど前、ある農学者によってCCN-51という改良品種が開発されたことで、エクアドルのカカオ生産は一変します。CCN-51は大きな実をつける分その中の種の数も多く、また病害虫の耐性が強いため、生産性の高い品種です。同じカカオを育てるなら収益性の高い品種を育てたいと、アリバ・ナシオナル種からCNN-51に乗り換える農家が増え、アリバ・ナシオナル種は一時衰退の一途をたどっていました。エクアドルの固有種に立ち返り栽培に尽力する生産者や、CNN-51をより美味しく加工しスベシャルティカカオとして販売する生産者など、エクアドル全体のカカオの品質価値向上に努める生産者が多くいます。一口に「エクアドル産カカオ」と言ってもフレーバーがそれぞれ異なるため、どんな生産者かまで知ることで、よりそのカカオの味わいを深く感じることができるでしょう。 コスタ・エスメラルダスについて コスタ・エスメラルダスの「コスタ」は「海岸」の意味。エクアドルの北端、海岸沿いに位置するエスメラルダス郡に、サラザール一家が10年ほど前に土地を購入し始めた、家族経営のカカオ生産者です。手付かずの土地から始めたカカオ栽培は苦難の連続でした。道路も整備されていない乾燥した牧草地は決してカカオを栽培するのに適した土地ではなく、小さな農園では適切なアドバイスを受けることも難しく、サラザール家は一時農園を手放すことを考えなくてはいけなくなるほどひどい赤字状態になりました。しかし、サラザール家の息子フレディが経営に参画したことで、状況が少しずつ改善されました。フレディはビジネススクールで学んだことを農園経営に当てはめ、農園のマネージメント強化と栽培技術や知識の向上に努めました。土作りから発酵に至るまで研究を重ね、現在はCCN-51をコモディティカカオとして、ネオ・ナシオナル種(アリバ・ナシオナルと、病気に強く生産性の高い品種の掛け合わせ)をスペシャルティカカオとして栽培・加工し、両方を育てながら、カカオ豆の品質向上と、農園の長期安定化に取り組んでいます。若くしてコスタ・エスメラルダスの取締役で農場長も務めるフレディのカカオ豆は毎年安定した品質とフレーバーで、多くの努力を重ねたからこそ生まれる自信みなぎる味わいに、私たちも魅了されています。 コスタ・エスメラルダスが目指すカカオ農園 フレディは自らの事業を進める上で、周囲のコミュニティと共存共生することを最も大事にしています。例えば、現在も土地の一部でバナナや柑橘類を生産しているほか、野生動植物の繁殖地となっている原生林も残しています。2017年に農園を拡大した際には、周囲の環境への影響を細かく分析し、またチョコレートメーカーが将来必要になるであろうカカオの品種を選定するなど、周囲で関わる全ての人たちにとって良い結果が生まれるように配慮しています。発酵の専門家ダン・オドハティが設計した理想的な発酵・乾燥施設から生まれるフレディのカカオ豆は、安定的かつ繊細で複雑な香りを持ち合わせており、海外の多くのチョコレートメーカーから愛されるカカオ豆となっています。 エクアドルのBean to Bar チョコレートメーカー ・PACARIエクアドルにチョコレートの歴史を変えることを目標として” Santiago Peralta”と” Carla Barbotó”によって2002年に作成された家族経営の会社です。直接取引で仕入れたカカオ豆を使用し、エクアドルの中でも産地の異なるもの、また様々なフレーバー展開も楽しめます。日本での購入先はこちら。 関連商品 コスタ・エスメラルダス, エクアドル 70%¥1,400(税込)〜エクアドル北岸に近いフレディ・サラザールの農園で作られたカカオ豆です。開発を担当したエリックはこの農園を訪れた際、収穫から乾燥に至る品質へのこだわりに感銘を受け、こってりとした甘みと果実味を感じる味わいに仕上げました。軽めか重めのビールとのペアリングがおすすめです。 チョコレートバー各種¥1,400(税込)〜シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 【他の産地の記事】・ハシエンダ・アズール, コスタリカ・アンバンジャ, マダガスカル・ワンプゥ, ホンジュラス...

【レポート】ホンジュラス 農園訪問

【レポート】ホンジュラス 農園訪問

ダンデライオン・チョコレートのチョコレートメーカー伴野智映子が、2018年10月15日(月)~22日(月)にホンジュラスのカカオ農園と発酵施設を訪れました。今回は、その時の貴重な体験記をご紹介します。想像を絶するアドベンチャーな旅を、お楽しみください。 ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 ホンジュラスまでの道のり ホンジュラスまでは、ソウル、ロサンゼルス、エルサルバドル、と飛行機を3回乗り換え、30時間半かけて到着。首都のサン・ペドロ・スーラから北部ラセイバまで車で移動し、6人でぎゅうぎゅうのセスナ機に乗り換え東に向かうこと1時間半、さらにそこから凸凹道をトラックで30分、ようやくカカオ生産者カカオ・ダイレクトの発酵施設があるワンプシルピにたどり着きました。一体いつになったらこの目でカカオを見られるんだろう・・・と思いながらも、私たちが普段使っているカカオ豆は相当遠いところにあるんだ、とこの時点で身を持って実感しました。 カカオとの初対面 私にとって今回は初めてのカカオ農園訪問でした。カカオの木を見たらきっと感動するだろうなと思っていましたが、現実はそんな悠長なことを言っている余裕はありませんでした。なにしろ、ワンプシルピのカカオ農園(もはや農園というより野生のジャングル)は沼地を歩いて30分の奥地にあり、そこらじゅうに蚊が粉雪のように舞っています。手で蚊を払い、沼地に足を取られないように足元を見ながら歩いていると突然「ここ!カカオがあるよ」声をかけられはっと顔を上げると、カカオがひょっこり現れます。おかげで、あまり良い写真は撮れずじまいでした。 ここでは基本的にカカオの木を日差しから守るシェイドツリーはなく、カカオのみを栽培しています。土壌が沼地で湿潤なため、水分が豊富にありカカオに日陰を作らなくても土壌が乾かず成長できるそうです。間引きして栄養分が一本一本に行き渡るようにしています。「農園」ということばからは想像もできないワイルドな環境。ここでカカオを育て収穫する労力はとんでもないものだ、と痛感しました。 カカオ豆とカヌーの長旅 このワンプゥ, ホンジュラスのカカオ豆をつくる上でもっとも大変なのが、この奥地からどうやってカカオを運び出すか、です。収穫の方法は2通りあり、ひとつは農家さん自身が収穫したカカオポッドを発酵施設に持ち込むパターン。もうひとつが、カカオ・ダイレクトのスタッフが各農家まで引き取りに行くパターンです。路上のアクセスは困難なので、各農家へはピパンテというカヌーでパトゥカ川を上って向かいます。各農家は、カヌーが来る日に合わせてカカオを収穫して実と種を取り出し、当日川辺まで担いで持っていきます。 収穫したカカオ豆は、カカオ・ダイレクトの発酵施設で発酵後、乾燥させます。この豆の特徴は、他の産地よりも乾燥時間を長くとっていること。通常1週間程度ですが、ここでは2-3週間ほどかけています。もともと湿度が高いエリアというのが理由ですが、ゆっくり乾燥することで、酸味やえぐみが完全に抜け、ミネラル感や土壌感のあるフレーバーになります。 乾燥したカカオ豆はまたカヌーに乗せて倉庫へ移動します。私たちも同行しましたが、これがまた長旅でした。このエリアは生物圏保護区域でもあるリオ・プラタノ地区ですが、コロンビアからの麻薬の輸送ルートとなっており、マフィアが森林を刈りそこで家畜を育てさせ、資金調達しているという話も(!)。さすが世界一危険な国と言われるだけあります。途中スコールに合い、激流のなか小さなボートに乗り換え急流すべり体験をしてようやくカカオ豆との旅が終了、丸2日間かかりました。ここまでして私たちの手元に届いたカカオ豆、とてつもなく貴重なものに思えてきました。 さいごに ホンジュラス東部をぐるっと回った旅になりましたが、多くのカカオ農園を訪れているダンデライオン・チョコレートのカカオ豆買い付け担当グレッグですら「これまでで一番アドベンチャーな体験だった」と言っていました。私は初めてのカカオ農園訪問だったので、それを聞いてもうどこへでも行ける気持ちになっています。あらためて、私たちが毎日作っているチョコレートの原材料は遠く離れた、日本では想像できない方法でつくられていることが分かりました。そして、これだけの労力をかけて作り上げられたカカオ豆を、いかにおいしいチョコレートにするか、私たちはもっともっと探求していきたいと強く思いました。 関連商品 ワンプゥ, ホンジュラス 70%¥1,296(税込)ホンジュラスの熱帯雨林モスキーティア地方・プラタノ川流域の生物研保護区で育つこのカカオ豆は、丸太船で丸二日かけて川上流に渡り収穫されます。2018年収穫のこの豆は、まろやかで繊細なフレーバーを引き出すために優しくローストしています。フルボディのワインなら赤白ともに相性抜群です。 ワンプゥ, ホンジュラス 85%¥1,296(税込)ホンジュラスの熱帯雨林モスキーティア地方・プラタノ川流域の生物研保護区で育つこのカカオ豆は、丸太船で丸二日かけて川上流に渡り収穫されます。2018年収穫のこの豆が持つクラシックなカカオ感に加え、繊細でフローラルな香りを引き出しています。緑茶や黒豆茶と合わせて、爽やかなペアリングをお楽しみいただけます。 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら

【レポート】ホンジュラス 農園訪問

ダンデライオン・チョコレートのチョコレートメーカー伴野智映子が、2018年10月15日(月)~22日(月)にホンジュラスのカカオ農園と発酵施設を訪れました。今回は、その時の貴重な体験記をご紹介します。想像を絶するアドベンチャーな旅を、お楽しみください。 ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 ホンジュラスまでの道のり ホンジュラスまでは、ソウル、ロサンゼルス、エルサルバドル、と飛行機を3回乗り換え、30時間半かけて到着。首都のサン・ペドロ・スーラから北部ラセイバまで車で移動し、6人でぎゅうぎゅうのセスナ機に乗り換え東に向かうこと1時間半、さらにそこから凸凹道をトラックで30分、ようやくカカオ生産者カカオ・ダイレクトの発酵施設があるワンプシルピにたどり着きました。一体いつになったらこの目でカカオを見られるんだろう・・・と思いながらも、私たちが普段使っているカカオ豆は相当遠いところにあるんだ、とこの時点で身を持って実感しました。 カカオとの初対面 私にとって今回は初めてのカカオ農園訪問でした。カカオの木を見たらきっと感動するだろうなと思っていましたが、現実はそんな悠長なことを言っている余裕はありませんでした。なにしろ、ワンプシルピのカカオ農園(もはや農園というより野生のジャングル)は沼地を歩いて30分の奥地にあり、そこらじゅうに蚊が粉雪のように舞っています。手で蚊を払い、沼地に足を取られないように足元を見ながら歩いていると突然「ここ!カカオがあるよ」声をかけられはっと顔を上げると、カカオがひょっこり現れます。おかげで、あまり良い写真は撮れずじまいでした。 ここでは基本的にカカオの木を日差しから守るシェイドツリーはなく、カカオのみを栽培しています。土壌が沼地で湿潤なため、水分が豊富にありカカオに日陰を作らなくても土壌が乾かず成長できるそうです。間引きして栄養分が一本一本に行き渡るようにしています。「農園」ということばからは想像もできないワイルドな環境。ここでカカオを育て収穫する労力はとんでもないものだ、と痛感しました。 カカオ豆とカヌーの長旅 このワンプゥ, ホンジュラスのカカオ豆をつくる上でもっとも大変なのが、この奥地からどうやってカカオを運び出すか、です。収穫の方法は2通りあり、ひとつは農家さん自身が収穫したカカオポッドを発酵施設に持ち込むパターン。もうひとつが、カカオ・ダイレクトのスタッフが各農家まで引き取りに行くパターンです。路上のアクセスは困難なので、各農家へはピパンテというカヌーでパトゥカ川を上って向かいます。各農家は、カヌーが来る日に合わせてカカオを収穫して実と種を取り出し、当日川辺まで担いで持っていきます。 収穫したカカオ豆は、カカオ・ダイレクトの発酵施設で発酵後、乾燥させます。この豆の特徴は、他の産地よりも乾燥時間を長くとっていること。通常1週間程度ですが、ここでは2-3週間ほどかけています。もともと湿度が高いエリアというのが理由ですが、ゆっくり乾燥することで、酸味やえぐみが完全に抜け、ミネラル感や土壌感のあるフレーバーになります。 乾燥したカカオ豆はまたカヌーに乗せて倉庫へ移動します。私たちも同行しましたが、これがまた長旅でした。このエリアは生物圏保護区域でもあるリオ・プラタノ地区ですが、コロンビアからの麻薬の輸送ルートとなっており、マフィアが森林を刈りそこで家畜を育てさせ、資金調達しているという話も(!)。さすが世界一危険な国と言われるだけあります。途中スコールに合い、激流のなか小さなボートに乗り換え急流すべり体験をしてようやくカカオ豆との旅が終了、丸2日間かかりました。ここまでして私たちの手元に届いたカカオ豆、とてつもなく貴重なものに思えてきました。 さいごに ホンジュラス東部をぐるっと回った旅になりましたが、多くのカカオ農園を訪れているダンデライオン・チョコレートのカカオ豆買い付け担当グレッグですら「これまでで一番アドベンチャーな体験だった」と言っていました。私は初めてのカカオ農園訪問だったので、それを聞いてもうどこへでも行ける気持ちになっています。あらためて、私たちが毎日作っているチョコレートの原材料は遠く離れた、日本では想像できない方法でつくられていることが分かりました。そして、これだけの労力をかけて作り上げられたカカオ豆を、いかにおいしいチョコレートにするか、私たちはもっともっと探求していきたいと強く思いました。 関連商品 ワンプゥ, ホンジュラス 70%¥1,296(税込)ホンジュラスの熱帯雨林モスキーティア地方・プラタノ川流域の生物研保護区で育つこのカカオ豆は、丸太船で丸二日かけて川上流に渡り収穫されます。2018年収穫のこの豆は、まろやかで繊細なフレーバーを引き出すために優しくローストしています。フルボディのワインなら赤白ともに相性抜群です。 ワンプゥ, ホンジュラス 85%¥1,296(税込)ホンジュラスの熱帯雨林モスキーティア地方・プラタノ川流域の生物研保護区で育つこのカカオ豆は、丸太船で丸二日かけて川上流に渡り収穫されます。2018年収穫のこの豆が持つクラシックなカカオ感に加え、繊細でフローラルな香りを引き出しています。緑茶や黒豆茶と合わせて、爽やかなペアリングをお楽しみいただけます。 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら

カカオ豆が私たちの手元に届くまで – 収穫から出荷までの長い道のり -

カカオ豆が私たちの手元に届くまで – 収穫から出荷までの長い道のり -

ダンデライオン・チョコレートでは、日々カカオ豆からチョコレートを作っています。ではその「カカオ豆」とはどのようにして出来るのか、ご存知でしょうか?私たちの手元には、カカオの生産国からこのような麻袋に入ったかたちで届きます。実は、この状態になるまでにも、カカオの品質に関わる重要な工程があり、私たちはカカオ生産者の努力のおかげで、毎日美味しいチョコレートが作れるのです。 今回はカカオ豆がどのような工程を経て私たちの手元に届くのか、ご紹介します。 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 全国一律送料無料キャンペーン中 カカオ農園 カカオ豆は、カカオの木(テオブロマ・カカオ)にできる実(カカオポッド)の中にある種のこと。カカオの収穫期は、年2回(5月と10月頃)の地域が多いです。カカオを育てるカカオ農家は、家族経営の小規模のものから、大規模な農園を所有するものまで事業規模は様々。日本茶や海苔、お米でイメージすると、分かりやすいかもしれません。【関連記事】●カカオの木はどう育てられている?おいしいチョコレートにつながる最初の一歩 カカオの収穫 カカオの収穫は全て手作業。生産地の多くが奥地や山の中にあるため、手でもいだり、ハサミを使用してカカオ農家が一つ一つ丁寧に収穫します。収穫したカカオポッドは、山積みにしてまとめます。 カカオの実と種の取り出し 収穫したカカオは、中の実の部分(パルプ)が腐りやすいため、なるべく早めに割り、パルプと種を取り出します。この段階で、中が熟しすぎているもの、逆に未熟なものとを選別し、スペシャルティカカオ用と一般流通用のカカオ(コモディティカカオ)に分ける生産地もあります。取り出したパルプと種は、バケツや袋に入れておきます。 発酵 取り出したパルプと種を発酵させます。そしてこの「発酵」こそ、カカオの産地特有のフレーバーが決まる肝と言っても過言ではない、最も大事な工程です。発酵は木箱などに入れ、バナナの葉や麻袋で蓋をして包み、6-8日間かけて行います。発酵方法はワインに近く、酵母や細菌の働きによって果肉に含まれる糖分を利用して熱とアルコールを生成し(嫌気性発酵 -けんきせいはっこう-)、発酵の途中でかき混ぜることで空気を含み、種の中に含まれるアミノ酸や糖分が変性し(好気性発酵 -こうきせいはっこう-)、香りの元を作り出します。発酵の方法は並べた木箱やひな壇式など生産者によって様々ですが、60-70%程度の発酵具合だとフルーティーなカカオ豆になったり、発酵する際培養菌を添加することで異なるフレーバーを生み出すことが出来たりと、とても奥の深い領域です。また、発酵を失敗してしまうとスペシャルティカカオとして販売することが難しくなるため、高い技術力も必要になります。カカオ農家の中には、カカオの栽培からカカオ豆になるまでの一連の工程を自身の農園で全て完結する場合と、カカオの実と種を取り出すところまでを行い、発酵施設を持つカカオ生産者に生のカカオ豆(ウェットビーンズ)の状態で売る場合があります。後者の利点として、カカオ農家にとっては設備投資もかかり難しい作業でもある発酵や乾燥の工程にかかる負担を軽減出来ること、そして発酵施設にウェットビーンズを納品した段階で金銭を受け取ることが出来ることから、安定的な収入の確保に繋がります。また、カカオ生産者にとっては、カカオ農園を持たずに周囲のカカオ農家からウェットビーンズを集め、発酵技術に特化したスタッフが加工することで、スペシャルティカカオを生産し、高値で販売することができます。その分、カカオ農家から高値でウェットビーンズを購入することができ、結果的にお互いの収益を上げることができます。もちろん、私たちチョコレートメーカーも、その恩恵を受けて、美味しいチョコレートが作れるようになります。【関連記事】●サステナブルなカカオビジネス:ソルサル・カカオの取り組み 乾燥 発酵が完了したら、カカオ豆を乾燥させます。目的は、これ以上発酵を進めると腐敗してしまうため発酵を止め、そして保存や輸送に備えて水分を7-8%以下にするためです。乾燥の方法も生産者により様々。カカオ豆をパティオと呼ばれるセメントの台に広げて直射日光の下で乾かしたり、ビニールハウス内に乾燥台を設置したり、両方を併用するところもあります。乾燥工程には約1週間かかりますが、発酵工程同様、乾燥にかける時間や方法によっても、最終的なカカオ豆のフレーバーが変わります。均一に乾燥が進むように、トンボのようなものでかき混ぜたり、カットテストをしてカカオ豆の品質を確認したりします。 梱包・出荷 いよいよ出来上がったカカオ豆を梱包します。現地でも選別を行った後、麻袋に詰めます(ビニール製の内袋に入れる生産者もあります)。容量は一袋50-70kg、最近は小規模のチョコレートメーカーの要望に応じて、20-30kgの小さい単位でも袋詰めされています。 カカオ生産者の協力なくして、美味しいチョコレートは生まれない 私たちが日本でカカオ豆を受け取るまでに、カカオの生産地でも長い道のりと様々な工程があります。カカオを収穫してからカカオ豆になるまで約1ヶ月、カカオ農家と生産者のおかげで、私たちはこの遠く離れた日本でも、美味しいBean to Bar チョコレートをみなさまにお届けすることが出来るのです。カカオの生産地は日本から遠く、なかなか現地の様子を知ることは難しいのが現状です。ダンデライオン・チョコレートではダイレクト・トレードでカカオ豆を購入しているため、現地の生産者や流通過程をよく理解しています。よって、これからもカカオの生産地のことをどんどんご紹介していこうと思います。 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら SOURCING REPORT 現地報告として、毎年ソーシングレポートを公開しています。カカオ農園のこと、私たちのビジネス全体への取り組み方など、詳しくお知りになりたい方は下記のリンクからどうぞ。2015...

カカオ豆が私たちの手元に届くまで – 収穫から出荷までの長い道のり -

ダンデライオン・チョコレートでは、日々カカオ豆からチョコレートを作っています。ではその「カカオ豆」とはどのようにして出来るのか、ご存知でしょうか?私たちの手元には、カカオの生産国からこのような麻袋に入ったかたちで届きます。実は、この状態になるまでにも、カカオの品質に関わる重要な工程があり、私たちはカカオ生産者の努力のおかげで、毎日美味しいチョコレートが作れるのです。 今回はカカオ豆がどのような工程を経て私たちの手元に届くのか、ご紹介します。 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 全国一律送料無料キャンペーン中 カカオ農園 カカオ豆は、カカオの木(テオブロマ・カカオ)にできる実(カカオポッド)の中にある種のこと。カカオの収穫期は、年2回(5月と10月頃)の地域が多いです。カカオを育てるカカオ農家は、家族経営の小規模のものから、大規模な農園を所有するものまで事業規模は様々。日本茶や海苔、お米でイメージすると、分かりやすいかもしれません。【関連記事】●カカオの木はどう育てられている?おいしいチョコレートにつながる最初の一歩 カカオの収穫 カカオの収穫は全て手作業。生産地の多くが奥地や山の中にあるため、手でもいだり、ハサミを使用してカカオ農家が一つ一つ丁寧に収穫します。収穫したカカオポッドは、山積みにしてまとめます。 カカオの実と種の取り出し 収穫したカカオは、中の実の部分(パルプ)が腐りやすいため、なるべく早めに割り、パルプと種を取り出します。この段階で、中が熟しすぎているもの、逆に未熟なものとを選別し、スペシャルティカカオ用と一般流通用のカカオ(コモディティカカオ)に分ける生産地もあります。取り出したパルプと種は、バケツや袋に入れておきます。 発酵 取り出したパルプと種を発酵させます。そしてこの「発酵」こそ、カカオの産地特有のフレーバーが決まる肝と言っても過言ではない、最も大事な工程です。発酵は木箱などに入れ、バナナの葉や麻袋で蓋をして包み、6-8日間かけて行います。発酵方法はワインに近く、酵母や細菌の働きによって果肉に含まれる糖分を利用して熱とアルコールを生成し(嫌気性発酵 -けんきせいはっこう-)、発酵の途中でかき混ぜることで空気を含み、種の中に含まれるアミノ酸や糖分が変性し(好気性発酵 -こうきせいはっこう-)、香りの元を作り出します。発酵の方法は並べた木箱やひな壇式など生産者によって様々ですが、60-70%程度の発酵具合だとフルーティーなカカオ豆になったり、発酵する際培養菌を添加することで異なるフレーバーを生み出すことが出来たりと、とても奥の深い領域です。また、発酵を失敗してしまうとスペシャルティカカオとして販売することが難しくなるため、高い技術力も必要になります。カカオ農家の中には、カカオの栽培からカカオ豆になるまでの一連の工程を自身の農園で全て完結する場合と、カカオの実と種を取り出すところまでを行い、発酵施設を持つカカオ生産者に生のカカオ豆(ウェットビーンズ)の状態で売る場合があります。後者の利点として、カカオ農家にとっては設備投資もかかり難しい作業でもある発酵や乾燥の工程にかかる負担を軽減出来ること、そして発酵施設にウェットビーンズを納品した段階で金銭を受け取ることが出来ることから、安定的な収入の確保に繋がります。また、カカオ生産者にとっては、カカオ農園を持たずに周囲のカカオ農家からウェットビーンズを集め、発酵技術に特化したスタッフが加工することで、スペシャルティカカオを生産し、高値で販売することができます。その分、カカオ農家から高値でウェットビーンズを購入することができ、結果的にお互いの収益を上げることができます。もちろん、私たちチョコレートメーカーも、その恩恵を受けて、美味しいチョコレートが作れるようになります。【関連記事】●サステナブルなカカオビジネス:ソルサル・カカオの取り組み 乾燥 発酵が完了したら、カカオ豆を乾燥させます。目的は、これ以上発酵を進めると腐敗してしまうため発酵を止め、そして保存や輸送に備えて水分を7-8%以下にするためです。乾燥の方法も生産者により様々。カカオ豆をパティオと呼ばれるセメントの台に広げて直射日光の下で乾かしたり、ビニールハウス内に乾燥台を設置したり、両方を併用するところもあります。乾燥工程には約1週間かかりますが、発酵工程同様、乾燥にかける時間や方法によっても、最終的なカカオ豆のフレーバーが変わります。均一に乾燥が進むように、トンボのようなものでかき混ぜたり、カットテストをしてカカオ豆の品質を確認したりします。 梱包・出荷 いよいよ出来上がったカカオ豆を梱包します。現地でも選別を行った後、麻袋に詰めます(ビニール製の内袋に入れる生産者もあります)。容量は一袋50-70kg、最近は小規模のチョコレートメーカーの要望に応じて、20-30kgの小さい単位でも袋詰めされています。 カカオ生産者の協力なくして、美味しいチョコレートは生まれない 私たちが日本でカカオ豆を受け取るまでに、カカオの生産地でも長い道のりと様々な工程があります。カカオを収穫してからカカオ豆になるまで約1ヶ月、カカオ農家と生産者のおかげで、私たちはこの遠く離れた日本でも、美味しいBean to Bar チョコレートをみなさまにお届けすることが出来るのです。カカオの生産地は日本から遠く、なかなか現地の様子を知ることは難しいのが現状です。ダンデライオン・チョコレートではダイレクト・トレードでカカオ豆を購入しているため、現地の生産者や流通過程をよく理解しています。よって、これからもカカオの生産地のことをどんどんご紹介していこうと思います。 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら 「製造工程のすべては私たちのファクトリーで」ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバー 商品一覧はこちら SOURCING REPORT 現地報告として、毎年ソーシングレポートを公開しています。カカオ農園のこと、私たちのビジネス全体への取り組み方など、詳しくお知りになりたい方は下記のリンクからどうぞ。2015...

2017/2018 ソーシングレポートを公開

2017/2018 ソーシングレポートを公開

例年公開している、ダンデライオン・チョコレートが取り扱うカカオ豆や生産者についてまとめた「ソーシングレポート」の2017/2018年版が、ついに完成しました。 ここ数年、ダンデライオン・チョコレートではカカオ豆の使用量や一緒に取り組む生産地が増えるなど、様々な大きな変化がありました。そのためこのレポートの内容もより深く濃い内容にすべく、今回は2017年と2018年をまとめたものを作成しています。このレポートの目的は、私たちがつくるチョコレートについて知っていただくことだけでなく、私たちがどんな生産者と取り組んでいるかを知っていただくためのものでもあります。今回、生産者自身にも監修いただき、なるべく生産者の立場で、本人が伝えたいことが伝わるように製作しました。完成までとても長い時間がかかりましたが、これまで以上に分かりやすく透明度の高いレポートになっています。今回は、このレポートをより楽しんでいただける”tips”をお伝えしたいと思います。 カカオ豆の「発酵、乾燥、物流」 今回、各生産地でカカオ豆がどのように発酵・乾燥され、どのような商流で私たちの手元に届くのか、分かりやすくイラストで表しています(16-19ページ)。 発酵工程には、ひな壇式(Tiered Boxes)、並べた木箱(Linear Boxes)、重ねた麻袋(Stacked Bags)、バスケット(Baskets)と様々な方法があります。同じく、乾燥工程も、乾燥デッキ(Raised Wooden Beds)やセメントの中庭(Cement Patios)を数日に分けて行ったり、直射日光やビニールハウスの中など、その生産地に合わせた方法で行われています。各生産地のページでは、詳しい工程や写真をご紹介していますが、どれが正解ということはなく、各生産者の技術や工夫によって、産地特有のフレーバーが出来上がります。 カカオの生産者も、カカオ農園と発酵・乾燥施設が同じ団体であったり、数十人のカカオ農家から生のカカオを購入して、別の発酵・乾燥施設で加工している場合もあります。いずれにせよ、このレポートからは「誰がカカオ(実)を生産して、誰がカカオ豆(種)に加工して、誰が私たちの手元に届けてくれるのか」が明確に分かるようになっています。 新しく加わった生産地 前回の2016年版のものから新しく加わった産地は、下記になります。アナマライ, インド(オンライン&表参道店限定・ガトーショコラに使用)ベンチェ, ベトナム(70%チョコレートバーで販売中)ゴーラ・レインフォレスト, シエラレオネ(表参道店限定・オペラに使用)ハシエンダ・アズール, コスタリカ(70%・85%チョコレートバーで販売中)トゥマコ, コロンビア(日本では使用なし)ワンプゥ, ホンジュラス(70%チョコレートバーで販売中)通常、私たちがカカオ生産者と知り合ってから実際の購入に至るまでには、約2-3年かかります。私たちが彼らのことを知るだけでなく、彼らにも私たちのことを知っていただき、一度取引を始めたらなるべく長く継続的に購入できるように、信頼関係を築いてから購入するようにしているからです。今回は日本でもお馴染みのCacao Hunters や、同じチョコレートメーカーでもあるMarou、ダンデライオン・チョコレートがカカオ豆生産のアドバイスを行ってきた生産者など、多様な生産地をご紹介しています。 カカオの用語集「GLOSSARY」 最後のページですが、このレポートを読み込むために重要なコーナー、カカオの用語集(112-113ページ)も忘れずにご一読ください。「カカオ」と「ココア」の使い分けや、「カカオ農家」と「カカオ生産者」の違いなど、カカオ豆の生産に関係するマニアックな単語が並んでいます。これを覚えれば、いつでもカカオ農園に行って生産者と対等に会話が出来ると思いますよ。 最後に カカオは、奴隷制度や児童労働の問題が何かと取り上げられる作物ではありますが、このレポートに登場する多くのカカオ農家や生産者は、そのような環境下では働いていません。どうしたらより良いカカオが栽培出来るか、発酵工程を日々工夫し、誇りを持って働いている方々ばかりです。ぜひ、彼らの取り組みを知っていただけると嬉しいです。このレポートにも書かれていますが、スペシャルティカカオ産業は、想像以上に早いスピードで成長しています。この市場が順調に育っていくためには、より多くのチョコレートメーカーが、プレミアム価格でカカオ豆を購入する必要がありますが、現時点では、カカオ生産者たちが製品を売り切るのに苦労している状況もあります。私たちも、より多くのお客様にチョコレートを届けることで、より多くのカカオ豆を使用できるように、様々な商品を展開していきたいと考えています。最後になりましたが、チョコレートやカカオにまつわるワークショップも随時開催しておりますので、もっとチョコレートについて知ってみたいと思った方は、ぜひご参加ください。詳細・空き状況確認、お申し込みはPeatixから

2017/2018 ソーシングレポートを公開

例年公開している、ダンデライオン・チョコレートが取り扱うカカオ豆や生産者についてまとめた「ソーシングレポート」の2017/2018年版が、ついに完成しました。 ここ数年、ダンデライオン・チョコレートではカカオ豆の使用量や一緒に取り組む生産地が増えるなど、様々な大きな変化がありました。そのためこのレポートの内容もより深く濃い内容にすべく、今回は2017年と2018年をまとめたものを作成しています。このレポートの目的は、私たちがつくるチョコレートについて知っていただくことだけでなく、私たちがどんな生産者と取り組んでいるかを知っていただくためのものでもあります。今回、生産者自身にも監修いただき、なるべく生産者の立場で、本人が伝えたいことが伝わるように製作しました。完成までとても長い時間がかかりましたが、これまで以上に分かりやすく透明度の高いレポートになっています。今回は、このレポートをより楽しんでいただける”tips”をお伝えしたいと思います。 カカオ豆の「発酵、乾燥、物流」 今回、各生産地でカカオ豆がどのように発酵・乾燥され、どのような商流で私たちの手元に届くのか、分かりやすくイラストで表しています(16-19ページ)。 発酵工程には、ひな壇式(Tiered Boxes)、並べた木箱(Linear Boxes)、重ねた麻袋(Stacked Bags)、バスケット(Baskets)と様々な方法があります。同じく、乾燥工程も、乾燥デッキ(Raised Wooden Beds)やセメントの中庭(Cement Patios)を数日に分けて行ったり、直射日光やビニールハウスの中など、その生産地に合わせた方法で行われています。各生産地のページでは、詳しい工程や写真をご紹介していますが、どれが正解ということはなく、各生産者の技術や工夫によって、産地特有のフレーバーが出来上がります。 カカオの生産者も、カカオ農園と発酵・乾燥施設が同じ団体であったり、数十人のカカオ農家から生のカカオを購入して、別の発酵・乾燥施設で加工している場合もあります。いずれにせよ、このレポートからは「誰がカカオ(実)を生産して、誰がカカオ豆(種)に加工して、誰が私たちの手元に届けてくれるのか」が明確に分かるようになっています。 新しく加わった生産地 前回の2016年版のものから新しく加わった産地は、下記になります。アナマライ, インド(オンライン&表参道店限定・ガトーショコラに使用)ベンチェ, ベトナム(70%チョコレートバーで販売中)ゴーラ・レインフォレスト, シエラレオネ(表参道店限定・オペラに使用)ハシエンダ・アズール, コスタリカ(70%・85%チョコレートバーで販売中)トゥマコ, コロンビア(日本では使用なし)ワンプゥ, ホンジュラス(70%チョコレートバーで販売中)通常、私たちがカカオ生産者と知り合ってから実際の購入に至るまでには、約2-3年かかります。私たちが彼らのことを知るだけでなく、彼らにも私たちのことを知っていただき、一度取引を始めたらなるべく長く継続的に購入できるように、信頼関係を築いてから購入するようにしているからです。今回は日本でもお馴染みのCacao Hunters や、同じチョコレートメーカーでもあるMarou、ダンデライオン・チョコレートがカカオ豆生産のアドバイスを行ってきた生産者など、多様な生産地をご紹介しています。 カカオの用語集「GLOSSARY」 最後のページですが、このレポートを読み込むために重要なコーナー、カカオの用語集(112-113ページ)も忘れずにご一読ください。「カカオ」と「ココア」の使い分けや、「カカオ農家」と「カカオ生産者」の違いなど、カカオ豆の生産に関係するマニアックな単語が並んでいます。これを覚えれば、いつでもカカオ農園に行って生産者と対等に会話が出来ると思いますよ。 最後に カカオは、奴隷制度や児童労働の問題が何かと取り上げられる作物ではありますが、このレポートに登場する多くのカカオ農家や生産者は、そのような環境下では働いていません。どうしたらより良いカカオが栽培出来るか、発酵工程を日々工夫し、誇りを持って働いている方々ばかりです。ぜひ、彼らの取り組みを知っていただけると嬉しいです。このレポートにも書かれていますが、スペシャルティカカオ産業は、想像以上に早いスピードで成長しています。この市場が順調に育っていくためには、より多くのチョコレートメーカーが、プレミアム価格でカカオ豆を購入する必要がありますが、現時点では、カカオ生産者たちが製品を売り切るのに苦労している状況もあります。私たちも、より多くのお客様にチョコレートを届けることで、より多くのカカオ豆を使用できるように、様々な商品を展開していきたいと考えています。最後になりましたが、チョコレートやカカオにまつわるワークショップも随時開催しておりますので、もっとチョコレートについて知ってみたいと思った方は、ぜひご参加ください。詳細・空き状況確認、お申し込みはPeatixから

チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート

チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート

チョコレートは、原材料のカカオが採れる「生産地」から、実際に製造して喫食する「消費国」が遠く離れているという点で、とてもユニークな食べ物です。チョコレートの歴史を辿ると、なぜ生産地と消費国が異なるのか、謎が解けてきます。カカオの発祥から現在のクラフトチョコレートの成り立ちまで、海を渡って進化するチョコレートの歴史を見ていきましょう。 目次1. カカオの発祥(紀元前3300年頃・5300年前)2. マヤ・アステカ文明(紀元前2000年頃)3. ヨーロッパとカカオの出会い(1502年〜)4. ヨーロッパでの広がり(1606年頃)5. チョコレートの工業化(1730年〜)6. アメリカでの広がり7. 日本での広がり8. クラフトチョコレートへの回帰9. まとめ 1. カカオの発祥(紀元前3300年頃・5300年前) これまでの考古学的証拠から、カカオは4000年前から利用されており、主に中南米のメソアメリカ(メキシコ、ホンジュラス、ベリーズ、グアテマラ)で最初に栽培されたという説が定着していました。しかし、遺伝学的証拠からは、カカオとその近縁種は南アメリカ大陸の赤道付近で最も多様化していることが示されており、実はこちらがカカオ発祥の地なのではないか、という説もありました。そして2018年末、世紀の大発見が発表されました。南米・エクアドルにおいて、マヨ・チンチペ文化で知られ、最古の遺跡となるサンタ・アナ・ラ・フロリダ(Santa Ana-La Florida)遺跡で、カカオを栽培していたことを裏付ける土器が発掘されたのです。 出典:science alert この土器片の内面より、カカオ特有のデンプン粒と塩基配列を持つDNA、テオブロミンの残留物の3点が発見されました。土器がボトルのような形状をしていることから、この頃からカカオは何らかの形で喫食されていたことが明らかになりました。この事実により、カカオ発祥の地は5300年前のエクアドルに改められ、そこから世界に広がって行ったという歴史に書き換えられたのです。 2. マヤ・アステカ文明 作物としてカカオが栽培され始めたのは紀元前2000年頃のメソアメリカと言われています。マヤ文明の母体となったオルメカ文明時代の首都サン・ロレンツォ(San Lorenzo)(現メキシコ)では、テオブロミンの残留物が付着した土器が発見されています。 出典:PNAS, Cacao use and the San Lorenzo...

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チョコレートは、原材料のカカオが採れる「生産地」から、実際に製造して喫食する「消費国」が遠く離れているという点で、とてもユニークな食べ物です。チョコレートの歴史を辿ると、なぜ生産地と消費国が異なるのか、謎が解けてきます。カカオの発祥から現在のクラフトチョコレートの成り立ちまで、海を渡って進化するチョコレートの歴史を見ていきましょう。 目次1. カカオの発祥(紀元前3300年頃・5300年前)2. マヤ・アステカ文明(紀元前2000年頃)3. ヨーロッパとカカオの出会い(1502年〜)4. ヨーロッパでの広がり(1606年頃)5. チョコレートの工業化(1730年〜)6. アメリカでの広がり7. 日本での広がり8. クラフトチョコレートへの回帰9. まとめ 1. カカオの発祥(紀元前3300年頃・5300年前) これまでの考古学的証拠から、カカオは4000年前から利用されており、主に中南米のメソアメリカ(メキシコ、ホンジュラス、ベリーズ、グアテマラ)で最初に栽培されたという説が定着していました。しかし、遺伝学的証拠からは、カカオとその近縁種は南アメリカ大陸の赤道付近で最も多様化していることが示されており、実はこちらがカカオ発祥の地なのではないか、という説もありました。そして2018年末、世紀の大発見が発表されました。南米・エクアドルにおいて、マヨ・チンチペ文化で知られ、最古の遺跡となるサンタ・アナ・ラ・フロリダ(Santa Ana-La Florida)遺跡で、カカオを栽培していたことを裏付ける土器が発掘されたのです。 出典:science alert この土器片の内面より、カカオ特有のデンプン粒と塩基配列を持つDNA、テオブロミンの残留物の3点が発見されました。土器がボトルのような形状をしていることから、この頃からカカオは何らかの形で喫食されていたことが明らかになりました。この事実により、カカオ発祥の地は5300年前のエクアドルに改められ、そこから世界に広がって行ったという歴史に書き換えられたのです。 2. マヤ・アステカ文明 作物としてカカオが栽培され始めたのは紀元前2000年頃のメソアメリカと言われています。マヤ文明の母体となったオルメカ文明時代の首都サン・ロレンツォ(San Lorenzo)(現メキシコ)では、テオブロミンの残留物が付着した土器が発見されています。 出典:PNAS, Cacao use and the San Lorenzo...