OUR DAYS > 2017/2018 ソーシングレポートを公開

2017/2018 ソーシングレポートを公開

例年公開している、ダンデライオン・チョコレートが取り扱うカカオ豆や生産者についてまとめた「ソーシングレポート」の2017/2018年版が、ついに完成しました。

ここ数年、ダンデライオン・チョコレートではカカオ豆の使用量や一緒に取り組む生産地が増えるなど、様々な大きな変化がありました。
そのためこのレポートの内容もより深く濃い内容にすべく、今回は2017年と2018年をまとめたものを作成しています。

このレポートの目的は、私たちがつくるチョコレートについて知っていただくことだけでなく、私たちがどんな生産者と取り組んでいるかを知っていただくためのものでもあります。
今回、生産者自身にも監修いただき、なるべく生産者の立場で、本人が伝えたいことが伝わるように製作しました。

完成までとても長い時間がかかりましたが、これまで以上に分かりやすく透明度の高いレポートになっています。
今回は、このレポートをより楽しんでいただける”tips”をお伝えしたいと思います。

カカオ豆の「発酵、乾燥、物流」

今回、各生産地でカカオ豆がどのように発酵・乾燥され、どのような商流で私たちの手元に届くのか、分かりやすくイラストで表しています(16-19ページ)。

発酵工程には、ひな壇式(Tiered Boxes)、並べた木箱(Linear Boxes)、重ねた麻袋(Stacked Bags)、バスケット(Baskets)と様々な方法があります。

同じく、乾燥工程も、乾燥デッキ(Raised Wooden Beds)やセメントの中庭(Cement Patios)を数日に分けて行ったり、直射日光やビニールハウスの中など、その生産地に合わせた方法で行われています。

各生産地のページでは、詳しい工程や写真をご紹介していますが、どれが正解ということはなく、各生産者の技術や工夫によって、産地特有のフレーバーが出来上がります。

カカオの生産者も、カカオ農園と発酵・乾燥施設が同じ団体であったり、数十人のカカオ農家から生のカカオを購入して、別の発酵・乾燥施設で加工している場合もあります。

いずれにせよ、このレポートからは「誰がカカオ(実)を生産して、誰がカカオ豆(種)に加工して、誰が私たちの手元に届けてくれるのか」が明確に分かるようになっています。

新しく加わった生産地

前回の2016年版のものから新しく加わった産地は、下記になります。

アナマライ, インド(オンライン&表参道店限定・ガトーショコラに使用)
ベンチェ, ベトナム(70%チョコレートバーで販売中)
ゴーラ・レインフォレスト, シエラレオネ(表参道店限定・オペラに使用)
ハシエンダ・アズール, コスタリカ(70%85%チョコレートバーで販売中)
トゥマコ, コロンビア(日本では使用なし)
ワンプゥ, ホンジュラス(70%チョコレートバーで販売中)

通常、私たちがカカオ生産者と知り合ってから実際の購入に至るまでには、約2-3年かかります。私たちが彼らのことを知るだけでなく、彼らにも私たちのことを知っていただき、一度取引を始めたらなるべく長く継続的に購入できるように、信頼関係を築いてから購入するようにしているからです。

今回は日本でもお馴染みのCacao Hunters や、同じチョコレートメーカーでもあるMarou、ダンデライオン・チョコレートがカカオ豆生産のアドバイスを行ってきた生産者など、多様な生産地をご紹介しています。

カカオの用語集「GLOSSARY」

最後のページですが、このレポートを読み込むために重要なコーナー、カカオの用語集(112-113ページ)も忘れずにご一読ください。
「カカオ」と「ココア」の使い分けや、「カカオ農家」と「カカオ生産者」の違いなど、カカオ豆の生産に関係するマニアックな単語が並んでいます。
これを覚えれば、いつでもカカオ農園に行って生産者と対等に会話が出来ると思いますよ。

最後に

カカオは、奴隷制度や児童労働の問題が何かと取り上げられる作物ではありますが、このレポートに登場する多くのカカオ農家や生産者は、そのような環境下では働いていません。
どうしたらより良いカカオが栽培出来るか、発酵工程を日々工夫し、誇りを持って働いている方々ばかりです。ぜひ、彼らの取り組みを知っていただけると嬉しいです。

このレポートにも書かれていますが、スペシャルティカカオ産業は、想像以上に早いスピードで成長しています。この市場が順調に育っていくためには、より多くのチョコレートメーカーが、プレミアム価格でカカオ豆を購入する必要がありますが、現時点では、カカオ生産者たちが製品を売り切るのに苦労している状況もあります。
私たちも、より多くのお客様にチョコレートを届けることで、より多くのカカオ豆を使用できるように、様々な商品を展開していきたいと考えています。

最後になりましたが、チョコレートやカカオにまつわるワークショップも随時開催しておりますので、もっとチョコレートについて知ってみたいと思った方は、ぜひご参加ください。


詳細・空き状況確認、お申し込みはPeatixから

ブログに戻る