読まれている記事

  • 高カカオ(ハイカカオ)チョコレートの効能、おすすめの商品を紹介!

    記事を読む 
  • チョコレートは何歳から食べても大丈夫?気をつけると良いポイントも紹介

    記事を読む 
  • 高カカオチョコレートを食べるタイミングはいつ、どれくらいが適切?

    記事を読む 
  • スーパーフード「カカオニブ」とは?

    記事を読む 
1 4

最新の記事

OUR DAYS

チョコレートの種類を解説!製法・形状によるチョコレートの違いとは

チョコレートの種類を解説!製法・形状によるチョコレートの違いとは

世の中には様々なチョコレートを使用した商品が並んでいますが、それぞれどのように分類されるか、ご存知でしょうか?ここでは、チョコレートの種類を解説。製法や形状によるチョコレートの違いを知ると、商品を選ぶ際の参考にもなりますよ。 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 「カカオ分◯◯%」のカカオ分とは? チョコレートのパッケージでもよく見かける「カカオ分◯◯%」。「カカオ分が高いほど健康効果が高い」「美容効果がある」という認識がある方も多いと思いますが、この「カカオ分」とは何を指すのでしょうか?「カカオ分」とはその名の通り「カカオを含むもの」=「カカオ豆由来の成分」のことです。具体的には、 1 2 3 ①カカオマス(カカオニブをペースト状にして固めたもの)②ココアバター(カカオニブから抽出した油分)③ココアパウダー(ココアバター抽出後の残渣をパウダー上にしたもの)一般的なチョコレートは、カカオ豆を分解したこれらの素材を組み合わせて、チョコレートをつくります。そしてこの合算値が、「カカオ分」になります。また、このカカオ分によってチョコレートの種類を分類していきます。チョコレートには国際食品規格であるCODEX標準規格があり、それに基づき各国で基準を設けています。 日本のチョコレートの分類 チョコレートの種類、と聞いて思いつくのは、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートだと思います。ただ、日本ではチョコレートの種類に関して、ミルクチョコレートとホワイトチョコレートにはカカオ分に関する「規約」がありますが、ダークチョコレートには具体的な規約はありません。つまり、「ダーク」チョコレートには、「カカオ分◯◯%以上がダークチョコレートです」という決まりがないのです。チョコレートの「表示」については、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づき、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」というものが存在します。この規約に基づいて、「チョコレート」「ミルクチョコレート」「ホワイトチョコレート」の定義を設けて明確にしています。実はこの規約、若干ややこしいのですが、理解すると商品選びの参考になります。まず、分類するにあたり2つの段階で考えます。①チョコレート生地(ベース)の種類、②生地の使用量、です。 出典:日本チョコレート・ココア協会 まずは①チョコレート生地(ベース)の種類について。「チョコレート生地」とは、チョコレートの素材そのものを指します。そのチョコレートを構成する原材料のうち、カカオ分(カカオ由来の原材料)が全重量の35%以上、(うちココアバターが全重量の18%以上)、水分が3%以下だと「チョコレート生地」の基本的な基準を満たします。また、一般的なチョコレートには乳製品を使用したものも多いため、乳製品を使用したものの基準も設けてあります。「ミルクチョコレート生地」は乳製品の量が決まっており、乳固形分が14%以上でなければなりません。これをクリアしないと、商品名や説明文で「ミルクチョコレート」と名乗ることができません。「ホワイトチョコレート」の場合、カカオの茶色い部分(カカオマスとココアパウダー)を含まず、半透明のココアバターのみを使用しています。上記の表に基づくと、最低でもカカオ分(ココアバターの使用量)が21%含まれていけない、ということになります。一方、「準チョコレート生地」はチョコレート生地よりカカオ分が少ないものになります。コスト面や商品の味わいのバランスを考慮して使用されます。次に、②生地の使用量による分類について。チョコレート製品は、前述した「チョコレート生地」「準チョコレート生地」それぞれの使用量によって、さらに細かく分類されます。製品中のチョコレート生地の使用量が60%以上なら「チョコレート」、60%未満は「チョコレート菓子」、製品中の準チョコレート生地の使用量が60%以上なら「準チョコレート」、60%未満は「準チョコレート菓子」になります。 アーモンドチョコレートを例にとってみましょう。アーモンドをコーティングしているチョコレートの量がアーモンドや他の原材料よりも多ければ「チョコレート」、アーモンドや他の原材料の方がチョコレートよりも使用量が多く、チョコレートの生地(ベース)が準チョコレート生地であれば「準チョコレート菓子」となります。この分類、実は皆さんもよく目にしています。チョコレート商品のパッケージの表面に「チョコレート菓子」「準チョコレート」と記載されている商品を見かけたことはありませんか?商品名に「チョコレート」という言葉を含んでいるもので、上記の規約上「チョコレート菓子」、「準チョコレート」、「準チョコレート菓子」に分類される場合、商品の見えやすいところに表示をしないといけないルールがあります。これは消費者が「チョコレート」かどうか勘違いしないように、という意味がありますが、このルールを知っていると、商品を購入する際、なんとなく「これはチョコレートをしっかり使った商品だ」、「これはチョコレートというよりもスナック感覚で食べることができそう」と察しをつけることができます。 EUのチョコレートの分類 EUのチョコレートの基準は日本と似ています。ただ、油分に関しては、植物油脂を最大量5%まで添加可能という規定があり、これにはEU加盟国によって賛否が分かれています。「チョコレート」はカカオ分が35%以上、無脂ココア固形分が14%以上、ココアバターが18%以上。「ミルクチョコレート」はカカオ分が25%以上、無脂ココア固形分が2.5%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、総油脂分が25%以上(ココアバターと乳脂肪分)。「ホワイトチョコレート」はココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上。日本のチョコレートや洋菓子の文化はヨーロッパに大きな影響を受けていることからも、このようにほぼ同じような基準となっているのかもしれません。 アメリカのチョコレートの分類 アメリカでは、連邦規則集(Code of Federal Regulations、 略称:CFR)によって、チョコレートの基準が設けられています。日本と同様「ダークチョコレート」の定義はなく、スイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートに分けられています。アメリカの場合、日本やEUが「カカオ分」で定義しているのに対し「カカオマス量」で定義しています。「スイートチョコレート」は、カカオマスが15%以上、乳固形分が12%以下とし、その中にカカオマスが35%以上のものとして「セミスイートチョコレート」、「ビタースイートチョコレート」という分類を設けています。「ミルクチョコレート」はカカオマスが10%以上、乳固形分が12%以上、乳脂肪分が3.39%以上。「ホワイトチョコレート」はココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、甘味炭水化物が55%以下という独自のルールがあります。「チョコレートの歴史を知ろう」でもご紹介したように、アメリカではチョコレートが工業化してから発展してきた経緯があります。そのため定義として「カカオマス」という言葉が入り、甘味炭水化物の基準が設けられているのかもしれません。さて、ここまでは規約からベースとなるチョコレートの分類について解説しましたが、チョコレートには他にも様々な種類があります。 クーベルチュールチョコレート なんとなく高級なチョコレート、というイメージのあるクーベルチュールチョコレート。「クーベルチュール」とはフランス語で「毛布」など「覆うもの」を意味し、「カカオ分35%以上(うちココアバター31%以上)、無脂カカオ固形分 2.5%以上を含有するもの」という国際規格があります。油脂分を多く含むため、流動性が高く作業性が良いのが特徴で、お菓子のコーティングやデコレーションなどにも使用される製菓用のチョコレートです。形状は板状、ダイス状、小判型など様々で、単一産地のカカオで作られたシングルオリジンのクーベルチュールもあります。ショコラティエはお菓子の製造方法や味わいに併せて様々なクーベルチュールを混合するなどして、オリジナルのチョコレート菓子を製造しています。 ルビーチョコレート 鮮やかなピンク色が印象的なルビーチョコレート。これはスイスのクーベルチュールメーカー、バリー・カレボーが開発した新たなチョコレートです。コートジボワール、エクアドル、ブラジルのカカオ豆を特殊な方法で加工することにより、華やかなピンク色でほんのりベリーのような酸味を持つチョコレートにしています。日本では2017年頃からパティシェやショコラティエが使用し始め、今ではスーパーやコンビニのお菓子でも展開されています。このように、ベースとなるチョコレートにも種類が様々ありますが、これらを使用して、様々な製法・形状のチョコレートを作り上げていきます。 製法・形状別のチョコレートの種類 ・チョコレートバー(板チョコレート) テンパリングした液状のチョコレートを型(モールド)に流し込み冷却して固めたもの。平たい板状のため日本語では「板チョコレート」と言いますが、英語圏では”Tablet” “Chocolate...

チョコレートの種類を解説!製法・形状によるチョコレートの違いとは

世の中には様々なチョコレートを使用した商品が並んでいますが、それぞれどのように分類されるか、ご存知でしょうか?ここでは、チョコレートの種類を解説。製法や形状によるチョコレートの違いを知ると、商品を選ぶ際の参考にもなりますよ。 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 「カカオ分◯◯%」のカカオ分とは? チョコレートのパッケージでもよく見かける「カカオ分◯◯%」。「カカオ分が高いほど健康効果が高い」「美容効果がある」という認識がある方も多いと思いますが、この「カカオ分」とは何を指すのでしょうか?「カカオ分」とはその名の通り「カカオを含むもの」=「カカオ豆由来の成分」のことです。具体的には、 1 2 3 ①カカオマス(カカオニブをペースト状にして固めたもの)②ココアバター(カカオニブから抽出した油分)③ココアパウダー(ココアバター抽出後の残渣をパウダー上にしたもの)一般的なチョコレートは、カカオ豆を分解したこれらの素材を組み合わせて、チョコレートをつくります。そしてこの合算値が、「カカオ分」になります。また、このカカオ分によってチョコレートの種類を分類していきます。チョコレートには国際食品規格であるCODEX標準規格があり、それに基づき各国で基準を設けています。 日本のチョコレートの分類 チョコレートの種類、と聞いて思いつくのは、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートだと思います。ただ、日本ではチョコレートの種類に関して、ミルクチョコレートとホワイトチョコレートにはカカオ分に関する「規約」がありますが、ダークチョコレートには具体的な規約はありません。つまり、「ダーク」チョコレートには、「カカオ分◯◯%以上がダークチョコレートです」という決まりがないのです。チョコレートの「表示」については、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づき、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」というものが存在します。この規約に基づいて、「チョコレート」「ミルクチョコレート」「ホワイトチョコレート」の定義を設けて明確にしています。実はこの規約、若干ややこしいのですが、理解すると商品選びの参考になります。まず、分類するにあたり2つの段階で考えます。①チョコレート生地(ベース)の種類、②生地の使用量、です。 出典:日本チョコレート・ココア協会 まずは①チョコレート生地(ベース)の種類について。「チョコレート生地」とは、チョコレートの素材そのものを指します。そのチョコレートを構成する原材料のうち、カカオ分(カカオ由来の原材料)が全重量の35%以上、(うちココアバターが全重量の18%以上)、水分が3%以下だと「チョコレート生地」の基本的な基準を満たします。また、一般的なチョコレートには乳製品を使用したものも多いため、乳製品を使用したものの基準も設けてあります。「ミルクチョコレート生地」は乳製品の量が決まっており、乳固形分が14%以上でなければなりません。これをクリアしないと、商品名や説明文で「ミルクチョコレート」と名乗ることができません。「ホワイトチョコレート」の場合、カカオの茶色い部分(カカオマスとココアパウダー)を含まず、半透明のココアバターのみを使用しています。上記の表に基づくと、最低でもカカオ分(ココアバターの使用量)が21%含まれていけない、ということになります。一方、「準チョコレート生地」はチョコレート生地よりカカオ分が少ないものになります。コスト面や商品の味わいのバランスを考慮して使用されます。次に、②生地の使用量による分類について。チョコレート製品は、前述した「チョコレート生地」「準チョコレート生地」それぞれの使用量によって、さらに細かく分類されます。製品中のチョコレート生地の使用量が60%以上なら「チョコレート」、60%未満は「チョコレート菓子」、製品中の準チョコレート生地の使用量が60%以上なら「準チョコレート」、60%未満は「準チョコレート菓子」になります。 アーモンドチョコレートを例にとってみましょう。アーモンドをコーティングしているチョコレートの量がアーモンドや他の原材料よりも多ければ「チョコレート」、アーモンドや他の原材料の方がチョコレートよりも使用量が多く、チョコレートの生地(ベース)が準チョコレート生地であれば「準チョコレート菓子」となります。この分類、実は皆さんもよく目にしています。チョコレート商品のパッケージの表面に「チョコレート菓子」「準チョコレート」と記載されている商品を見かけたことはありませんか?商品名に「チョコレート」という言葉を含んでいるもので、上記の規約上「チョコレート菓子」、「準チョコレート」、「準チョコレート菓子」に分類される場合、商品の見えやすいところに表示をしないといけないルールがあります。これは消費者が「チョコレート」かどうか勘違いしないように、という意味がありますが、このルールを知っていると、商品を購入する際、なんとなく「これはチョコレートをしっかり使った商品だ」、「これはチョコレートというよりもスナック感覚で食べることができそう」と察しをつけることができます。 EUのチョコレートの分類 EUのチョコレートの基準は日本と似ています。ただ、油分に関しては、植物油脂を最大量5%まで添加可能という規定があり、これにはEU加盟国によって賛否が分かれています。「チョコレート」はカカオ分が35%以上、無脂ココア固形分が14%以上、ココアバターが18%以上。「ミルクチョコレート」はカカオ分が25%以上、無脂ココア固形分が2.5%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、総油脂分が25%以上(ココアバターと乳脂肪分)。「ホワイトチョコレート」はココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上。日本のチョコレートや洋菓子の文化はヨーロッパに大きな影響を受けていることからも、このようにほぼ同じような基準となっているのかもしれません。 アメリカのチョコレートの分類 アメリカでは、連邦規則集(Code of Federal Regulations、 略称:CFR)によって、チョコレートの基準が設けられています。日本と同様「ダークチョコレート」の定義はなく、スイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートに分けられています。アメリカの場合、日本やEUが「カカオ分」で定義しているのに対し「カカオマス量」で定義しています。「スイートチョコレート」は、カカオマスが15%以上、乳固形分が12%以下とし、その中にカカオマスが35%以上のものとして「セミスイートチョコレート」、「ビタースイートチョコレート」という分類を設けています。「ミルクチョコレート」はカカオマスが10%以上、乳固形分が12%以上、乳脂肪分が3.39%以上。「ホワイトチョコレート」はココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、甘味炭水化物が55%以下という独自のルールがあります。「チョコレートの歴史を知ろう」でもご紹介したように、アメリカではチョコレートが工業化してから発展してきた経緯があります。そのため定義として「カカオマス」という言葉が入り、甘味炭水化物の基準が設けられているのかもしれません。さて、ここまでは規約からベースとなるチョコレートの分類について解説しましたが、チョコレートには他にも様々な種類があります。 クーベルチュールチョコレート なんとなく高級なチョコレート、というイメージのあるクーベルチュールチョコレート。「クーベルチュール」とはフランス語で「毛布」など「覆うもの」を意味し、「カカオ分35%以上(うちココアバター31%以上)、無脂カカオ固形分 2.5%以上を含有するもの」という国際規格があります。油脂分を多く含むため、流動性が高く作業性が良いのが特徴で、お菓子のコーティングやデコレーションなどにも使用される製菓用のチョコレートです。形状は板状、ダイス状、小判型など様々で、単一産地のカカオで作られたシングルオリジンのクーベルチュールもあります。ショコラティエはお菓子の製造方法や味わいに併せて様々なクーベルチュールを混合するなどして、オリジナルのチョコレート菓子を製造しています。 ルビーチョコレート 鮮やかなピンク色が印象的なルビーチョコレート。これはスイスのクーベルチュールメーカー、バリー・カレボーが開発した新たなチョコレートです。コートジボワール、エクアドル、ブラジルのカカオ豆を特殊な方法で加工することにより、華やかなピンク色でほんのりベリーのような酸味を持つチョコレートにしています。日本では2017年頃からパティシェやショコラティエが使用し始め、今ではスーパーやコンビニのお菓子でも展開されています。このように、ベースとなるチョコレートにも種類が様々ありますが、これらを使用して、様々な製法・形状のチョコレートを作り上げていきます。 製法・形状別のチョコレートの種類 ・チョコレートバー(板チョコレート) テンパリングした液状のチョコレートを型(モールド)に流し込み冷却して固めたもの。平たい板状のため日本語では「板チョコレート」と言いますが、英語圏では”Tablet” “Chocolate...

ダンデライオン・チョコレートがなぜ「きび糖」を使うのか

ダンデライオン・チョコレートがなぜ「きび糖」を使うのか

こんにちは。ダンデライオン・チョコレートで「チョコレート・エクスペリエンス」という部署を担当している伴野智映子です。普段はオンラインワークショップの講師として、皆さんにチョコレートの魅力や奥深さをお伝えしています。ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバーの原材料はたった2つ、「カカオ豆」と「きび砂糖」です。カカオに関しては、ダンデライオン・チョコレートでは、生産地を必ず訪れ、その農園で過ごしお互いを知り、信頼関係が構築された上で購入することにしています。カカオに関するお話はこれまでもしてきましたが、もう一つの原材料、きび砂糖についても、同じ信念を持って使用しています。チョコレートの原材料であるカカオと砂糖、どちらも「児童労働」や「奴隷制度」といった言葉が付いて回る作物です。近年ではSDGsの観点からも、このような作物を使用していない食べ物を選ぶお客様も増えています。今回はこの「きび砂糖」について、どのようなきび砂糖なのか、なぜこの砂糖を使用しているのか、についてお話したいと思います。 1. 使用しているきび砂糖について 私たちが使用しているきび砂糖は「Native」というブラジルのオーガニックのきび砂糖です。ブラジルは砂糖の輸出国としては4番目、世界の輸出量の25%を占めるそうです。 このきび砂糖はアメリカのBean to Bar 業界では有名なメーカーで、マサチューセッツ州のTaza Chocolate、カルフォルニア州のParliament Chocolate、ハワイのManoa Chocolate も使用しています。(ちなみにダンデライオン・チョコレートは同じカルフォルニア州(サンタ・バーバラ)にあるTwenty-Four Blackbirds Chocolate に紹介してもらい、このきび砂糖を使用することにしました)この砂糖は、Native Green Cane Project という、世界で最初のオーガニック認証を受けたさとうきび畑で作られています。砂糖以外を含む世界最大のオーガニック商品のプロジェクトでもあり、オーガニックシュガー市場の1/3を占めると言われています。1987年に立ち上がったこのプロジェクトの目的は、自己持続型のさとうきび生産体制を確立することによって、作物の栽培自体が環境や自然を保護する役割を果たせるようになることです。さとうきびは収穫する際、上の葉の部分を焼き、残った下のきびの部分を刈り取り取る焼き畑農法が主流であり、大気汚染や公害を引き起こすとして問題になっています。また、砂糖は歴史的にも、砂糖プランテーション拡大のために黒人奴隷を大量投入した背景があり、さとうきび栽培には強制労働や奴隷問題が付いて回ります。このような問題を解決すべく、Native Green Cane Project が発足し、オーガニックシュガーの生産に着手しました。まず、焼き畑農法を行わないために採用したものが、特殊な収穫機です。さとうきびを収穫しながら外側の葉の部分をそぎ落とすため、焼き畑農法も、大量の労働者も必要ありません。タイヤはクッション性が高く畑を傷つけにくいようにし、収穫機にはエアコンも完備し、暑い中で作業を行う従業員に配慮したつくりになっています。 出典:Native そぎ落とした部分はそのまま土に戻し、腐葉土として土の栄養分になります。Native Green Cane Project は1997年にオーガニック認証を取得し、現在は圧搾後のさとうきびの残渣に菌類をふりかけて肥料にしたり、砂糖を沸騰させるときに発生する熱を利用して近隣の都市に電力として供給したり、蒸留する際に発生するエタノールをトラックや車に利用するなど、さとうきびを余す事なく利用したエコシステムを構築しています。 さとうきび畑は単一栽培による土壌の劣化、動植物の衰退、環境問題についても指摘されることがありますが、ここでは5つの農地を順番に使用しながら、土を休ませ環境に配慮した設計になっています。この手法により、現在340種類の哺乳類鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類が生息する、まさに”green...

ダンデライオン・チョコレートがなぜ「きび糖」を使うのか

こんにちは。ダンデライオン・チョコレートで「チョコレート・エクスペリエンス」という部署を担当している伴野智映子です。普段はオンラインワークショップの講師として、皆さんにチョコレートの魅力や奥深さをお伝えしています。ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバーの原材料はたった2つ、「カカオ豆」と「きび砂糖」です。カカオに関しては、ダンデライオン・チョコレートでは、生産地を必ず訪れ、その農園で過ごしお互いを知り、信頼関係が構築された上で購入することにしています。カカオに関するお話はこれまでもしてきましたが、もう一つの原材料、きび砂糖についても、同じ信念を持って使用しています。チョコレートの原材料であるカカオと砂糖、どちらも「児童労働」や「奴隷制度」といった言葉が付いて回る作物です。近年ではSDGsの観点からも、このような作物を使用していない食べ物を選ぶお客様も増えています。今回はこの「きび砂糖」について、どのようなきび砂糖なのか、なぜこの砂糖を使用しているのか、についてお話したいと思います。 1. 使用しているきび砂糖について 私たちが使用しているきび砂糖は「Native」というブラジルのオーガニックのきび砂糖です。ブラジルは砂糖の輸出国としては4番目、世界の輸出量の25%を占めるそうです。 このきび砂糖はアメリカのBean to Bar 業界では有名なメーカーで、マサチューセッツ州のTaza Chocolate、カルフォルニア州のParliament Chocolate、ハワイのManoa Chocolate も使用しています。(ちなみにダンデライオン・チョコレートは同じカルフォルニア州(サンタ・バーバラ)にあるTwenty-Four Blackbirds Chocolate に紹介してもらい、このきび砂糖を使用することにしました)この砂糖は、Native Green Cane Project という、世界で最初のオーガニック認証を受けたさとうきび畑で作られています。砂糖以外を含む世界最大のオーガニック商品のプロジェクトでもあり、オーガニックシュガー市場の1/3を占めると言われています。1987年に立ち上がったこのプロジェクトの目的は、自己持続型のさとうきび生産体制を確立することによって、作物の栽培自体が環境や自然を保護する役割を果たせるようになることです。さとうきびは収穫する際、上の葉の部分を焼き、残った下のきびの部分を刈り取り取る焼き畑農法が主流であり、大気汚染や公害を引き起こすとして問題になっています。また、砂糖は歴史的にも、砂糖プランテーション拡大のために黒人奴隷を大量投入した背景があり、さとうきび栽培には強制労働や奴隷問題が付いて回ります。このような問題を解決すべく、Native Green Cane Project が発足し、オーガニックシュガーの生産に着手しました。まず、焼き畑農法を行わないために採用したものが、特殊な収穫機です。さとうきびを収穫しながら外側の葉の部分をそぎ落とすため、焼き畑農法も、大量の労働者も必要ありません。タイヤはクッション性が高く畑を傷つけにくいようにし、収穫機にはエアコンも完備し、暑い中で作業を行う従業員に配慮したつくりになっています。 出典:Native そぎ落とした部分はそのまま土に戻し、腐葉土として土の栄養分になります。Native Green Cane Project は1997年にオーガニック認証を取得し、現在は圧搾後のさとうきびの残渣に菌類をふりかけて肥料にしたり、砂糖を沸騰させるときに発生する熱を利用して近隣の都市に電力として供給したり、蒸留する際に発生するエタノールをトラックや車に利用するなど、さとうきびを余す事なく利用したエコシステムを構築しています。 さとうきび畑は単一栽培による土壌の劣化、動植物の衰退、環境問題についても指摘されることがありますが、ここでは5つの農地を順番に使用しながら、土を休ませ環境に配慮した設計になっています。この手法により、現在340種類の哺乳類鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類が生息する、まさに”green...