OUR DAYS > チョコレートの種類を解説!製法・形状によるチョコレートの違いとは

チョコレートの種類を解説!製法・形状によるチョコレートの違いとは

世の中には様々なチョコレートを使用した商品が並んでいますが、それぞれどのように分類されるか、ご存知でしょうか?
ここでは、チョコレートの種類を解説。製法や形状によるチョコレートの違いを知ると、商品を選ぶ際の参考にもなりますよ。

「カカオ分◯◯%」のカカオ分とは?

チョコレートのパッケージでもよく見かける「カカオ分◯◯%」。
「カカオ分が高いほど健康効果が高い」「美容効果がある」という認識がある方も多いと思いますが、この「カカオ分」とは何を指すのでしょうか?

「カカオ分」とはその名の通り「カカオを含むもの」=「カカオ豆由来の成分」のことです。

具体的には、

1

2

3

カカオマス(カカオニブをペースト状にして固めたもの)
ココアバター(カカオニブから抽出した油分)
ココアパウダー(ココアバター抽出後の残渣をパウダー上にしたもの)

一般的なチョコレートは、カカオ豆を分解したこれらの素材を組み合わせて、チョコレートをつくります。そしてこの合算値が、「カカオ分」になります。

また、このカカオ分によってチョコレートの種類を分類していきます。
チョコレートには国際食品規格であるCODEX標準規格があり、それに基づき各国で基準を設けています。

日本のチョコレートの分類

チョコレートの種類、と聞いて思いつくのは、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートだと思います。
ただ、日本ではチョコレートの種類に関して、ミルクチョコレートとホワイトチョコレートにはカカオ分に関する「規約」がありますが、ダークチョコレートには具体的な規約はありません。つまり、「ダーク」チョコレートには、「カカオ分◯◯%以上がダークチョコレートです」という決まりがないのです。

チョコレートの「表示」については、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づき、公正取引委員会の認定を受けた「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」というものが存在します。
この規約に基づいて、「チョコレート」「ミルクチョコレート」「ホワイトチョコレート」の定義を設けて明確にしています

実はこの規約、若干ややこしいのですが、理解すると商品選びの参考になります。

まず、分類するにあたり2つの段階で考えます。

チョコレート生地(ベース)の種類、②生地の使用量、です。

まずは①チョコレート生地(ベース)の種類について。

「チョコレート生地」とは、チョコレートの素材そのものを指します。そのチョコレートを構成する原材料のうち、カカオ分(カカオ由来の原材料)が全重量の35%以上、(うちココアバターが全重量の18%以上)、水分が3%以下だと「チョコレート生地」の基本的な基準を満たします。

また、一般的なチョコレートには乳製品を使用したものも多いため、乳製品を使用したものの基準も設けてあります。

「ミルクチョコレート生地」は乳製品の量が決まっており、乳固形分が14%以上でなければなりません。これをクリアしないと、商品名や説明文で「ミルクチョコレート」と名乗ることができません。

「ホワイトチョコレート」の場合、カカオの茶色い部分(カカオマスとココアパウダー)を含まず、半透明のココアバターのみを使用しています。上記の表に基づくと、最低でもカカオ分(ココアバターの使用量)が21%含まれていけない、ということになります。

一方、「準チョコレート生地」はチョコレート生地よりカカオ分が少ないものになります。コスト面や商品の味わいのバランスを考慮して使用されます。

次に、②生地の使用量による分類について。

チョコレート製品は、前述した「チョコレート生地」「準チョコレート生地」それぞれの使用量によって、さらに細かく分類されます。

製品中のチョコレート生地の使用量が60%以上なら「チョコレート」60%未満「チョコレート菓子」
製品中の準チョコレート生地の使用量が60%以上なら「準チョコレート」60%未満「準チョコレート菓子」になります。

アーモンドチョコレートを例にとってみましょう。アーモンドをコーティングしているチョコレートの量がアーモンドや他の原材料よりも多ければ「チョコレート」アーモンドや他の原材料の方がチョコレートよりも使用量が多く、チョコレートの生地(ベース)が準チョコレート生地であれば「準チョコレート菓子」となります。

この分類、実は皆さんもよく目にしています。チョコレート商品のパッケージの表面に「チョコレート菓子」「準チョコレート」と記載されている商品を見かけたことはありませんか?
商品名に「チョコレート」という言葉を含んでいるもので、上記の規約上「チョコレート菓子」、「準チョコレート」、「準チョコレート菓子」に分類される場合、商品の見えやすいところに表示をしないといけないルールがあります。

これは消費者が「チョコレート」かどうか勘違いしないように、という意味がありますが、このルールを知っていると、商品を購入する際、なんとなく「これはチョコレートをしっかり使った商品だ」、「これはチョコレートというよりもスナック感覚で食べることができそう」と察しをつけることができます。

EUのチョコレートの分類

EUのチョコレートの基準は日本と似ています。ただ、油分に関しては、植物油脂を最大量5%まで添加可能という規定があり、これにはEU加盟国によって賛否が分かれています。

「チョコレート」はカカオ分が35%以上、無脂ココア固形分が14%以上、ココアバターが18%以上。

「ミルクチョコレート」はカカオ分が25%以上、無脂ココア固形分が2.5%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、総油脂分が25%以上(ココアバターと乳脂肪分)。

「ホワイトチョコレート」はココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上。

日本のチョコレートや洋菓子の文化はヨーロッパに大きな影響を受けていることからも、このようにほぼ同じような基準となっているのかもしれません。

アメリカのチョコレートの分類

アメリカでは、連邦規則集(Code of Federal Regulations、 略称:CFR)によって、チョコレートの基準が設けられています。
日本と同様「ダークチョコレート」の定義はなく、スイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートに分けられています

アメリカの場合、日本やEUが「カカオ分」で定義しているのに対し「カカオマス量」で定義しています。

「スイートチョコレート」は、カカオマスが15%以上、乳固形分が12%以下とし、その中にカカオマスが35%以上のものとして「セミスイートチョコレート」、「ビタースイートチョコレート」という分類を設けています。

「ミルクチョコレート」はカカオマスが10%以上、乳固形分が12%以上、乳脂肪分が3.39%以上。

「ホワイトチョコレート」はココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、甘味炭水化物が55%以下という独自のルールがあります。

チョコレートの歴史を知ろう」でもご紹介したように、アメリカではチョコレートが工業化してから発展してきた経緯があります。そのため定義として「カカオマス」という言葉が入り、甘味炭水化物の基準が設けられているのかもしれません。

さて、ここまでは規約からベースとなるチョコレートの分類について解説しましたが、チョコレートには他にも様々な種類があります。

クーベルチュールチョコレート

なんとなく高級なチョコレート、というイメージのあるクーベルチュールチョコレート。「クーベルチュール」とはフランス語で「毛布」など「覆うもの」を意味し、「カカオ分35%以上(うちココアバター31%以上)、無脂カカオ固形分 2.5%以上を含有するもの」という国際規格があります。油脂分を多く含むため、流動性が高く作業性が良いのが特徴で、お菓子のコーティングやデコレーションなどにも使用される製菓用のチョコレートです。

形状は板状、ダイス状、小判型など様々で、単一産地のカカオで作られたシングルオリジンのクーベルチュールもあります。ショコラティエはお菓子の製造方法や味わいに併せて様々なクーベルチュールを混合するなどして、オリジナルのチョコレート菓子を製造しています。

ルビーチョコレート

鮮やかなピンク色が印象的なルビーチョコレート。これはスイスのクーベルチュールメーカー、バリー・カレボーが開発した新たなチョコレートです。コートジボワール、エクアドル、ブラジルのカカオ豆を特殊な方法で加工することにより、華やかなピンク色でほんのりベリーのような酸味を持つチョコレートにしています。日本では2017年頃からパティシェやショコラティエが使用し始め、今ではスーパーやコンビニのお菓子でも展開されています。

このように、ベースとなるチョコレートにも種類が様々ありますが、これらを使用して、様々な製法・形状のチョコレートを作り上げていきます。

製法・形状別のチョコレートの種類

・チョコレートバー(板チョコレート)

テンパリングした液状のチョコレートを型(モールド)に流し込み冷却して固めたもの。平たい板状のため日本語では「板チョコレート」と言いますが、英語圏では”Tablet” “Chocolate Bar” と言います。

・ガナッシュ

チョコレートに温めた生クリームを混ぜ合わせたもので、なめらかな食感が特徴です。バターやリキュール、フルーツピューレなどを足すことも。ボンボンショコラの中身やケーキの間にサンドしたり、生チョコレートとしても利用されます。水分量が多いため、保存期間には注意が必要です。

・ジャンドゥーヤ

ローストしたナッツ類をペーストにしたものに砂糖を加え、チョコレートを混ぜ合わせたもの。プラリネと混同しやすいですが、プラリネはアーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類と、焦がしたキャラメルを混ぜ、ペースト状にしたものになります。

・生チョコレート

ガナッシュを冷却して固め、ココアパウダーや粉糖などをまぶした口溶けの良いチョコレート。通常ガナッシュには生クリームを使用しますが、日本では安価な植物油脂を使用した商品が販売されるようになったことを受け、日本独自で「生チョコレートの規約」が存在します。
「チョコレート生地にクリームを含む含水可食物を練り込んだもののうち、チョコレート生地が全重量の60%以上のものであって、水分が全重量の10%以上であること」
「上記に適合するチョコレートにココアパウダー、粉糖、抹茶等の粉体可食物をかけたもの、またはチョコレート生地で殻を作り、内部に上記チョコレートを入れたものであって、当該チョコレートが全重量の60%以上、かつ、チョコレート生地の重量が全重量の40%以上であること」と定められています。

・ボンボンショコラ

チョコレートで出来た殻の中にフィリング(詰め物)が入った一口サイズのチョコレートのこと。「ボンボン」とは、フランス語で「一口サイズの砂糖菓子」の意味で、中のフィリングにガナッシュやプラリネ、ジャンドゥーヤなどを入れます。

・トリュフ

ボンボンショコラのうち、丸い形をしているものを刺します。世界三大珍味のトリュフに見た目と形が似ていることが由来と言われています。


「チョコレート」と一言で言っても、様々な分類の仕方、種類があります。ぜひ、様々なチョコレートを「どの種類かな?」と考えながら味わってみてはいかがでしょうか?

チョコレートバー各種

シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。

個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。

ブログに戻る