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生産者が同じでもカカオのフレーバーが異なる? - ソルサル・エステートとソルサル・コミュニタリオの違いと魅力を解説 -

ダンデライオン・チョコレートで販売している2種類のドミニカ共和国産カカオ70%のチョコレートバー「ソルサル・エステート, ドミニカ共和国 70%」と「ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%」は、実は同じ生産者「ソルサル・カカオ」のカカオ豆を使用していますが、その味わいは大きく異なります。なぜ、同じ生産国、生産者でも異なるフレーバーのチョコレートができるのでしょうか?それぞれの特徴や魅力を解説します。

生産者「ソルサル・カカオ」とは

ソルサル・カカオはチャールズ・キルヒナー(通称チャック)達によって創設されたカカオ生産者。チャックはピース・コープ(日本の青年海外協力隊)で滞在したドミニカ共和国で、自身が博士課程で学んだ森林経済学の知識を活かし、カカオを通じて現地の経済活動を創ることができるのではと想い、この事業を始めました。

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私たちがなぜソルサル・カカオのカカオ豆を使用しているのか、それは彼らの理念に共感している他にも、チャックがとったある誠実な行動にもあります。

事業を始めた当初、ソルサル・カカオはカカオ豆の発酵施設を持っていなかったため、近隣のオコ・カリベという生産者に発酵・乾燥工程を委託していました。

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私たちがチャックに初めて彼のカカオ豆を発注したとき、オコ・カリベはチャックのカカオ豆と別のカカオ豆をブレンドして発酵させてしまいました。ダンデライオン・チョコレートがシングルオリジンのカカオ豆にこだわっていることを知っていたチャックは、それを包み隠さず私たちに話し、「発注はキャンセルしても良い」と申し出てくれたのです。

おそらく、私たちは届いたカカオ豆を見ても、ブレンドされたかどうかまでは分からなかったと思います。チャックは私たちが何を大切にしているかを理解してくれていたからこそ、このように伝えてくれたのでした。

「顧客に対して誠実であることには価値がある。数千km離れた地でカカオ豆がどのように育てられたか事実を隠すのは簡単だが、長いパートナーシップの要は信頼を構築することであり、それが個人的にも経済的にも満足のいくビジネスになるんだ」

 

私たちはチャックを、そしてソルサル・カカオを信頼しているからこそ、自信を持って彼のカカオ豆を使用しているのです。

ソルサル・エステートのカカオ豆

「エステート」とは「私有地」のこと。ソルサル・エステートのカカオ豆はソルサル・カカオが購入したドゥアルテ州の山中412ヘクタールの土地のうち、約30%を占める地域で栽培されているカカオからできています。

この土地はドミニカでは初となる個人資本による野鳥の保全区域で、面積の70%はツグミの保護区(レゼルバ・ソルサル)として「永久に完全な自然状態」で維持されています。ここでチャック達はカカオ豆の生産を通したツグミの保護というビジネスモデルへの挑戦をスタートしたのです。

ソルサル・コミュニタリオのカカオ豆

「コミュニタリオ」はスペイン語で「コミュニティ」の意味。このカカオ豆はソルサル・カカオが保有する野鳥保護区「レゼルバ・ソルサル」の近隣地域にある農園で育てられたカカオからできています。つまりソルサル・カカオと同じコミュニティの仲間達によるカカオ豆です。

保全区域内に住む25の農家が育てた、バードフレンドリー認証を受けたカカオ。ソルサル・カカオは彼らと協力し農業技術や投資支援を通して、年間約200トンのカカオ豆を生産しています。

チョコレートの味わいの違い

ソルサル・エステートとソルサル・コミュニタリオのチョコレートバーを開発したのは、ダンデライオン・チョコレートで最も長くチョコレートメーカーを務める2人、古野真理子(写真左)と土屋まり(写真右)。2人のこれまでの経験と感性で出来上がったチョコレートバーは、それぞれ全く異なる味わいになりました。

 

ソルサル・エステート, ドミニカ共和国 70%
ローストプラファイラー:古野真理子

今回は「チョコレートになったときにどんなフレーバーが出てくるんだろう」と想像するのが楽しくなるようなものに仕上がりました。フレーバーノートは「クリームチーズ、タイム、グレープフルーツピール」。3つすべて合わせると前菜っぽくもなるし、デザートとしても想像できる味わいです。もちろん単体でもおいしそうなイメージが湧くかなと思います。」

ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%
ローストプラファイラー:土屋まり

イメージはドイツの伝統菓子「フォレノワール」。キルシュ(さくらんぼのリキュール)が染み込んだココアのスポンジ生地に生クリームをサンドして、表面に削ったチョコレートとさくらんぼが飾ってあるケーキです。フレーバーノートである「キルシュ漬けしたチェリー、サワークリーム、チョコレートシフォンケーキ」からも、このケーキにあるそれぞれのパーツを、チョコレート一枚から感じ取れるかなと思います。」

同じ国、同じ生産者のカカオでもカカオが採れた場所によってフレーバーの違いを楽しめる2枚のチョコレートバー。どちらもチーズのような乳感は似ていますが、季節で例えると「ソルサル・エステート, ドミニカ共和国 70%」は春先から夏、「ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%」は秋から冬、というイメージです。

 

2枚を食べ比べたり、気分によって変えてみたり、それぞれの産地特有の味わいを全面に打ち出したチョコレートバーをぜひご堪能ください。

 

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