伴野:コエドビールは海外でも広く流通していますが、これからどんなビールを作っていきたいですか?
田邊:ビールはもともとヨーロッパで発展し、今のクラフトビールのムーブメントはアメリカの影響を大きく受けているんですが、一方でもっと「日本発」のものがあってもいいんじゃないか、と感じています。日本には日本酒や焼酎など伝統的なお酒もあるので、その技術をビールに活かすなど、オリジナリティのあるものができたら、と。
物江:世界に向けて発信していくとはスケールが大きいですね。確かに日本らしいクラフトビールが海外で飲めたらちょっと興奮します。
田邊:あとは地域性のあるものを取り入れるなど、スモールバッチだからこそできるビールをさら に作っていきたいですね。もちろんみんなに愛される定番商品がありながら、新しいクリエイティブな視点で醸造したビールがあるのがベストだと思います。そのためにもチームとしては、ブルワー(醸造家)が自由な発想を持てる時間をつくれるようにしないといけないですが。
藤咲:僕はとにかくおいしいビールを作りたいです(笑)!自ら「こんなビールを発信したい」と思えるまで、みなさんにおいしいビールを届けられるように日々努力していきたいと思います。
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1990年代に始まる「地ビール」と呼ばれた頃からクラフトビール業界を牽引してきたコエドブルワリー。
日本でも多くの新しいブルワリーが誕生するなか、自分たちが日本のクラフトビールメーカーとして何をするべきか、という世界のビール業界を視野に入れた上での課題や目指す姿について伺うことができました。
Bean to Bar チョコレートを含むクラフトチョコレートが日本でムーブメントになり始めたのが2010年あたり。あと20年前後で日本のクラフトチョコレートも今よりさらに定着し、世界に羽ばたき注目されるようになるのではないでしょうか。
普段何気なく行う「食べる」という行為ですが、その食の変遷や文化としての定着、食の循環に自らが関わっていると思うと、口にするひとつひとつの食べ物に「食べる意味」を感じます。コエドビールとダンデライオン・チョコレートのコラボレーションビールも、これからさらに距離を縮めて「食の意味」を発信できるものをつくっていきたいと思います。
2022年のコラボレーションビール「CHOCOLATE DUNKEL (チョコレート・デュンケル)」はオンラインストアで発売中です。ぜひお試しください!
第一回:「煎餅と、チョコレートと」
第二回:「自転車と、チョコレートと」
第三回:「ヴィーガンクッキーと、チョコレートと」