カカオの生産地を知ろう(カアボン, グアテマラ)

日本から遠く離れたカカオの生産地。「カカオの生産地を知ろう」では、私たちが使用しているカカオ豆の生産者や現地の様子をご紹介しています。今回はチョコレートバー「カアボン, グアテマラ 70%」のカカオ産地についてご紹介します。

生産者:ADIOESMAC
生産国:グアテマラ
地域:アルタ・ベラパス

事業形態:中央発酵施設を持つ協同組合
カカオ豆:協同組合で栽培、発酵、乾燥したカカオ豆を購入
発酵方式:並べた木箱
乾燥方法:ビニールハウス内の木製乾燥台
カカオ豆のフレーバー:酸味のあるジャム、ココア

カアボン, グアテマラ 70% ¥1,296(税込)

グアテマラはどんな国?

グアテマラは中央アメリカのメキシコの下、ホンジュラス、エルサルバドル、ベリーズに接し、西は太平洋、東はカリブ海に面した国です。国土の面積は約10.9万㎢で、日本の約1/3の大きさです。人口は1,660万人(2019年)で、日本の約0.13倍になります。

グアテマラはマヤ文明が栄えた国として知られており、世界遺産に登録されたマヤ文明の遺跡が多くあるのも特徴です。国民全体の約4割がマヤ文明を起源とする先住民で、公用語はスペイン語ですが、その他に22のマヤ系言語があります。「グアテマラ」という国名は、現在の首都グアテマラシティーに付けられた古代アステカの地名「クアウテメラン(森の多い土地)」をスペイン語にしたものだそうです。 

グアテマラのカカオ事情

国の主要産業はコーヒー、砂糖、バナナを始めとする農業で、これらは主要輸出産品の7割近くを占めます。その中でカカオ豆の生産量は、グアテマラ政府の発表によると年間約12,500トン(2016年:世界の生産量の約0.3%)と少なく、うち約5%が主に欧米向けに輸出されています。

グアテマラには250,000もの農家が存在しますが、多くは比較的小規模で、カカオは二次作物として栽培されてきました。そのため生産性や収益性を上げるための投資もされず、また農園から発酵・乾燥を行う施設まで離れているため、各々の農家が持ち込むカカオに鮮度や品質の差があり、最終的なカカオ豆の品質の安定性に欠けてしまうという難点がありました。

現在では、USDA(米国農務省)管轄プロジェクトのサポートを受け、グアテマラ政府や大学、研究施設が協同してグアテマラに存在するカカオの品種解析や発酵・乾燥工程の分析を行う取り組みが始まっています。このプロジェクトを通して、グアテマラ産カカオの品質と生産量の向上、そして世界のカカオ市場への輸出拡大を含む収益の安定性を目指しています。

ADIOESMACについて

グアテマラ北部に位置するアルタ・ベラパスは、この国で最も貧しい地域といわれる先住民マヤ族が生活しています。カカオはこの地域にとって重要な収入源ですが、これまではコヨーテと呼ばれる中間業者に安い価格でカカオを売るしかなく、グアテマラ国内での消費が主でしたが、現在では各農家が参加する農業協同組合が確立し、2-3地域が協同で発酵・乾燥施設を運営しています。

ADIOESMAC (Asociación de Desarrollo Integral Ox’ Eek Santa María Cahabón) は、43戸の農家で構成された協同組合で、カカオの栽培から発酵乾燥施設を共有して運営しています。

そして、彼らが生産したカカオ豆は、カカオ・ベラパスが買い取り、品質を安定させるためにブレンドした後、各国へ輸出されます。

実は、このカカオ・ベラパスはベリーズのマヤ・マウンテン・カカオと同じアンコモン・カカオが手がける2つ目のプロジェクト。しかし、マヤ・マウンテン・カカオと事業形態は異なり、カカオ・ベラパスではADIOESMACの技術支援や活動資金のサポートと、輸出事業を手掛けています。

ADIOESMACのカカオ豆は通常の2倍近く大きいため発酵に時間を要し、均一に発酵するのが難しいとされていますが、カカオ・ベラパスの技術サポートによって、品質の安定したカカオ豆を生産し、そのぶどうのような果実味と独特の発酵感、後に残る香ばしいココア感は、作り手によって如何様にも変化するユニークなフレーバーになっています。

グアテマラ産カカオの評判が高まるのと共に生産量は順調に増加し、2017年には政府の北部地域振興プログラムと国際農業開発基金によって新たな発酵乾燥施設も建設されました。

ADIOESMACが目指すカカオ農園

2014年以降、ADIOESMACとカカオ・ベラパスの活動によって安定して品質の良いカカオ豆が適正な価格で世界のカカオ市場に出荷されるようになり、カカオ農家は安定的な収入が保障されるようになりました。

収入が増えたことにより新たな開発に挑戦することも可能になり、例えばカカオ農家自身が栽培したカカオからチョコレートを作り販売するという取り組みも始まりました。

他にも、カカオ農家向けに発酵や乾燥、カカオの官能評価に関する研修を実施することで、カカオ農家自身の技術力が向上し、収入を得る仕組みを作り上げています。

ADIOESMACのカカオ豆からチョコレートを作ることは、古くからカカオの歴史が残るこの地域での新たなカカオ産業の成長に携われることでもあり、とても私たちチョコレートメーカーにとってもとても価値のあることです。マヤ・マウンテン・カカオ同様、カカオ・ベラパスでは農家から購入したウェットビーンズの価格からチョコレートメーカーへの販売価格まで全て公開しているので、彼らの取り組みもぜひご覧ください(詳しくはこちら)。

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