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【第1章】タイ・カカオ産地 訪問記 人と産地 — Ryan BerkとThai Cacao Distribution

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Dandelion Chocolateアメリカ・日本チームが巡る、チャンタブリー5日間の旅 

アメリカのダンデライオン・チョコレートのGregは、毎年カカオ豆の買い付けを行うため、各国の産地を訪れています。そこでは、カカオ豆の品質を確かめるだけでなく、生産者や現地の人々と直接言葉を交わし、つながりを育てていくことも大切にしています。

2026年8月、Gregとともにアメリカと日本のダンデライオン・チョコレートのスタッフがタイ・チャンタブリーにあるThai Cacao Distributionへ訪問しました。


ダンデライオン・チョコレートとRyan Berk
左からRyan 、Suriya FarmのSuriya Chaisuttiさんと妻のBoomさん、Greg(DCA)


チャンタブリーのカカオとの出会いは、一人のシェフ、Ryan Berkの情熱から始まりました。
Ryan Berkは、Thai Cacao Distributionの共同創業者であり、Parliament Chocolateを手がける、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするシェフ兼チョコレートメーカーです。タイを“第二の故郷”とし、若い頃からタイに通い続け、現在は現地でレストラン「Aroi Mak Mak」も営んでいます。
Parliament Chocolateなどを手がける中で、良質で倫理的なタイ産カカオを求めるようになり、発酵への情熱をきっかけに、2016年にThai Cacao Distributionを共同創業しました。
タイ最大級の輸出体制を築くため、チャンタブリーの約40軒の生産者を束ね、2019年には同地のファインカカオを初めて米国へ輸出。現在では、タイ国内最大級のカカオ輸出を担っています。


ダンデライオン・チョコレートとRyan Berkは「10年来の“旅の仲間”」

出会いは2013年、ベリーズのマヤマウンテン。以来、各地のカカオ産地をともに巡ってきた長年の友人です。
Ryan Berkが築いたThai Cacao Distributionを通じて、ダンデライオン・チョコレートはチャンタブリー産のカカオを調達するようになりました。
今回の訪問でも、このネットワークを通じて、チャンタブリーの生産者やカカオ産地を訪れることができました。
「生産者とのつながりを大切にし、カカオの価値を正当に評価する――。」
 そんな両者に共通する哲学が、ダンデライオン・チョコレートとRyan Berkの関係を支えています。


カカオの品質と生産者を支える、産地のパートナー|Thai Cacao Distribution

Thai Cacao Distributionは、単なる「カカオの販売会社」というよりも、チャンタブリーの約40軒の生産者とチョコレートメーカーをつなぎ、発酵や乾燥など品質を左右する工程までをも担う、産地側の重要なパートナーです。
生産者がカカオ豆ではなく、果実のままの「カカオポッド」を販売する背景には、ドリアンをはじめとするタイの果物取引の文化があります。
5つの集荷グループが15日ごとに生産者を訪れ、カカオポッドを買い付け、その後、家族経営の発酵・乾燥施設へ運びます。
2016年、シェフでありチョコレートメーカーでもあるRyan Berkによって設立されたThai Cacao Distribution。タイ産カカオの可能性に着目し、発酵・乾燥の技術と品質管理を積み重ねることで、現在ではタイ最大規模のカカオ輸出事業へと成長しています。


タイのカカオの歴史

タイのカカオの歴史は、約117年前にフィリピンから伝わったことに始まります。
1952年にはタイ政府がカカオ栽培への投資を開始しました。その後、産業はさまざまな変化を経験しながら、近年ではドリアンやマンゴスチンなどの果樹とともに、カカオを「副作物」として育てる農家が増えています。
タイの年間カカオ生産量は数百トンほど。生産量こそ多くありませんが、国内ではBean to Barのつくり手も増えており、タイ産カカオへの関心が高まっています。
チャンタブリーでは、ドリアンやマンゴスチンが育つ豊かな農地の中でカカオが栽培されています。現在、主に栽培されているのは「Chumphon 1」と「Chumphon 2」の2品種。
さらに、8月から11月の雨季には、湿度の高さからカカオ豆の乾燥にも特別な工夫が必要です。タイの気候や農業文化に合わせた栽培と発酵・乾燥の技術が、この産地ならではのカカオを生み出しています。

発酵・乾燥の技術に関しては、RyanたちもGregらとともにドミニカ共和国のソルサル・カカオを訪れ、Chuckからその技術を学んでいます。そして、そのソルサル・カカオもまた、エクアドルのカミーノ・ベルデのVicenteから発酵・乾燥について学んでいます。
こうして産地を越えて受け継がれ、磨かれてきた知識や技術が、それぞれの土地の気候や環境に合わせて活かされることで、この産地ならではのカカオが生まれています。

参考)HP:Thai Cacao Distribution


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タイ・カカオ産地 訪問記

第1章 人と産地 — Ryan BerkとThai Cacao Distribution
第2章 カカオの成長— チャンタブリーのカカオができるまで
第3章 カカオの発酵と乾燥 — チャンタブリーのカカオができるまで
第4章 生産者の想い — Farmを支える人々


 

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