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【Exchange Program】チョコレート プロダクションチーム

ダンデライオン・チョコレートでは毎年、アメリカと日本のスタッフを交換し、お互いの店舗で働くことを通して学び合う'Exchange Program”を行なっています。
今年は、2週間のスケジュールで開催。日本からはチョコレートメーカーの武内優季とペストリーの伊藤実咲が研修を行いました。

Chocolate 201でインストラクターを行う武内(左)
武内は大学3年生の時にダンデライオン・チョコレートに参画しました。

『わたしは、幼い頃からチョコレートが大好きでした。いつも身近にあったカカオですが、不公平な貿易で、〈生産国の人はチョコレートを口にしたことがない〉や〈カカオの栽培のために親と引き離される子供もいる〉といった現実を知り、生産者と消費者の距離感を近づけたいと考えました。
フェアトレードや Bean to Bar チョコレートについて調べていくうちにダンデライオン・チョコレートにたどり着きました。ここでは、ダイレクトトレードを行い、ソーシングに関して透明性があり、カカオの生産者との関係性を重要視し、更にチョコレートについてのワークショップを開催していました。
カカオ生産者と消費者の間に立ち、チョコレートを作りながらカカオの現状やBean to Bar チョコレートについて発信することができるのは、わたしがまさに理想としていたことでした。』

在学中にも、カカオ農園を訪れたりと、この世界にどんどんのめり込んで行った武内は、大学卒業と同時にダンデライオン・チョコレートで働くことを選びました。

現在は、チョコレート製造の他にワークショップのインストラクターも行う彼女。社員になったばかりですが、「サンフランシスコのワークショプを学びたい」、「ブランディングとチームビルディングを肌で感じたい」「アメリカのスタッフと親交を深めたい」という強い思いを伝えたところ、今回のExchange Programでの派遣が決まりました。


帰国した彼女から研修の様子が届いたのでご紹介させていただきます。
“今回わたしは、ダンデライオン・チョコレートの第一号店であるFactory & Cafe, San Francisco、そして今年4月に新しくオープンしたばかりの16th Street Factoryで2週間の研修を行いました。

バレンシアにあるプロダクションのアットホームな感じは、蔵前と似ているところがありましたが、それに加えてスタッフの活気に溢れた雰囲気が印象的でした。
クリスティーナ主導のプロダクションチームは、リードチョコレートメーカー(サンフランシスコのプロダクションチームでは、下からアプレンティス、チョコレートメーカー、リードチョコレートメーカー、シニアチョコレートメーカーと技術に応じて役職が決められている)以上の役職のスタッフの中から日替わりでリーダーが決められます。リーダーを中心にその日の生産枚数や選別量などの目標を決め、みんなでゴールを目指します。「やってやるぞー!」という団結力と、楽しみながらも一つ一つの作業を大切に行う姿勢、チーム内の信頼関係を感じました。
16th Street Factoryでは、カフェやファクトリーに加え、多様なチョコレートクラスやファクトリーツアーが毎日開催されていました。
蔵前でもファクトリーツアー、Chocolate 101、Chocolate 201、クッキングクラスなどがありますが、こちらではChocolate 101やChocolate 201の内容をさらに細分化し、より深く追求するためのテイスティングやカカオの歴史に特化したクラス、カカオの買い付けを行うグレッグのソーシングクラスなどもありました。
プライベートクラスの問い合わせも多いようで、ちょうどわたしが参加したのは、小中学生向けのファクトリーツアーとチョコレートのテイスティングを含めたクラスを合体させたような内容でした。
さらに、16th Street Factoryのカフェに併設されたショップには、たくさんの商品が陳列されています。所狭しと並んだアイテムの中には、ショコラティエとのコラボレーションなど、日本では販売してないものも多く、どれも目を引きました。
中でも一番気になったのは、CHOCOLATE MAKER KITです。CHOCOLATE MAKER KITは、お家で1からチョコレートを作ることができるボックスで、ギフトとして購入されることが多いようでした。家庭用のメランジャーも店内で販売されており、1ヶ月に1台は売れているようです。

ここで、ファクトリー見学やチョコレートについて学び、興味を持った方に「チョコレートを作ってみたい」と思わせられることこそ、16th Street Factoryで働くことの醍醐味だなと思いました。
研修中の武内
2週間の研修を通して印象に残ったのは、"みんな仕事に対して前向きで、常に楽しむことを忘れない"ということです。
誰でも毎日最高のモチベーションで仕事に向かい、更にそれを1日中保つことはなかなか難しいことだと思います。しかし、ここではチームとして、1日の目標を決め、どうやったらみんなが楽しみながら仕事をできるか。目標を達成するための意気込みとメンバー間でのコミュニケーション、達成した時には全員で自分たちを褒めるなど、彼らは些細な努力を惜しみません。そしてその結果として、最高のパフェーマンスとチームの絆が生まれているんだと感じました。

そしてもう一つ、16th Street Factoryオープンに伴い、数ヶ月の間にたくさんの変化があったようです。ワークショップの増加や新しいスタッフの入社。16th Street Factoryでのチョコレート製造は、今も試行錯誤の繰り返しです。しかし彼らは、挑戦することにすごくポジティブで、変化や進化を恐れません。
チョコレート作りは毎日が試行錯誤ですが、その挑戦さえもみんなで解決していき、一歩一歩チームとして成長していく。そんなチームを引っ張っていけるようなチョコレートメーカーになることが今の新しい目標です。”

Text by Takeuchi ”


大学を卒業してまだ半年ほどですが、今回の研修を通し、ひと回りもふた回りも成長した武内。研修後、数日も経たないうちに、新しいチョコレートバー開発のため、ベトナムの生産者の元を訪れました。
そして現在、彼女は蔵前で初のチョコレートバー開発の真っ只中。今年は武内にとって大きな変化の年になるのではないでしょうか。
今後彼女の成長が、チョコレートチームやダンデライオン・チョコレート・ジャパンにどういう影響を与えてくれるのか、今からとても楽しみです。
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