カカオベルトはどこにある?カカオ豆が育つ条件とは

最近では、チョコレートの原材料がカカオであるということが当たり前に知られるようになりました。それでは、「カカオベルト」ということばを聞いたことはありますか?ベルト=帯という意味ですが、一体何を指すのか、またカカオが生育する条件や地域を解説します。

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カカオベルトとは?

カカオの生育地域のことを「カカオベルト」といいます。コーヒーの栽培に適した地帯のことを「コーヒーベルト」と表現しますが、「カカオベルト」ということばは「コーヒーベルト」から来ているとも言われています。生産地にこだわったシングルオリジンのコーヒーを一杯一杯丁寧に淹れるスペシャルティコーヒーのムーブメントは、Bean to Bar チョコレートに先駆けて起きており共通する部分が多いのです。「Bean to Bar」ということばも、スペシャルティコーヒーの「Seed to Cup」から来ていると言われています。

カカオベルトは赤道の南北20度、いわゆる亜熱帯の地域です。ちなみにコーヒーベルトは赤道の南北25度。カカオよりも少し生育地域が広いです。


地図を見ると、カカオベルトは5大陸(ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸、南アメリカ大陸、北アメリカ大陸)に渡って生育していることが分かります。カカオの発祥は5300年前の南米エクアドル。16世紀まで長い間中南米で生育していたカカオは、植民地支配によるプランテーションや産業の拡大を経て、世界的作物となっています。

主な生産地を挙げると、中南米ではエクアドルやドミニカ共和国、南米ではブラジルやペルー、アフリカではコートジボワールやガーナ、アジア・オセアニアではインドネシアやパプア・ニューギニアになります。


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カカオが育つ条件

カカオが育つ条件は、これらの生育地域に共通する気候や環境になります。一般的な最適生育条件は、

・平均気温が最低18度、最高32度(平均気温約27度)
・湿度が70-80%
・高度30-300m
・年間降水量が1,500 - 2,500mm
・土壌のpHが中性からやや酸性(pH5.5-7)

最低気温が18度なのは、カカオの種子(カカオ豆)に含まれるココアバター(油分)が、18度以下で固まってしまうため。固まってしまうと木全体に栄養分が行き渡らず、生育することが難しくなります。なるべく低地で気温が一定であることが良いとされています。

乾燥や日差しに弱いカカオの木は、なるべく湿潤で降雨量の多い地域を好みます。特に若木の時にはシェイドツリーという、カカオよりも高く育つ植物を側に植えて、カカオの木を直射日光から守ることもあります。

亜熱帯の植物というと頑丈でたくさん実がなるイメージですが、実はカカオは病害虫にもとても弱く、繊細な木なのです。

カカオ豆の生産量が多い国は?

ここでは、カカオ豆の生産量が多い国をご紹介します。
(データ参照:https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/cacao.html


・コートジボワール(2019年:2,180千トン)

コートジボワールは世界のカカオ生産量第1位の国。1800年代にフランスの植民地として、カカオが持ち込まれ栽培が始まったとされています。大量生産のチョコレート向けの高歩留まりで安価なカカオ豆が主流で、多くの小規模農家はカカオ豆を近隣の施設に納め、それを市内の大きな倉庫に運び、中間業者が間に入りながら買い取られていきます。そのため、農家の収益はごくわずかとなり、現在このような商流や労働問題を打破する動きが活発になってきています。


・ガーナ(2019年:812千トン)

ガーナはコートジボワールの隣の国で、世界のカカオ生産量第2位です。大量生産のカカオ豆の中では品質が良く、日本のカカオ豆輸入量が最も多い国です。人口の1/8がカカオ産業に従事していると言われていますが、近年は天候の変化や経費高騰により、小規模農家にとってはカカオ栽培を継続することが困難になっていきています。この現状を受け、日本の大手チョコレート企業の多くもカカオ農家への支援を行っています。


・インドネシア(2019年:784千トン)

アフリカ以外で一番大きなカカオ生産国であるインドネシアは、世界のカカオ生産量第3位の国です。20世紀に入り大量生産向けのカカオ栽培が急拡大し、スラウェシ島、スマトラ島、ジャワ島などインドネシア各地で栽培されています。カカオの品種がブラジルに次いで多様であることも特徴の一つで、日本でもクラフトチョコレートメーカーの
Dari KWhosecacaoはインドネシアのカカオ豆に特化したチョコレートを製造しています。


・エクアドル(2019年:284千トン)

世界のカカオ生産量第5位エクアドルは、南米では最もカカオ豆生産量が多い国です。アリバ・ナシオナルというエクアドル固有の品種がありますが、より生産性の高いCCN-51という改良品種が台頭した時期もあります。今では古来品種を大事に育てる農家も増え、一口に「エクアドル産カカオ」と言ってもフレーバーがそれぞれ異なります。


・ドミニカ共和国(2019年:89千トン)

ドミニカ共和国は世界のカカオ豆生産量第10位の国です。約70%がオーガニック認証を取得しており、高品質のカカオ豆を生産していることでも知られています。この国独特な文化として、品質の良くないカカオ豆を安価な「サンチェス」、品質の良いものを「ヒスパニオラ」と分類し、クラフトチョコレートメーカーの多くはヒスパニオラを使用しています。



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カカオベルトは多くの国々に広がっています。たとえ気候条件が似ていても、その生産地によってカカオのフレーバーはさまざまです。地図を思い描き、日本から何万キロも離れた場所から届いたカカオによって作られたチョコレートに、想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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