こんにちは!ダンデライオン・チョコレートの伴野です。今回ご縁があり、とってもワクワクする企画に携わることができたので、ご紹介したいと思います
全国の中学校・高等学校とともにクックパッドが取り組んでいる学びの場作り「クックパッドの学び支援」。
東京都豊島区にある豊島岡女子学園とクックパッドは協働プロジェクト「Break Through Project(ブレイクスループロジェクト)」を立ち上げ、校外講師から学ぶ“MEET”と、そこで学んだことを実践する“ ACT”の2回をセットにして、視野を広げ、チャレンジして行動する気持ちが湧いてくるプロジェクトを行っています。
今回は第3回目の”MEET”(シリコンバレーから学ぶ!社会に貢献する仕事)で学んだ「トライアンドエラーの中に学びがある」ということを実践する”ACT”の場として、「カカオ豆からチョコレートを作る」という企画で、ダンデライオン・チョコレートが携わることになりました。
テーマは「人の気持ちを変えるチョコレートをつくろう」。チョコレートの歴史や社会問題、原材料や製造工程を学んだ上で、「誰にどんなチョコレートを作り、どんな気持ちを変えたいか」を考え、実際に作ってみる、という内容です。
今回は3月16日に初回のキックオフ授業を行い、その後各自自宅でチョコレートを作り、報告会を行う、という流れで実施しました。
実は、ダンデライオン・チョコレートで「自宅でカカオ豆からチョコレートを作る」という企画を行うのは初めて。普段はファクトリーにある機械で生産しているチョコレートを、どうしたら家庭にある器具で簡単に作れるのか、私も試行錯誤しながら考えました。
また、製造工程を事細かに伝えすぎると、創造力やチャレンジする気持ちを感じられないので、なるべく最低限の工程と、ちょっとしたヒントだけお伝えし、あとは生徒のみなさんに託しました。それぞれどのような工程でチョコレートを作るのか、楽しみな反面、ちゃんとうまく行くのか、少し不安もありました。
(実際に自宅で試作した様子)
そして、4月10日の報告会。
一人一人、手順や写真を紹介しながらプレゼンしました。
毎日お仕事で忙しいご両親へ向けてなど、ご家族のためにチョコレートを作った生徒さんが多く、「お母さんはコーヒーが好きなので、コーヒーと一緒に楽しめるチョコレート」など、どんな味が良いか具体的に想像しながら作っていました。
印象的だったのは、生徒のみなさんの一工夫。型の代わりにプラスチックのスプーンに流し込み、スプーンの柄にメッセージを添えたり、チョコレートをトレイに薄く流して冷却した後カットしたり、余ったチョコレートでケーキを作ったり。一番難しかったチョコレートを液状化する「メランジング」の工程がうまくいかなかった生徒さんは、それをクッキー生地に練り込んでチョコレートクッキーにするという機転を効かせており、生徒さんの創造力に驚きました。
思った以上に大変な「カカオ豆の皮剥き」は途方に暮れながらも家族と一緒に協力してやり遂げるなど、「創造力とチャレンジする気持ち」を体感するのと同時に、家族内でのコミュニケーションも増えたのではないかと思います。
私はよくワークショップやインタビューでも話すのですが、チョコレートは、テンパリングというココアバターの「科学」、チョコレートの歴史から現在に至る「技術革新」、そしてその裏に潜む奴隷制度や児童労働などの「社会問題」・・・と様々な側面からアプローチすることが出来る、とても奥の深い食べ物です。
今回のようにフードプロセッサーやすり鉢で作るチョコレートはなめらかにならずじゃりじゃりになってしまいますが、普段食べるチョコレートはいかに技術の高いものなのか。また手作りのチョコレートはこんなに作るのが大変なのに、なぜ市販のチョコレートの多くはとても安価なのかなど、「食の背景」を考えるきっかけになっていただけると嬉しいです。
今回の授業では、生徒さんだけでなく、先生、クックパッドのメンバー、私も作り、それぞれ同じ目線でチョコレートを作る苦労や楽しさを共感出来たのも、いわゆる「学校の授業」を超えた経験になったと思います。
私が作ったチョコレートは、また次回製造工程含めてご紹介します。どんなチョコレートになったのか、お楽しみに!