クラフトチョコレート日記「ダンデライオン・チョコレート ラスベガス店」

ダンデライオン・チョコレートのTomoがお届けするクラフトチョコレート日記 第四弾。
今回は昨年オープンしたばかりの、ダンデライオン・チョコレート ラスベガス店について紹介いたします。

前回のクラフトチョコレート日記:チリ/サンチアゴ編 ・石川/金沢編島根/出雲編


“創業者のトッド・マソニスから「ラスベガスに店を開くことにしたんだ」って聞いた時には、かなり驚きました。ラスベガスと言ってイメージするのは、「豪華なショーやカジノ、様々なイベントが行われるエンターテイメント都市」。これまでダンデライオン・チョコレートがアメリカや日本でオープンしてきた場所とは、ずいぶん異なります。それだけに、どんな感じなのかと、とてもドキドキしながら出かけてきました。

訪問したのは、世界最大のエレクトロニクスショーであるCESの開催中である、1月7日(火)。ラスベガスは、全米はもとより世界中から集まる参加者で朝からごった返しています。いくつかの場所に会場が点在している上、ホテルのスイートルームでは各社がプライベートショーを開いているため、街中人でいっぱいです。

そんな一日が終わりかける18:00ごろに、お店に伺うことにしました。
ラスベガス店は、The Venetian というLas Vegas屈指のホテル内にあります。The Venetianのフロントは、天井が高く豪華な作りのイタリア寺院風のドーム。そこからカジノに至る通路沿いにお店はあります。


ベネチアンのドーム:イタリアの寺院風の荘厳な作りで、ラスベガス随一

 


CESの会場の一つSands Expo Centerとつながっていて、往来はひっきりなし


お店に到着するとGMのエイドリアンが、朗らかにお出迎えしてくれました。彼とは2019年9月にサンフランシスコで会って以来、2回目です。
白基調で作られた店舗は、バレンシアや蔵前とちょっと違う独特な雰囲気。店内に入ると、カジノの煌びやかな世界から一気に落ち着いた空間に切り替わります。


ファクトリー&カフェ蔵前やフェリーターミナルと同じPuddle 加藤 匡毅氏のデザイン
ラスベガス店のオープンは2019年12月7日(土)。ちょうど開店して1ヶ月ほど。エイドリアンに現在の売れ筋を聞いてみました。



チョコレートバー
: オープン以来様々なチョコレートバーが人気になり、売り切れ続出。今の売れ筋は ゴーラ・レインフォレスト, シエラレオネ 70% なんだとか。エンターテイメントの合間の一服にちょうどいいのかも。口に入れた時の味わいは、その時によって、きっとほろ苦くも、甘くもあるのでしょうね。





ギフト
:場所柄かギフト需要は多いそうです。現在人気なのは Three of a Kind。サウスサンフランシスコにあるTiny B Chocolateというチョコレートショップとのコラボレーション商品。ブリガデイロというブラジル生まれのお菓子です。チョコレート感満載のお菓子に出会えるのもある意味エンターテイメントの一つなのかもしれません。

 



ペストリー
:定番のペストリーに加え、ここラスベガスでも限定商品を用意しています。バナナブレッド、チョコレートムースそしてシトラスタルトがそれです。おやつや食後のデザートとして人気だそうです。甘さだけに頼らない上品な味わいは安定のダンデライオン・チョコレート流です。
今回は、シトラスタルトをハウスモカと一緒に頂きました。柑橘系の風味がアクセントになってなめらかな味わい。ハウスモカの苦さと相まってバランスが絶妙です。



左からルイス、エイドリアン(GM)、カリーナ

日本のお店の様子など話してひとしきりした頃、エイドリアンに開店してからこれまでにあったことについて、いくつか聞いてみました。まずは、嬉しかったことについて。
「嬉しかったことはたくさんあるよ。最近だと...そうだね、フランスから観光で訪れた女性の方が、チョコレートバーを試食した数日後、お店に立ち寄ってくれたんだ。「前に来て、とっても新鮮な味を体験できたの。お土産に買って帰るわ。」って、ギフトボックスを買って行ってくれたよ」

逆に苦労したことについても聞いてみることに。
「そうだね。例えばペストリーキッチンはまだ仮設なんだ。本格的なものが出来次第、メニューも増やしたいと考えているよ。また、ファクトリーが併設されているわけではないから、どうやったら僕たちのチョコレート作りのことをわかってもらえるか日々考えているんだ。
ミニメランジャーを置いて興味を持ってもらったり、スタッフからお客さんへの説明も大切にしているよ。
ラスベガスならではのことといえば、近所にあるお店が集まっていろいろなイベントをやっているんだけど、その中で互いのチョコレートショップをめぐるツアーがあるんだ。すごい人気で。今のところ隔週末開催なのでもっと頻度が増やせるようにしたいな。」

ふと日本でファクトリー&カフェ蔵前を開いた時のことを思い出しました。サンフランシスコのお店が持つチョコレート作りの様子やクラフトチョコレートの持つ世界観などを「どうやって表現していこうか」と、考えるエイドリアンの輝く目がとても印象的です。



白が基調のユニークな店内 


開店時間は朝6時。巨大なエンターテイメント都市で働く人の出勤時間です。
エイドリアンは「地元の人は、おいしいドリンクを飲んで1日頑張ろうという感じできてくれるんだ。その後徐々に観光やイベントで訪れる人たちが増え、ピークはお昼前後。ダンデライオン・チョコレートのことを知らない人たちも気軽に入って、Bean to Barを体験してくれるようにしているんだ。
午後から夜にかけてはカジノやショーに出かけたり戻ってきたりする人をもてなして...21時に閉店。ラスベガスは本当にいろいろな人が来てくれるから面白いよ。」

お店はオープンしたばかりでまだまだこれから。
この場所には年間で4000万人以上の方が訪れる上、この街の産業を支える人々(30万人くらいとも言われているそうです)が住んでいます。そんなユニークな環境で、クラフトチョコレート体験を楽しんでもらおうというわたしたちの試みも、エンターテイメントの一種として楽しんでもらえたら嬉しいです。
ラスベガスを訪れる機会がありましたらぜひ立ち寄ってみてください。店のスタッフに、「日本から来たよ」と声をかけていただけたら満面の笑みで迎えてくれるはずです!


Text by Tomo ”

 

2020年のクラフトチョコレート日記も世界中の様々な土地に出向き Bean to Bar チョコレートの最前線の情報をお届けさせていただきます。

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