自社製造のチョコレートとコーヒーで再構築。伝統菓子「オペラ」の開発裏話

ダンデライオン・チョコレート各店で2022年10月1日より販売している「オペラ」。この商品は、私たちの初めての試みとなる「チョコレートもコーヒーも自社製造」のペストリーです。

今回このオペラの開発を担当したペストリーシェフの森本康志と、カフェマネージャーでコーヒー豆のローストを担当した鏑木拓人に、開発秘話と商品に込めた想いを聞きました。


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「オペラ」とはどんなペストリー?

オペラは、フランス・パリにあるオペラ座をモチーフに、建物の構造を模したデザインと、重厚な味わいで表現されている伝統菓子。パリの老舗菓子店、ダロワイヨが1955年に考案したとも言われています。

ビスキュイ、コーヒー風味のバタークリーム、チョコレートガナッシュを何層にも重ね合わせた、コーヒーとチョコレートの濃厚な味わいと、層の断面が美しく高級感のあるイメージのペストリーです。

開発担当者2人が語る「ダンデライオン・チョコレートらしいオペラ」って?

写真:鏑木

ダンデライオン・チョコレートでは、今年からコーヒー豆の焙煎機を導入しました。自家焙煎のコーヒーをどう「ダンデライオンらしく」表現できるか、森本と鏑木で話し合って生まれたのがこの「オペラ」です。

森本:オペラは以前、表参道店でも販売していましたが、当時はカカオの産地を軸にした3種類のナッツ系のオペラでした。自家焙煎のコーヒーがあるなら、クラシックなオペラを作っても絶対においしいものができると確信し、原点回帰して開発に踏み切りました。

鏑木:これまでペストリーに合わせてコーヒーの開発をしたことはありましたが、今回のオペラではひとつのパーツとしてコーヒーがどのように顔を出すか、実際にオペラを試作するまでわからなかったので、そこからの微調整は難しくもあり、楽しかったですね。

ダンデライオン・チョコレートのオペラに込めたこだわり

ダンデライオン・チョコレートのオペラの構成は、ビスキュイ・ジョコンド※1、コーヒーバタークリーム、チョコレートガナッシュの順に重ね、最後に絞ったガナッシュの上にチョコレートをのせた、合計10層からなっています。

※1ビスキュイ・ジョコンド:卵黄と卵白を別々に泡立てる「別立て法」で作るアーモンド入りの生地のこと。しっとりとして香ばしく、適度な弾力がありバタークリームやムースの底生地として使用されます。

森本:ビスキュイ・ジョコンドには、自家焙煎したコーヒー豆をエスプレッソ抽出してシロップを作り、生地に染み込ませています。生地を咀嚼するたびにコーヒーのニュアンスがしっとりエレガントに口のなかで広がります。

バタークリームは、パータ・ボンブ※2とイタリアン・メレンゲ※3で濃厚さと軽さを加え、同じくエスプレッソ抽出したコーヒーを加えています。
※2パータ・ボンブ:卵黄に加熱したシロップを加えて泡立てたもの。
※3イタリアン・メレンゲ:卵白に加熱したシロップを加えて泡立てたもの。

森本:バタークリームが分離しないギリギリまでコーヒー液を加えています。糖分も加わることで、コーヒーの風味とボディがしっかりと感じられます。

チョコレートガナッシュに使用したのはドミニカ共和国産のカカオ。さまざまなペストリーとの相性が良いドミニカ共和国産カカオ70%のチョコレートを、まろやかでなめらかな味わいに仕上げています。

森本:ドミニカ共和国産カカオは広く雄大な印象があります。なめらかで優しいガナッシュが、ビスキュイのシロップとバタークリームに注入されたコーヒーのニュアンスを受け止め、繋ぎ合わせてくれるようなイメージで組み立てました。

一番上の薄いチョコレートがパキッと割れ、なめらかなガナッシュとしっとりとした層が現れる、フォークを入れた瞬間からワクワクするオペラ。口に入れると、ガナッシュが自家焙煎コーヒーのフレーバーを優しく引き出し、余韻までコーヒーの果実味が残ります。

森本:本来オペラは7層で構成されていて、表面はグラサージュ※4になっているので、言ってしまえばオペラではないんです。
※4グラサージュ:ケーキやムースの表面に艶や光沢を出すためにかけるコーティング

ただ、僕のなかでオペラを再定義した結果が今回のもの。オペラを構成している要素は合っているし、グラサージュが「艶、輝き」であるならば、一番上にのせたチョコレートは正々堂々十分に艶めいて輝いていると思っています。ダンデライオン・チョコレートが「オペラ」を翻訳すると、こんな意味合いや表現ができるな、という遊び心を持ちながら考えました。

チョコレートと一緒に楽しむための自家焙煎コーヒーが決め手

今回使用したコーヒー豆はコロンビア産のもの。ローストを担当した鏑木は、新卒でコーヒーの輸入卸会社に就職しスペシャルティコーヒーに触れ、その後大手コーヒーチェーンでバリスタとして従事しながら、トレーナーとしてバリスタの育成も担当してきました。

鏑木:オペラに使用したコロンビア産のコーヒー豆は、プラムのような果実味があります。ドミニカ産カカオとバタークリームのコクに調和するように、酸味とロースト香のバランスを考慮して焙煎を工夫しています。
今回オペラに使用したコーヒー豆は、ダンデライオン・チョコレート各店で販売している「プアオーバー」にも使用しています。

鏑木:コーヒーそのもののおいしさはもちろんですが、期間限定のペストリーを引き立て、ペアリングすることで季節感を感じてもらえるように意識しました。ぜひオペラと一緒に召し上がっていただけると嬉しいです。

森本:カカオ豆から作ったBean to Bar チョコレートと、自家焙煎のコーヒーを使ったオペラは見たことがないんじゃないでしょうか。このオペラには「美味しい」の理由になるストーリーがたくさん含まれています。「ダンデライオン・チョコレートっておもしろいな」って感じていただけるんじゃないかと思います。

フランス菓子の定番であるオペラは、一度は食べたことのある方も多いはず。今回は、ダンデライオン・チョコレートだからこそ表現できる、クラフトのエッセンスが詰まったオペラになりました。

「オペラ」はダンデライオン・チョコレート各店で11月30日までの期間限定販売です。ぜひ自家焙煎のプアオーバーと一緒にお召し上がりください!

 


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