国の主要産業は米、コーヒー、カシューナッツ、ブラックペッパー、ゴムなどの農林水産業で、その中でカカオは約4,000トン、世界の生産量の約0.1%ほどです。
ベトナムにカカオが伝わったのは、1800年代のフランスからと言われています。1882年にフランスがハノイを占領し、1884年にはベトナムがフランスの保護国となり実質的な植民地となります。当時カカオは高価に取り引きされていたため、フランスは植民地であるベトナムに大規模なカカオ農園をつくり、生産体制を拡大しようとしていました。しかし、想定以下の品質のものしかできず、カカオ農園はそのまま置き去りにされてしまいます。
その後1980年代にはソ連の支援を受け大規模なカカオ農園が再度増加しますが、ソ連崩壊後は買い手が激減し、ベトナムのカカオ生産は再度困難な状況に陥ってしまいます。
2000年代になると米国のSUCCESS Allianceなどの投資の元、ベトナムに残る小規模カカオ農家への技術支援や生産・輸出体制の強化に乗り出します。
このようにベトナム産カカオは歴史や社会事情に振り回されながらも、今も残る農家たちによって大事に守られてきました。南北に長くのびる地形からも、生産地によってフレーバーが大きく異なるカカオ豆には、今や多くのBean to Bar チョコレートメーカーが注目しています。また、フランスの影響を色濃く残すベトナムならでは、暑い国でもチョコレートは受け入れやすく、ベトナム産カカオに特化したチョコレートメーカーが多いのも特徴です。