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カカオの生産地を知ろう(ベンチェ, ベトナム)

ベンチェ, ベトナム 70%

生産者:Marou
生産国:ベトナム
地域:ベンチェ

事業形態:ベトナム国内の農家と直接取引を行うチョコレートメーカー
カカオ豆:生産組合で栽培、発酵、乾燥したカカオ豆を購入
発酵方式:並べた木箱
乾燥方法:メッシュの乾燥台
カカオ豆のフレーバー:砂糖がけした生姜、糖蜜、アップルサイダー

ベトナムはどんな国?

ベトナム社会主義共和国は、インドと中国の間、インドシナ半島東部に縦に細長くのびる東南アジアの国。北は中国、西はカンボジアとラオスに接しています。

国土の面積は約32.9万㎢(日本の0.88倍)で、人口は9,646万人(2019年)。現在多くの日本企業も進出し、急激な経済発展を遂げている新興国のひとつです。

 

ベトナムは、北部、中部、南部の3つの区域に分かれていて、北部には政治・文化の中心である首都ハノイ、中部にはリゾート地として人気の高いダナン、南部にはベトナム最大の商業都市ホーチミンがあります。

 

公用語はベトナム語。「ベトナム」という国名は「越(ベト)」「南(ナム)」の意味で、19世紀初めに誕生したベトナム最後の王朝・グエン朝が全土を統一した際に「越国南方の地」と称したとされています。

このようにベトナム語の単語の多くは漢字をベトナム式に読んだもので日本語の音読みに近く、日本人には学習しやすい外国語のひとつと言われています。

ベトナムのカカオ事情

国の主要産業は米、コーヒー、カシューナッツ、ブラックペッパー、ゴムなどの​​農林水産業で、その中でカカオは約4,000トン、世界の生産量の約0.1%ほどです。

 

ベトナムにカカオが伝わったのは、1800年代のフランスからと言われています。1882年にフランスがハノイを占領し、1884年にはベトナムがフランスの保護国となり実質的な植民地となります。当時カカオは高価に取り引きされていたため、フランスは植民地であるベトナムに大規模なカカオ農園をつくり、生産体制を拡大しようとしていました。しかし、想定以下の品質のものしかできず、カカオ農園はそのまま置き去りにされてしまいます。

 

その後1980年代にはソ連の支援を受け大規模なカカオ農園が再度増加しますが、ソ連崩壊後は買い手が激減し、ベトナムのカカオ生産は再度困難な状況に陥ってしまいます。

 

2000年代になると米国のSUCCESS Allianceなどの投資の元、ベトナムに残る小規模カカオ農家への技術支援や生産・輸出体制の強化に乗り出します。

 

このようにベトナム産カカオは歴史や社会事情に振り回されながらも、今も残る農家たちによって大事に守られてきました。南北に長くのびる地形からも、生産地によってフレーバーが大きく異なるカカオ豆には、今や多くのBean to Bar チョコレートメーカーが注目しています。また、フランスの影響を色濃く残すベトナムならでは、暑い国でもチョコレートは受け入れやすく、ベトナム産カカオに特化したチョコレートメーカーが多いのも特徴です。

マルゥについて

マルゥを創業したのは、ベトナムを旅行中に出会った2人のフランス人、ヴィンセント・モローとサミュエル・マルタです。2人はカカオ農園を訪れた際にその品質に魅了され、2011年にカカオサプライヤー兼チョコレートメーカーを立ち上げます。ちなみに「マルゥ(Marou)」は2人の苗字から名付けられています。

 

マルゥでは現在ダクラック、ラムドン、ドンナイ、バリア、ティエンジャン、ベンチェの6つの産地のカカオ豆を取り扱っています。彼らは小規模のカカオ生産者たちと関係を構築し、各地域で栽培、発酵、乾燥まで行ったカカオ豆を市場価格よりも高く仕入れ、それらを産地ごとにブレンドすることで、味わいや品質を安定させて出荷しています。

 

また、彼らのチョコレートブランドMarou Faiseurs de Chocolatでは、この6つの産地カカオの違いが分かるシングルオリジンチョコレートの他、現地で採れるココナッツシュガーやスパイスなど、ベトナム産の材料だけでチョコレートを作ることにこだわっています。

 

マルゥのウェブサイトには、彼らのカカオ豆について更に詳しい情報を盛り込んだソーシングレポートがあるので、ぜひご覧ください。

マルゥが目指すカカオ農園

マルゥのチョコレートメーカーとしての人気は年々高まり、生産量も増加したため2017年に新しい工場を建設しています。生産量が増加するということは、使用するカカオ豆も増えるということ。また、ダンデライオン・チョコレートのようにマルゥからカカオ豆を購入することにより、カカオ豆の使用量はさらに増加します。マルゥ自身の成長が、カカオ農家の生活安定やカカオの品質向上に繋がっていると言えます。

 

マルゥのチョコレートを食べると、ベトナム産カカオと一言で言っても地域によって様々なフレーバーの違いがあることに気づかされます。マルゥはチョコレートメーカーとしてだけでなくカカオサプライヤーとして高品質のカカオ豆を市場に紹介することで、ベトナム産カカオの新たな可能性を広げています。



ベトナムのBean to Bar チョコレートメーカー

MAROU FAISEURS DE CHOCOLAT 
ベトナム産カカオに特化したBean to Bar チョコレートメーカー。ベトナム産カカオとココナッツシュガーのみのシングルオリジンチョコレートと、ベトナムの素材を使用したフレーバー系のチョコレートを楽しめます。日本での購入先はこちら

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ベンチェ, ベトナム 70%

ベトナム南部最大の都市ホーチミンから南西約86kmに位置する、ベンチェ省のアグリフォレスト農園でヤシの木陰を利用して作られたカカオ豆を使用しています。自然豊かな美しい生態系と土地に育まれたカカオ豆の香りは格別です。フルーティーな浅煎りのコーヒーとよく合います。

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