━ 伊勢角屋麦酒として、これから挑戦したいことはありますか?
山宮:そうですね、社長は世界征服!と言っているんですが(笑)、僕は世界の品評会など公の評価でトップになること、そしてアジアへの進出ですね。クラフトビールはアメリカではいまだに増えていますが、アジアはようやく浸透してきて、作り手も増えてきたところです。アジア各国と一緒に、この業界を盛り上げていきたいですね。
物江:ダンデライオン・チョコレートも世界中にクラフトチョコレートが広がるように、という想いでアメリカから日本に進出したので、気持ちは同じですね。業界の規模は違いますが、もっと日常的に味わえるものになると良いですよね。
山宮:今はさまざまな種類のクラフトビールが増えてきています。今回作った「ペイストリースタウト」と呼ばれるスイーツのようなビールも人気ですし、酸味のあるもの、アルコール度数の高いもの、トロピカルなニューイングランドタイプなど、これまでのビール=アルコール度数が低い、甘くない、というものから多様化してきています。
物江:ビール自体は確立されているので、どんどん派生型が増えているんですね。伊勢角さんは日本のクラフトビール業界のなかでは規模の大きいほうだと思いますが、何というか、「メジャーインディー感」みたいなイメージですよね。ダンデライオン・チョコレートもそうなりたいな、と思うんですが。
山宮:ありがとうございます。昨年から缶ビールを製造するようになって、より多くのお客さまに手にとっていただける機会が増え、ブランド自体は確立されてイメージも表現できているなと感じています。ただ、反対にものづくりの根幹というか、足元が浮ついてこないか、若干不安になることもあります。ものづくりに徹底してこだわる限定醸造のビール作りや、他のブルワリーやクラフトメーカーとのコラボレーションによって、新たな刺激も取り入れていきたいと思っています。
物江:自分たちだけではできないことを一緒にやってくれるクラフトのパートナーがいるっていうのは心強いですよね。こういったコラボレーションによって、クラフト業界がより一層盛り上がるといいなって思います。