【開発秘話】ヒントはお菓子の作り方にあり コラボレーションビール「Chocolate Brownie Stout(チョコレートブラウニースタウト)」

今年も、伊勢角屋麦酒とのコラボレーションビールを発売します!昨年の「チョコレートブラウニースタウト」をアップデートした今年のビールは、2回目ならではの取り組みにより、さらにおいしく生まれ変わりました。

今回は、このビールの商品化までの道のりや今後の挑戦について、開発を担当した伊勢角屋麦酒ブルワー 山宮拓馬さんと、ダンデライオン・チョコレート 物江の対談をお届けします。

 

伊勢角屋麦酒

天正3年(1575年)に舟着場の茶店として創業。大正時代には味噌・醤油づくりを始め、その醸造技術を活かして1997年にクラフトビール業界に参入。「伊勢から世界へ」を合言葉に国内外に多くのファンを持ち、世界中のビールコンペティションで金賞を受賞している、日本を代表するクラフトビールメーカーです。

伊勢角屋麦酒 チョコレートブラウニースタウト

ダンデライオン・チョコレートのベリーズ産カカオのカカオニブとチョコレートを使用したペイストリースタウト。

黒色モルトの比率を抑え、ミューニックモルト・クリスタルモルト・オーツモルトをバランスよく配合することで、まろやかな味わいで、チョコレートフレーバーやトフィー・レーズンといった濃色モルトの特徴がよく現れたインペリアルスタウトをベースとしています。

お菓子作りをヒントにした今年の「チョコレートブラウニースタウト」

伊勢角屋麦酒ブルワーの山宮拓馬さん(左)と、ダンデライオン・チョコレートの物江(右)。山宮さんはもともとビールが好きで、大衆品にはないこだわりや価値観が込められているクラフトカルチャーにも興味があったことから、伊勢角屋麦酒に入社したそうです。


━ 今回はどんなビールを作ろうと考えていましたか?

山宮:昨年の「チョコレートブラウニースタウト」は、チョコレートブラウニーをイメージした、スイーツのようなビールでした。今年も同じ方向性で進めることにしましたが、レシピは昨年の結果を踏まえて改良し、よりチョコレートらしさを出すようにしました。

物江:ダンデライオン・チョコレートのスタッフからも、昨年のビールは大好評でした。僕たちのブラウニーを再現したような濃厚な味わいで、カカオニブの苦味もあっておいしい、という声が多かったです。

山宮:ありがとうございます。昨年のものはチョコレート感はありましたが、今年はもう少しカカオニブの香りを出したいと思っていました。そこで物江さんに相談したところ、カカオニブを液体と一緒に温めたほうが香りが移る、と教えていただきました。今回はその手法をビール作りにも応用しました。

物江:ダンデライオン・チョコレートのお菓子作りで実際に行っているやり方がヒントになりましたね。カカオニブで香り付けしたパンナコッタを数パターン作って、それを伊勢角さんに検証していただきました。

山宮:みんなで実際にテイスティングして、製造工程を見直しました。前回はビール作りのセオリー通り、発酵が終わったビールにチョコレートとカカオニブを入れて香り付けしましたが、今回は発酵前の仕込み段階で、2回に分けてカカオニブを入れることにしました。1回目は麦汁を濾過する際、麦芽槽の中にカカオニブを入れて、2回目は麦汁が出来上がった最後の最後、酵母を投入する直前に、温めた麦汁にカカオニブを混ぜ、後から冷やした麦汁を加えて急冷して、香りを引き出したあとに発酵タンクに移しました。

カカオニブを投入する物江。

物江:1回目は手探りの部分もありましたが、2回目だからこそ、お互いアイディアを持ち寄って実現できましたよね。この先も色んなことに挑戦したくなるような作戦会議ができて、良い関係性が築けたと思います。

開発者の「好き」や挑戦が詰まったビールと、意外なペアリング

出来上がった麦汁を注ぐ山宮さん。通常のビール作りでは、麦汁の濾過、煮沸、煮詰める工程はバラバラに行いますが、今回は糖度を上げるために、麦汁を濾過した段階から煮詰めています。しっかりと煮詰められた麦汁はとっても甘くなりました!

━ 今回選んだカカオの産地は、前回と同じベリーズですが、何か理由はありますか?

山宮:ベリーズ産カカオの香りが好きだから、という単純な理由です(笑)。フレーバーノートにストロベリーチーズケーキ、とありますが、いちごの香りやこってりとした脂感を感じました。僕はホップもストラータ品種といういちごの香りがするものが好きなんです。

物江:個人的には伊勢角さんとコラボするのはもちろん、山宮さんとやるのが楽しかったですね。本人の好きなものが詰まったものが商品になるって、愛情が込められていてすごく素敵だと思います。

山宮:この1年はハイアルコールビールにも多く挑戦しました。伊勢角では飲みやすい適度なアルコール度数のビールが多いんですが、実績を積むことができ、今回はアルコール度数9%の飲みごたえのあるビールになったと思います。

物江:アルコール度数が高いので、甘いものとの親和性が高そうですよね。

山宮:そうですね、ダンデライオン・チョコレートのマヤ・マウンテン, ベリーズ 70%のチョコレートバーはもちろん、ペストリーとも合わせてみていただきたいです。あと、伊勢角はもともと二軒茶屋餅角屋本店というお餅屋さんから生まれたんですが、この二軒茶屋餅のくろあんも、とても合うんですよ。

物江:和菓子とも合うんですね、それはぜひ買って帰らないと(笑)。

これからのクラフトビールと伊勢角屋麦酒のものづくり

━ 伊勢角屋麦酒として、これから挑戦したいことはありますか?

山宮:そうですね、社長は世界征服!と言っているんですが(笑)、僕は世界の品評会など公の評価でトップになること、そしてアジアへの進出ですね。クラフトビールはアメリカではいまだに増えていますが、アジアはようやく浸透してきて、作り手も増えてきたところです。アジア各国と一緒に、この業界を盛り上げていきたいですね。

物江:ダンデライオン・チョコレートも世界中にクラフトチョコレートが広がるように、という想いでアメリカから日本に進出したので、気持ちは同じですね。業界の規模は違いますが、もっと日常的に味わえるものになると良いですよね。

山宮:今はさまざまな種類のクラフトビールが増えてきています。今回作った「ペイストリースタウト」と呼ばれるスイーツのようなビールも人気ですし、酸味のあるもの、アルコール度数の高いもの、トロピカルなニューイングランドタイプなど、これまでのビール=アルコール度数が低い、甘くない、というものから多様化してきています。

物江:ビール自体は確立されているので、どんどん派生型が増えているんですね。伊勢角さんは日本のクラフトビール業界のなかでは規模の大きいほうだと思いますが、何というか、「メジャーインディー感」みたいなイメージですよね。ダンデライオン・チョコレートもそうなりたいな、と思うんですが。

山宮:ありがとうございます。昨年から缶ビールを製造するようになって、より多くのお客さまに手にとっていただける機会が増え、ブランド自体は確立されてイメージも表現できているなと感じています。ただ、反対にものづくりの根幹というか、足元が浮ついてこないか、若干不安になることもあります。ものづくりに徹底してこだわる限定醸造のビール作りや、他のブルワリーやクラフトメーカーとのコラボレーションによって、新たな刺激も取り入れていきたいと思っています。

物江:自分たちだけではできないことを一緒にやってくれるクラフトのパートナーがいるっていうのは心強いですよね。こういったコラボレーションによって、クラフト業界がより一層盛り上がるといいなって思います。

気が早いですが、次回に向けてやってみたいことはありますか?

山宮:今回のビールが出来上がったばかりであまり想像できないですが・・・伊勢角にはバーボンに使われていた樽もあるので、これで何かやるのもいいかな、なんて思います。

物江:次回は3回目になるので、回を重ねたからこそできる良さを出したいですね。一緒に長く続けて行けたら嬉しいです。山宮さん、まずは蔵前にも遊びに来てくださいね!

山宮:本当ですね。今度は僕が工場見学させていただきます!

 

「チョコレートブラウニースタウト」はオンラインストアでも販売中です!この機会にぜひお試しください。

伊勢角屋麦酒 チョコレートブラウニースタウト

ダンデライオン・チョコレートのベリーズ産カカオのカカオニブとチョコレートを使用したペイストリースタウト。

黒色モルトの比率を抑え、ミューニックモルト・クリスタルモルト・オーツモルトをバランスよく配合することで、まろやかな味わいで、チョコレートフレーバーやトフィー・レーズンといった濃色モルトの特徴がよく現れたインペリアルスタウトをベースとしています。


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