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【インタビュー】チョコレート・プロダクション 海老沢めぐみ

先日より「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」のハーベストイヤー(収穫年)が2016年から2017年に切り替わりました。今回プロファイルを行なったのは、製菓・カフェの専門学校ビジョナリーアーツ ショコラ専攻を卒業後、2017年3月よりチョコレートチームで働く海老沢めぐみ。
発売を記念して海老沢さんにインタビューを行いました。


海老沢さん



- 海老沢さんが初めてプロファイルを行なったチョコレートバー、2017年ハーベストの「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」の販売が始まりました。チョコレート開発についてはもちろん、海老沢さんについてもいろいろ教えてください。よろしくお願いします。
入社して今は...

海老沢:1年半がたちました。


- 入社する前は学生でしたよね?

海老沢:そうなんです。ビジョナリーアーツという専門学校に通っていました。実は最初は進学を考えてなかったんです。でも、いざ仕事を探していくってなると「好きなことじゃないと続けて行く自信がない」と感じて。昔からパンやケーキ、食べることも好きだったので、そこから製菓学校を調べ始めました。
ビジョナリーアーツのオープンキャンパスに行った時、Bean to Barのテイスティングクラスに参加させてもらいました。面白かったです。 元々はパンの勉強をしたいと思っていましたが、ショコラ専攻にはパンのクラスもあると聞いて...笑。


- それで、ショコラ専攻を選んだんですね。笑
オープンキャンパスでBean to Barのテイスティングクラスがあるなんて面白いですね。チョコレートについてしっかり知識をつけた後は、やはりチョコレートの会社への就職を考えたんでしょうか?

海老沢:はい。最初はボンボンショコラなどを作っている会社を受けました。なかなか簡単には行きませんでした。学校は大手のホテルや製菓メーカー(チョコレートではない)の製造部門を勧めてくれましたが、せっかく勉強したので、チョコレートを作るお店に行きたいと思ってました。
あ、あと、欲張りなので美味しいお店じゃないと働きたくなかったんです。
ビジョナリーアーツが運営しているgreen bean to bar CHOCOLATEとダンデライオン・チョコレートのどちらかに入りたいと思っていましたが、「もしダメなら一層全く違う仕事で」と、お花屋さんも考えていました。


入社したばかりの頃



- 「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」は、蔵前がオープンして間もなく製造されたオリジンで、2015年、2016年ハーベストのチョコレートがすでに販売されています。今回の2017年は今までと違った味わいだなと感じました。生豆の味も違いましたか?

海老沢:生豆は、そこまで変わった印象はありません。フルーティーな発酵の匂いがしました。
開発するのが初めてだったので、2015年、2016年の「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」のプロファイラーであるトレバーにサポートしてもらいながら始めました。
1回目のテストバッチでは、2015年のストロベリージャムのような味わいが感じられ、とても美味しかったです。トレバーはストロベリーのようなフレーバーを持つ「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」のチョコレートが大好きなんです。なので、どうしてもそれを生かす方に向いてしまって...。
それで、2回目のローストテストの時に気づいたんです。わたしも2015年の味わいはとても好きでまた食べたいと思っていましたが、2017年の「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」の開発者はわたしです。だからこそ、流されずに自分の中ではっきりした道筋を見つけなければならないと思いました。


- そこから変わったんですね。

海老沢:はい。3回目のテストバッチを行う際に、意見をはっきり伝えるようにしました。
トレバーがプロファイルを行なった2015年と2016年のデータも参考にして、ローストの温度・ガスや風の量の調整を行いました。フレーバーノートと見比べながら、必要のない味、目指したい味を共有して進めました。トレバーも徐々にわたしの意思を尊重してくれるようになって。
その時できたテストバッチの中に、ストロベリーの味わいを残しつつチーズ感があるフレーバーのチョコレートがあって、それがすごく美味しかったんです。味の方向性が決まりました。
4回目、最後のテストでは、いらない味をそぎ落とすことにしました。
結果、クリームチーズケーキのような味わいとストロベリーのフレーバー両方を残すことができました。チョコレートっぽさもきちんとあって、「マヤ・マウンテン, ベリーズ 」の新しい味わいができたかなと思っています。


最近はワークショップのインストラクターとしても活躍中



- 海老沢さんが目指した味が実際に形になったんですね。

海老沢:はい。「マヤ・マウンテン, ベリーズ」の良さを残しつつ食べやすい。多面的で変化を楽しめるチョコレートになりました。


- ダンデライオン・チョコレートではプロファイラー以外に他のチョコレートメーカー、バリスタ、ペストリースタッフ、HQ(オフィススタッフ)もテイスティングを行い、味の方向性を決めています。開発中に感じたことはありますか?

海老沢:当たり前ですが、テイスティングしてくれた人の中には、わたしと好みが似ている人もいれば、全く違う人もいました。好みが近い人は不思議と同じところが響きます。じゃあ、好みが違う人はわたしが作る味が苦手なのか?と言ったら、そうではありません。「この味わいが美味しいよね」って、チョコレートの中にある別のフレーバーでお気に入りを見つけて、そこを伝えてくれるんです。チョコレート自体は1つですが、フレーバーの変化がしっかりと出ているので、わかりやすいのかな。味わいの変化が多い、表情が豊かなチョコレートならではだと思っています。


- 最後に一言メッセージをお願いします。

海老沢:他の人と同じになっちゃうんですけど。
わたしは、元気のない時にチョコレートを食べると元気が出るし、疲れた時はホッとするので、そんな風に「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」を食べて、リラックスして欲しいなぁって思います。
マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」をよろしくお願いします。




愛らしいキャラクターでダンデライオン・チョコレートスタッフをいつも癒してくれる海老沢さん。カカオに対する真摯な姿勢、開発中にも気づき成長をする彼女の今後が楽しみです。
海老沢さんが初めて開発を行なった「マヤ・マウンテン, ベリーズ 70%」は、現在店頭やオンラインストアでお買い求めいただけます。
ぜひ感想をお聞かせください。
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