7月からサンフランシスコ(SF)と日本のスタッフを交換し、お互いの店舗で働くことを通して学び合う'Exchange Program”をスタートさせました。今年は1ヶ月間のスケジュールで開催し、当事者であるスタッフの異文化理解や成長だけでなく、受け入れ側との化学反応や、今後ダンデライオン・チョコレートでより積極的に活躍するための方向性や指針を見つけてもらうことを目的としています。
現在、日本からはバリスタの遠藤くんとチョコレートメーカーの真理子さんが、SFからはバリスタのBrandonさんとチョコレートメーカーのEricさんが研修中です。
SFのカフェで奮闘中の遠藤くんから滞在の様子が届いたのでご紹介させていただきます。
遠藤くんはダンデライオン・チョコレート・ジャパンの創業時から参加したスタッフの1人です。もともとバリスタとしての経験が豊富だった彼は、当時まだ20代前半ながら蔵前のチームを引っ張る存在でもありました。
昨年12月に伊勢外宮前店をオープンした際には、彼にとっては無縁の地にも関わらずオープニングスタッフに立候補し、新しいスタッフへの技術的な指導はもちろん、ブランドの想いを伝えたり、日々の仕事に取り組んでくれていました。そして、5月からは内宮POP-UPの責任者を任せられるほどに。
今までの彼の功績と今後の伸び代を期待し、50名近くのスタッフの中からExchange Programに派遣することが決まりました。
遠藤くんにとってアメリカを訪れるのは今回が初めて。現地に到着してから間もないですが、真っ黒に日焼けし、慣れない英語で積極的にコミュニケーションをとる様子からも、日々大きく成長しているように感じます。
今回の研修では、日常から仕事観まで、たくさんの刺激を受けているとのこと。現在の様子を聞くとこんな答えが返ってきました。
「こんにちは。遠藤です。
今、SFミッション地区にあるダンデライオン・チョコレートのファクトリー&カフェでSFチームと共に働いています。
お近くにお住いの方はこの機会にぜひ僕の作るドリンクを飲みに来てください!
こちらに来て数日の間に、まず驚いたのがSFの人々の食に対する関心の高さです。
毎週土曜日にFerry Buildingと言う商業施設の前で、ファーマーズマーケットが開催されています。また、周辺のスーパーもオーガニックにこだわった商品を取り扱うところがほとんどです。
野菜ひとつにしてもファーマーズマーケットに出向き、生産者に直接話を聞き、自分の目で確かめて買うという習慣が根付いていることが、意外でした。
また、SFのお客さまは気になったことはどんどん質問します。「(カカオの苗の鉢を指して)これはカカオ?」といったことから、製造工程やソーシングについてなど大小さまざまです。ワークショップも毎回満席と大変な人気です。
さらに近所のグロッサリーストアやカフェなどさまざまな場所で僕たちのチョコレートバーが販売されていたり、クラフトフードが生活に密接に結びついていると感じました。
クラフトチョコレートメーカーで働く僕としては、帰国した際には日本のスタッフはもちろん、伊勢外宮前店にお越しいただくお客さまにこのムーブメントを伝え、広めていきたいと思っています。」
遠藤くんは今もなお、Bean to Barをはじめとするクラフトフードを支える西海岸のカルチャーを、思う存分体感しているようです。
遠藤くんは現在社員として、伊勢外宮前店のバリスタチームをまとめるサポート役も担っています。そんな彼にとって、より質の高い接客をするためのチームビルディングやマネージメントは目下の関心事です。
「日本にも度々訪れているSFのペストリーシェフ リサと僕の意外な関わりについてご紹介したいと思います。
ダンデライオン・チョコレートには、カフェ、チョコレート、ペストリー、HQ(オフィス)の4つのチームがあります。それほど大きな会社ではないので、異なるチーム同士のコミュニケーションも密接に行われていますが、他のチームの人間と一緒に仕事をする機会はそれほど多くありません。
しかし、現在僕の直属の上司はリサ。実は、彼女はペストリーシェフだけではなく、カフェマネージャーも兼任しているのです!この人事については日本の環境に慣れた僕にとって、大変新鮮でした。
カフェとペストリーという性格の異なるマネージメントを行うリサから学ぶことは山ほどあります。
例えば、サービスに重点を置くカフェにとって、チーム作りは重要です。他のチームは隔週でミーティングを行いますが、カフェチームは毎週の定期ミーティングはもちろん、それ以外にも必要に応じて行っています。それだけチーム内のコミュニケーションを大切にしているのです。
一方、ペストリーは'質”に影響を与えるセクションです。そのため、毎日の品質管理を怠りません。」
全てのチームの足並みを単純に揃えるのではなく、チームごとの特色を捉え必要なことを柔軟に取り入れていくのは、わたしたちの会社の特色かもしれません。
バリスタ 遠藤くん
最後に遠藤くんは以下のように話してくれました。
「まだまだ慣れないことばかりで勉強の毎日ですが、ペースが掴めてきたら僕も日本で身につけて来たことをSFのスタッフに共有していきたいと思います。
日本は素晴らしいおもてなしの心を持っています。
そしてSFにはエンターテイメントの精神があります。店内で好きな音楽がかかると踊ったり、音楽が止まると歌い出したりします。自由ですよね。笑
そんなスタッフを見ていると、僕も楽しくなってきます。SFでは'楽しむ'ということを共通して大切にしているのがわかります。
この2つが混ざり合うことで、他のどの場所にも似つかない、僕たちのオリジナルの色を出していけると確信しています。あと3週間、サンフランシスコで“良い”と思えるものを日本に持ち帰ることを目標に頑張ります。 」
SFと日本にそれぞれチームがあり、お互いに協力し、良い影響を与え合おうとするカルチャーは、わたしたちの強みでもあります。
研修も残り2週間、さらに一回り成長した遠藤くんの帰国を楽しみにしつつ、日本にいるわたしたちも負けずにBrandonさんやEricさんから学びを得ることができる日々を大切に過ごしたいと思います。