【インタビュー】サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国70% (2017HARVEST)

「サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国 70%」のハーベスト(収穫年)が2015年から2017年に変更になりました。
わたしたちはハーベストが違うカカオ豆が入った際も、新しい産地のカカオ豆の開発同様、プロファイルを1から行います。
2017年ハーベストの「サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国」のローストプロファイルは、2015年のプロファイラー古野真理子に代わり、チョコレートメーカーの岡麻衣子が担当しました。
(古野真理子のインタビューはこちら)


チョコレートは未知の世界だった

Q:店頭ではすでに2017年ハーベストのチョコレートバーが並んでいますね。
まずは、岡さんについて少し教えてください。最初からチョコレートメーカー希望ではなかったと聞きました。

岡:初めはペストリーを希望していました。わたしが応募したときはペストリーはすでにいっぱいだったみたいで、チョコレートメーカーを勧められました。
チョコレートは全く未知の世界って感じで。でも...新しいことを始めるのはやりがいがありますよね。いい機会だと思い、飛び込みました。




Q:岡さんは3人のお子さんを持つ“母”でもあります。ここに来る前は何をされていましたか?

岡:お菓子を作るのがもともと好きで、自己流ですが...よく作っていました。自分のウエディングケーキも作ったんですよ。
子供の幼稚園のバザーにお菓子を出したのがきっかけで、2年半自宅でお菓子教室を開催していました。ここに来る前はケーキ屋さんで働いていました。


Q:岡さんはここで働く前まではチョコレートにはあまり詳しくなかったとのことですが、個人的にも小笠原やインドネシアの生産者を訪れたり、カカオコミュニティに参加されたりとすごくフットワークが軽いなって思っていました。

岡:ダンデライオン・チョコレートに来る前はこんなに軽くはなかったんです。笑
チョコレートは、やり始めると奥が深くて。
収穫年によっても、カカオ豆からチョコレートになるまでの段階でも、風味が変わります。Chocolate 101のインストラクターを担当したのをきっかけに、豆の生産や発酵にも興味を持ちました。
スタッフはみんな美味しいものが大好き。食に関心が高い人が多いので、チョコレートに関する活動も活発になりましたね。 テイスティングのワークショップに参加したり、色々なお菓子を食べ比べたり、味覚と視野が養われます。 本当にいい環境です。




2017年ハーベストはオレンジヨーグルトみたいな味

Q:岡さんと古野さんが開発したのは同じ「サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国」の豆ですが、ハーベストが違います。ハーベストの違いってそんなにわかりやすいものなのでしょうか?

岡:ソーシングディレクターのグレッグは2015年の収穫のものとそれほど味が違わないと言っていましたが、いざテストバッチのテイスティングを行なったら全然違って。2017年ハーベストはオレンジヨーグルトみたいな味でした。




Q:岡さんが目指したのはどんなチョコレートですか?

岡:2015年ハーベストに近い味(ローストしたアーモンドやブラウニー、焙煎したてのコーヒーのような後味)にすることもできましたが、トレバー(サンフランシスコからきたチョコレートメーカー)と他のラインナップも考えながら、オレンジヨーグルトのイメージに近づけていきました。ハーベストの違いを楽しんでもらえたら嬉しいです。 


Q:ダンデライオン・チョコレートではプロファイラーが毎回変わります。2017年ハーベストの「サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国 70%」は岡さんが担当されましたが...。

岡:どんな人でもプロファイルをやらせてもらえるのは素敵だと思います。一般的な会社ですと、開発部門があってそれ以外の部署の人は開発ができないことが多いのではないでしょうか。開発が行える機会がスタッフ全員にあると言うのは珍しいですよね。


Q:ハーベストの違うカカオ豆からチョコレートを開発するのは、ダンデライオン・チョコレート・ジャパンでは岡さんが初めてです。開発の難しさはありましたか?

岡:生産する場所によっても味か変わります。
テストはファクトリー&カフェ蔵前で、生産は本所ファクトリーで行いました。本所では同じ作り方をしたのに、オレンジヨーグルトの味が薄れてしまいました。オレンジヨーグルトの味を本所ファクトリーでどう表現するかが難しかったです。




Q:おすすめの食べ方はありますか?

岡:1ピースで満足できるチョコレートだと思います。
「食べるぞ」って思ってゆっくり味わって食べるのがわたしのおすすめです。
このチョコレートに関しては発酵のフレーバーがするので、食べると言う体験に基づいて「カカオ豆は発酵食品」と言うことを感じていただけると、生産者の意図も伝わるのかなって思います。
あとは、ぜひソーシングレポート(リンク:)を読みながら原産地への想いを馳せていただけると嬉しいです。ダンデライオン・チョコレートではソーシングレポート(農園の様子から豆の品種、買い付け価格までを細かく記載した年間レポート)を全て公開しています。ここまで公開しているところはBean to Barのメーカーでも希なんじゃないでしょうか。


Q:最後に一言お願いします。

岡:「サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国 」のカカオ豆は他のメーカーでも使用しているとこが多いので、メーカーによる味の違いやハーベスト違いを食べ比べして楽しんでみてください。


岡さん、ありがとうございました。
店頭ではすでに岡さんがプロファイルを担当した「サンフランシスコ・デ・マコリス, ドミニカ共和国 70%」の販売を開始しています。
ナツメグと昔ながらのチョコレートに加え、オレンジピールの香りやヨーグルトの余韻を感じられる味わいを持つ2017年に収穫された「サンフランシスコ・デ・マコリス(ドミニカ共和国 )」。同じ土地で育ったカカオ豆でも収穫年によってフレーバーが異なります。カカオ豆の奥深さをぜひ店頭で味わってみてください。


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