SUGAR

砂糖

ダンデライオン・チョコレートが使っている砂糖は、ブラジル、サンパウロから北西に350キロ離れたところからやってきます。そこではネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトが、サステナブルなアプローチでサトウキビ農園を運営しています。私たちはグローバル・オーガニックという輸入業者を介して、この砂糖を手に入れているのですが、彼らは、品質の高さだけではなく、砂糖を作り出すにあたり、環境への配慮と持続可能なアプローチを大切にしています。

 

旧来のサトウキビ産業が歩んできた歴史に反し、ネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトの有機的なアプローチは非常に進歩的なもので、100年以上にわたり砂糖産業に従事してきたという家系の農業指導者、レオニト・バルボによって先導されています。彼らは、伝統的なサトウキビ農業によって自然界のエコシステムが破壊されてきた歴史を変え、自然に近い土地環境に戻しながら新たな農業方法を確立しようとしています。

歴史的には、サトウキビは単品作物として植えられ、収穫期には葉を燃やし、大量の肥料と殺虫剤を使うものでした。そうしたスタイルにより、土地は痩せ、生物多様性は失われ、(レオニトによると)サトウキビ自体が弱り、病気がちになったと言われています。

レオニトは、現代的な観点から農業技術を見直すことで、破壊されてしまったものを取り戻そうと、エコシステム・リバイタライジング・アグリカルチャー(ERA=Ecosystem Revitalizing Agriculture)という自ら考案した方法を導入しました。この方法は、健康的な土壌と生物多様性を持続可能なエコシステムの基本と位置づけ、同時に、自然資源の保護を農業における最大の優先事項であると定義することからはじまっています。

 

レオニトは30年にわたりERAをバルボ家のサトウキビ生産に組み込み、その結果、旧来のやり方に比べて23倍もの生物多様性を獲得するに至りました。森林群にいる動物相やキノコ類などが共生するようになったのです。そして、1ヘクタールあたり20〜30%の収量増加、さらには炭素算出の大幅な縮減を達成しました。

ネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトの施設では、バイオエタノールや糖液、畜産飼料を産出すると同時に、年間6百万トンのサトウキビを加工するのに十分な量の電力も生み出しています。それは、54万人以上の規模の街に供給する電力量を上回るものです。このプロジェクトは1997年に最初に認定されたオーガニック砂糖プランテーションプロジェクトです。現在のところ、世界でも最大規模の有機農業プロジェクトであり、世界で生産されるオーガニックシュガーの3分の1を供給するに至っています。

 

さて、どのようにERAは機能しているのでしょうか。以下に少し、ご紹介したいと思います。

ネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトでは、“グリーンケイン・ハーベスティング”と呼ばれる方法を用い、サトウキビを収穫しています。それは、葉がついたままのキビを刈り取り、強力な空気圧でそれらを剥ぎ取り、土に返します。これにより1ヘクタールあたり20トンもの“ゴミ”が土に戻されることになり、雑草が茂り、有用微生物にとって適した環境を作り出すことができます。この収穫方法をとることで、現在、サトウキビを毎年植えることはなくなり、6〜7回は自然成長したものを収穫できるようになっています。ある程度収穫を続けたのち、異なる作物を1年間植えることで、土地に含まれる窒素量を整えます。

健康な土は、酸素と水をたくさん蓄えています。農業用重機を使うと、土地を押さえ込むことになり、健康さを失い、生物多様性を生み出せなくなってしまいます。ネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトでは、軟らかい低インパクトタイヤを開発し、刈取機につけています。タイヤ圧も低くして、土地を押し込まないようにしています。刈取機が足の上を走っても、全然痛くないほどだそうです。

ネイティブでは、サトウキビ加工で出てくる枯れ枝葉を炉に入れ、1時間あたり200トンの蒸気を作っています。この蒸気は、ネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトの砂糖工場と建物のエネルギーとして使われています。生産活動全般を支え、近隣の町へエネルギーを供給することにも貢献しています。このエネルギーサイクルは、循環系として運営されています。

 

ERAが導入されてからおよそ5年が経ち、今なおその効果は劇的に変化しています。初期のころに、サトウキビの葉の表面に菌がつき始め、葉や枝は土に還りやすくなりました。そうした兆候が現れた後すぐにシロアリやミミズが戻ってきました。土の中に虫たちがいることで、土地が耕され、保水性が増えてきました。蟻がサトウキビの葉を食い散らかすこともなくなり、害虫や害獣と捕食者のバランスが良くなってきました。ほんの少しずつ、エコシステムが回復し、自発的に進化しています。

私たちはネイティブ・グリーンケイン・プロジェクトのこうした取組みに感銘を受けています。こんなに素晴らしく美味しい砂糖を作ってくれていることに心から感謝の気持ちで一杯です。