History

始まりはガレージから

ダンデライオン・チョコレートは、トッド・マソニスとキャメロン・リング が2010年に創業したビーン・トゥ・バー・チョコレートのファクトリー+カフェです。

小さい頃からチョコレートが大好きだったトッドとキャメロンは、IT業界で起業家としての成功を収めた後、転身して自宅でチョコレートの実験室を作りました。友人たちに見守られながら、ガレージで小さなカカオを育て、オーブンで豆をローストし、たくさんのチョコレートショップを食べ歩きました。伝統的なチョコレートのレシピやコミュニティサイトでの情報を元に、ガレージに器械をかき集め、チョコレート作りに没頭しました。その手作りチョコレートは友人たちの評判を呼び、2010年にはサンフランシスコにファクトリーを開くことになります。そこからダンデライオン・チョコレートが始まります。2人はカカオ豆を手に入れるため、ドミニカ、ベネズエラ、マダガスカル、様々な土地に出かけて直接農家と交渉しました。機材は中古を手に入れたり、コーヒー豆ロースターを改造したりと様々な工夫を加えていきました。またテイスティングを効率化することや、すべての工程をドキュメント化することも怠らず、多くの人たちの知恵も受け入れました。こうした細かいことの積み重ねの結果、多様性を尊び起業家精神に溢れるサンフランシスコで受け入れられていったのです。

現在サンフランシスコのミッション地区にあるダンデライオンのファクトリーでは、カカオ豆の選別から、ロースティング(焙煎)、ウィノウィング、メランジング、ブロッキング、テンパリングまでを行い、ひとつひとつのチョコレートバーを手作業で型に流し入れて包装しています。良質なカカオ豆を買い付け、スモールバッチ(小ロット生産)のチョコレートを丁寧に製造することによって、それぞれの豆の独自のフレーバーやニュアンスを引き出しています。

Tree diagram

カカオ豆からチョコレートバーへ

世界のほとんどのチョコレートは大量生産方式で作られているということを、多くの人は意識していません。そうしたチョコレートはいくつかの巨大企業によって提供されています。大きな企業が目指しているのは安定した味とコストです。安価で均一な味のチョコレートを大量に作ることができるのは奇跡に近いことですが、すべてのチョコレートが必ずしもそうである必要はないと私たちは考えます。

チョコレートは発酵と焙煎の両方を行う数少ない食べ物のひとつで、その2つの工程が独特のフレーバーを生み出します。ワインより複雑になると言われているチョコレートの風味ですが、ほとんどの企業は安定性とコストのためにその風味を取り除いてしまいます。そのため、いまだ多くの人はチョコレートの可能性を本当には体験したことがないのです。しかし今その状況に変化が起きはじめました。ヨーロッパのチョコレートに対抗して、アメリカ全土のガレージやキッチンで新しいクラフトチョコレート・ムーブメントが生まれています。小さなチョコレートメーカーたちは長い間チョコレートの世界に欠けていたフレーバーを探求しています。「スモールバッチ」、少ロット生産のビーン・トゥ・バー・チョコレートが作られ始めたのです。

ビーン・トゥ・バーとは文字通りカカオ豆からチョコレートバーをつくるまでのすべての工程を一貫して行うことで、ダンデライオン・チョコレートもその一端を担い、サンフランシスコから世界へそのムーブメントを広げようとしています。そして今、サンフランシスコ以外では初めての店を、ここ東京蔵前に開きました。この場所は、歴史とクラフツマンシップに満ちています。この街から、さらにおいしいチョコレート作りを通して、ダンデライオンとチョコレートの新しい物語が始まります。

トッド(右) とキャメロン(左)