CAMINO VERDE,
ECUADOR

カミーノ・ベルデ、
エクアドル

Source

生産者/農園
カミーノ・ベルデ

Region

地域
グアヤス県バラオ

Source Type

特徴/事業形態
単一農園、発酵所

Beans

カカオ豆
農園で栽培、発酵

Fermentation Style

発酵方式
農園施設

Tasting Notes

フレーバー
ブラウニー、ナッツ、キャラメル

カミーノ・ベルデ・カカオはエクアドル南部のグアヤス県にあるバラオの農園発酵所のものです。この農園ではビセンテ・ノレロが厳格かつ高い技術でカカオを生産をしています。

ビセンテは私たちが知る中で最も創意工夫に満ちた生産者です。彼のアプローチは、確立された方法を踏襲するのではなく、たゆまない変化を追い続ける求道者にも似ています。私たちは彼の作るカミーノベルデだけを購入しているのですが、ここに至るまでの道のりについて彼に代わってお話したいと思います。


CCN-51というハイブリッド種があります。病気に強く一定の収量が期待できるものの、平凡な風味と言われているコモディティ品種です。良い品種のカカオを安定して生産したいと思えば、他花受粉(クロスポリネーション)によりCCN-51種と掛合わせることがソリューションのひとつであると考えられます。しかし、その掛合わせ度合いは、自然環境の影響を受けるため精密なコントロールは困難です。その結果雑種化してしまい、シングルオリジンとも言えない、なんともむずかしい状況にあります。しかしネオナショナル種の傍系よりも、CCN-51ハイブリッド種が安定的に生産できるという事実は、エクアドルの小規模な農家にとって、生計を立てるための必要悪として選択せざるをえないものです。特に今年のようなエルニーニョになれば依存度はぐっと増してしまいます。CCN-51の持つ性質を活かしながら風味を改善することができるなら、小規模な農家にとってこれほどの朗報はありません。


そんな難問を解き、カカオ種をリエンジニアリングできるのは誰かと問われればビセンテ以外には思いつきません。彼は他の従業員からザ・ドクターと言われるほどのマッドサイエンティストです。常識を疑い、例えば、精密かつ微妙に微生物を混合することで極めて秩序立った方法で発酵を制御しようとします。私たちが購入している農家では、発酵箱を使った発酵法を採用していますが、ビセンテは湿ったカカオ豆を袋に入れ、それを3個重ねた上で、一日おきにその袋の並びを変えていきます。この作業は子葉が枯れるまで続けられます。その流れの中で発酵が完了するのです。

ビセンテは、CCN-51は本質的に風味の悪いカカオではなく、きちんと発酵ができていなかっただけなのだと考えています。彼はその原因はポッドの事前乾燥不足にあると説明しています。

通常、CCN-51のポッドはネオナショナル種よりも約60%もパルプを多く含んでいます。通常のカカオではパルプ分を取り除くために、1日から2日の事前乾燥を行うのですが、パルプの多いCCN-51ではその時間をもっと長く取らないといけません。農家はどのカカオを使う場合でも決められた時間と方法で事前乾燥をしていたため、でき上がったカカオはひどく酸味が強く残念な風味となっていたわけです。

ビセンテのこうしたアプローチは素晴らしいものだと感嘆しています。今のところ、私たちはネオナショナル種だけしか購入していませんが、いつしか、ビセンテのアプローチがこの地域のカカオ生産を大きく変えることになると期待しています。


彼は500ヘクタールの農園を運営しています。そのうち382ヘクタールはネオナショナル種カカオで、5ヘクタールごとに区分けされています。それぞれの区で、樹齢や、カカオの種、土の質、ポッドの風味、水などの情報を記録し管理しています。100ヘクタール分はCCN-51の交配種に割り当て、ナチュルコアというブランドで販売をしています。そして、 残りが研究と教育用です。

農場は、農民と学生のための教育・研究センターとしても用いられています。そこでは、接木や、植え付け、収穫、カカオ発酵プロセスなどのプログラムを提供しています。さらに、社会還元活動の一環として、森林計画、土の改良、潅漑、原価計算、ポストハーベスト処理などを教えています。また、カミーノベルデでは、最低賃金よりも15%多い給与と、生産性に応じたボーナスが従業員に支払われています。


チョコレートとしてのカミーノベルデのカカオ豆は、柔らかくチョコレートらしい特徴と、ファッジブラウニーの味に加え、ローストしたナッツの系の香りと、甘くクリーンな後味がします。