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100年、150年と続くBean to Bar チョコレートメーカーを目指して - ダンデライオン・チョコレート創業者Todd & Elaine インタビュー -

100年、150年と続くBean to Bar チョコレートメーカーを目指して - ダンデライ...

トッド・マソニス(左)とエレイン・ウェリー(右) 2022年11月末に、アメリカ・サンフランシスコより創業者であるトッド・マソニスと、その妻でブランディングを担うエレイン・ウェリーが来日しました。 2022年11月14日はダンデライオン・チョコレートの1号店であるバレンシア・ファクトリー & カフェ サンフランシスコが10周年を迎えた日。コロナ禍での久しぶりの来日となった2人に、これまでの思いとこれからの展望を聞きました。 10年前は、10日先のことしか考えていなかった 10周年を迎えたバレンシア・ファクトリー & カフェ サンフランシスコ ー10周年おめでとうございます。改めて今の気持ちを聞かせてください。 トッド:この10年間、サンフランシスコでチョコレートの歴史の1ページを作れたことを誇りに思っています。この3年ほどは新型コロナウイルスの影響も大きかったのですが、色々と目処も立ってきたので、また、ここから先の10年が新しいチャプターになりそうです。そこに向かっていくことにとても期待しています。 エレイン:コロナ禍では大変なことも多かったのですが、一緒に頑張ってくれた仲間たちには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。バレンシアはとても思い出深い場所なので、10周年を迎えたことをとても幸せに感じています。 ー10年前に1号店をオープンした時、今のような景色を想像していたのでしょうか。 トッド:毎日のことに必死で、せいぜい10日先くらいのことしか考えられなかったですね。どうやって美味しいチョコレートをつくっていくか、このことで頭の中はいっぱいで、10年後のイメージは全くと言っていいほどなかったです。 エレイン:10年前は何も想像することができなかったですね。ただ、10周年を迎えて感じたのは、成功する上では、仲間やパートナーの存在がとても大きく、大切であるということです。自分達だけでは何もできないけれど、一緒に働いてくれるメンバー、ものづくりの中で関わってくれるパートナーのみなさん、カカオ豆の生産地の人々、そして日本のメンバーと、たくさんの仲間に支えてもらって、ここまでくることができました。本当にありがとうございます。 セイジのような人に出会うチャンスはもうないのでは ファクトリー&カフェ蔵前のオープン初日、店内は多くの人で活気に満ちていた ー日本に海外1号店のファクトリー&カフェ蔵前を出店した時の思い出があれば教えてください。 トッド:最初に日本への出店の提案を受けたとき、まだ海外への出店は難しいのではと感じていました。ただ、セイジ(※ダンデライオン・チョコレート・ジャパン CEO 堀淵清治)と話していく中で、彼の持つ明確なビジョンに惹かれ、前向きな気持ちになることができました。 エレイン:ここから先、もうセイジのような人に出会うチャンスはないんじゃないかと。正直最初は、彼の服装や、話す内容に少しびっくりしましたが(笑)。ファクトリー&カフェ蔵前がオープンする数日前に来日したのですが、内装がほぼ完成していたのには驚きました。アメリカでは工事が間に合わないことはよくあります。日本の職人の方々のきめ細やかな作業に感動し、クラフトマンシップを感じました。 トッド:久しぶりに来日し、今ファクトリー&カフェ蔵前の席に座っていますが、日本のメンバーのおかげで、たくさんのお客様で賑わっている店内のこの景色を見ることができていると思います。本当に感謝しています。 コロナ禍を経て、様々なことを学び、感じ取った2人。ここから先はBean to Bar チョコレートや、私たちのシグネチャー商品であるチョコレートバー、また今年人気を博しているボンボンショコラについても伺いました。 ワインのように産地や収穫年の個性を活かすこと...

100年、150年と続くBean to Bar チョコレートメーカーを目指して - ダンデライ...

トッド・マソニス(左)とエレイン・ウェリー(右) 2022年11月末に、アメリカ・サンフランシスコより創業者であるトッド・マソニスと、その妻でブランディングを担うエレイン・ウェリーが来日しました。 2022年11月14日はダンデライオン・チョコレートの1号店であるバレンシア・ファクトリー & カフェ サンフランシスコが10周年を迎えた日。コロナ禍での久しぶりの来日となった2人に、これまでの思いとこれからの展望を聞きました。 10年前は、10日先のことしか考えていなかった 10周年を迎えたバレンシア・ファクトリー & カフェ サンフランシスコ ー10周年おめでとうございます。改めて今の気持ちを聞かせてください。 トッド:この10年間、サンフランシスコでチョコレートの歴史の1ページを作れたことを誇りに思っています。この3年ほどは新型コロナウイルスの影響も大きかったのですが、色々と目処も立ってきたので、また、ここから先の10年が新しいチャプターになりそうです。そこに向かっていくことにとても期待しています。 エレイン:コロナ禍では大変なことも多かったのですが、一緒に頑張ってくれた仲間たちには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。バレンシアはとても思い出深い場所なので、10周年を迎えたことをとても幸せに感じています。 ー10年前に1号店をオープンした時、今のような景色を想像していたのでしょうか。 トッド:毎日のことに必死で、せいぜい10日先くらいのことしか考えられなかったですね。どうやって美味しいチョコレートをつくっていくか、このことで頭の中はいっぱいで、10年後のイメージは全くと言っていいほどなかったです。 エレイン:10年前は何も想像することができなかったですね。ただ、10周年を迎えて感じたのは、成功する上では、仲間やパートナーの存在がとても大きく、大切であるということです。自分達だけでは何もできないけれど、一緒に働いてくれるメンバー、ものづくりの中で関わってくれるパートナーのみなさん、カカオ豆の生産地の人々、そして日本のメンバーと、たくさんの仲間に支えてもらって、ここまでくることができました。本当にありがとうございます。 セイジのような人に出会うチャンスはもうないのでは ファクトリー&カフェ蔵前のオープン初日、店内は多くの人で活気に満ちていた ー日本に海外1号店のファクトリー&カフェ蔵前を出店した時の思い出があれば教えてください。 トッド:最初に日本への出店の提案を受けたとき、まだ海外への出店は難しいのではと感じていました。ただ、セイジ(※ダンデライオン・チョコレート・ジャパン CEO 堀淵清治)と話していく中で、彼の持つ明確なビジョンに惹かれ、前向きな気持ちになることができました。 エレイン:ここから先、もうセイジのような人に出会うチャンスはないんじゃないかと。正直最初は、彼の服装や、話す内容に少しびっくりしましたが(笑)。ファクトリー&カフェ蔵前がオープンする数日前に来日したのですが、内装がほぼ完成していたのには驚きました。アメリカでは工事が間に合わないことはよくあります。日本の職人の方々のきめ細やかな作業に感動し、クラフトマンシップを感じました。 トッド:久しぶりに来日し、今ファクトリー&カフェ蔵前の席に座っていますが、日本のメンバーのおかげで、たくさんのお客様で賑わっている店内のこの景色を見ることができていると思います。本当に感謝しています。 コロナ禍を経て、様々なことを学び、感じ取った2人。ここから先はBean to Bar チョコレートや、私たちのシグネチャー商品であるチョコレートバー、また今年人気を博しているボンボンショコラについても伺いました。 ワインのように産地や収穫年の個性を活かすこと...

バレンタインデーだけじゃない!世界各国の「チョコレートを食べる日」

バレンタインデーだけじゃない!世界各国の「チョコレートを食べる日」

日本で「チョコレートの日」というと、誰しもが「バレンタインデー」を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、諸説ありますが、日本のバレンタインデーはもともと広告やキャンペーンから生まれた独自の文化。世界の国々では、日本とは違う時期にチョコレートをもっとも食べる日があります。 今回はアメリカ、ドイツ、ブラジル、そして韓国のチョコレート事情についてご紹介します。また、世界で「チョコレートデー」として制定された日についても解説します。 【関連記事】 バレンタインデーの起源とは?海外と異なる日本のバレンタイン事情 アメリカで一番チョコレートが売れるのは「イースター」 アメリカでもっともチョコレートが食べられるのは、毎年3月から4月の間にある「イースター(復活祭)」です。この時期になると、店頭にはイースターエッグやうさぎのかたちをしたチョコレートが並びます。 イースターでは、庭や家の中に隠された卵を探しに行く「エッグハント」という遊びがあり、このエッグハントで使われるイースターエッグに、卵の形をしたチョコレートや卵型のカプセルにおもちゃが入っているものなどが使われます。 次にチョコレートが多く食べられるのはクリスマス、次いでバレンタイン、ハロウィンとのこと。日本ではあまり馴染みのないイースターにチョコレートがもっとも食べられているとは、意外な事実ではないでしょうか。 また、特定の日ではありませんが、サマーシーズンになるとキャンプファイヤーでスモアを楽しむのが定番。チョコレートは夏でも親しまれているようです。 【関連記事】 スモアとは?ダンデライオン・チョコレートの人気ペストリーを紹介 ドイツでもクリスマスより「イースター」 世界のなかでもチョコレート消費量がもっとも多い国のひとつであるドイツ。こちらもアメリカと同じく、イースターが一番のチョコレートシーズンです。家族だけでなく、カップルや友達どうしでもチョコレートを交換するなど、現在の日本のバレンタインデーにも似たイベントかもしれません。 ドイツで次にチョコレートを多く食べるのはクリスマス。しかし、シュトーレンやバームクーヘンなど、クリスマス関連のお菓子が多くあるため、イースターよりチョコレートの出番は少ないそうです(バウムクーヘンは、ドイツではクリスマススイーツです)。 ブラジルでは「クリスマス」。そして「恋人の日」も カカオの生産地でもある南米ブラジルでチョコレートがもっとも食べられるのはクリスマス。日本と違い真夏のクリスマスに食べるのが、イタリア系移民から伝わったとされるパネトーネで、チョコチップ入りのものやチョコレートブランドのクリスマス限定のパネトーネが店頭に多く並ぶそうです。 また、ブラジルのイースター「パスコア」や母の日などの記念日にもチョコレートの需要があります。 6月12日は恋人の日(Dia dos namorados)で、恋人同士が愛を確かめ合いプレゼントを交換する日。これが日本の昔からいうバレンタインデーやホワイトデーに近いのかもしれません。 韓国は日本と同じ「バレンタインデー」。「ペペロデー」や「両親の日」などの記念日も 韓国では、日本と同じくバレンタインデーがチョコレートの日として認知され、女性が男性にチョコレートを贈る日。 また、ホワイトデーには、バレンタインのお返しとして男性が女性にキャンディーを贈る日で、この日もチョコレートの需要があるそうです。ただ、最近は高価なバッグや小物のプレゼントに、チョコレートを添えて贈る傾向にあるとか。 また、韓国特有の文化として盛り上がるのが、11月11日の「ペペロデー」です。ペペロとは韓国版「ポッキー」といえるチョコレート菓子。この日は家族、友人、恋人どうしで、ペペロや、ペペロと同じ棒状の形をしたお菓子や雑貨を交換する日となりました。 ほかにも、日本の母の日や父の日にあたる5月8日の両親の日、5月15日の先生の日、旧正月やお正月にもチョコレートをギフトとして贈ることがあるそうです。 実は複数の「チョコレートデー」が制定されている? 日本では2月14日を「チョコレートの日」として、日本チョコレート・ココア協会が制定していますが、実は世界には複数のチョコレートデーが存在します。   7月7日 World Chocolate...

バレンタインデーだけじゃない!世界各国の「チョコレートを食べる日」

日本で「チョコレートの日」というと、誰しもが「バレンタインデー」を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、諸説ありますが、日本のバレンタインデーはもともと広告やキャンペーンから生まれた独自の文化。世界の国々では、日本とは違う時期にチョコレートをもっとも食べる日があります。 今回はアメリカ、ドイツ、ブラジル、そして韓国のチョコレート事情についてご紹介します。また、世界で「チョコレートデー」として制定された日についても解説します。 【関連記事】 バレンタインデーの起源とは?海外と異なる日本のバレンタイン事情 アメリカで一番チョコレートが売れるのは「イースター」 アメリカでもっともチョコレートが食べられるのは、毎年3月から4月の間にある「イースター(復活祭)」です。この時期になると、店頭にはイースターエッグやうさぎのかたちをしたチョコレートが並びます。 イースターでは、庭や家の中に隠された卵を探しに行く「エッグハント」という遊びがあり、このエッグハントで使われるイースターエッグに、卵の形をしたチョコレートや卵型のカプセルにおもちゃが入っているものなどが使われます。 次にチョコレートが多く食べられるのはクリスマス、次いでバレンタイン、ハロウィンとのこと。日本ではあまり馴染みのないイースターにチョコレートがもっとも食べられているとは、意外な事実ではないでしょうか。 また、特定の日ではありませんが、サマーシーズンになるとキャンプファイヤーでスモアを楽しむのが定番。チョコレートは夏でも親しまれているようです。 【関連記事】 スモアとは?ダンデライオン・チョコレートの人気ペストリーを紹介 ドイツでもクリスマスより「イースター」 世界のなかでもチョコレート消費量がもっとも多い国のひとつであるドイツ。こちらもアメリカと同じく、イースターが一番のチョコレートシーズンです。家族だけでなく、カップルや友達どうしでもチョコレートを交換するなど、現在の日本のバレンタインデーにも似たイベントかもしれません。 ドイツで次にチョコレートを多く食べるのはクリスマス。しかし、シュトーレンやバームクーヘンなど、クリスマス関連のお菓子が多くあるため、イースターよりチョコレートの出番は少ないそうです(バウムクーヘンは、ドイツではクリスマススイーツです)。 ブラジルでは「クリスマス」。そして「恋人の日」も カカオの生産地でもある南米ブラジルでチョコレートがもっとも食べられるのはクリスマス。日本と違い真夏のクリスマスに食べるのが、イタリア系移民から伝わったとされるパネトーネで、チョコチップ入りのものやチョコレートブランドのクリスマス限定のパネトーネが店頭に多く並ぶそうです。 また、ブラジルのイースター「パスコア」や母の日などの記念日にもチョコレートの需要があります。 6月12日は恋人の日(Dia dos namorados)で、恋人同士が愛を確かめ合いプレゼントを交換する日。これが日本の昔からいうバレンタインデーやホワイトデーに近いのかもしれません。 韓国は日本と同じ「バレンタインデー」。「ペペロデー」や「両親の日」などの記念日も 韓国では、日本と同じくバレンタインデーがチョコレートの日として認知され、女性が男性にチョコレートを贈る日。 また、ホワイトデーには、バレンタインのお返しとして男性が女性にキャンディーを贈る日で、この日もチョコレートの需要があるそうです。ただ、最近は高価なバッグや小物のプレゼントに、チョコレートを添えて贈る傾向にあるとか。 また、韓国特有の文化として盛り上がるのが、11月11日の「ペペロデー」です。ペペロとは韓国版「ポッキー」といえるチョコレート菓子。この日は家族、友人、恋人どうしで、ペペロや、ペペロと同じ棒状の形をしたお菓子や雑貨を交換する日となりました。 ほかにも、日本の母の日や父の日にあたる5月8日の両親の日、5月15日の先生の日、旧正月やお正月にもチョコレートをギフトとして贈ることがあるそうです。 実は複数の「チョコレートデー」が制定されている? 日本では2月14日を「チョコレートの日」として、日本チョコレート・ココア協会が制定していますが、実は世界には複数のチョコレートデーが存在します。   7月7日 World Chocolate...

ダンデライオン・チョコレートのこだわりとは - チョコレートの製法、楽しみ方をご紹介 -

ダンデライオン・チョコレートのこだわりとは - チョコレートの製法、楽しみ方をご紹介 -

贈り物やギフト選び、SNSなどをきっかけに、ダンデライオン・チョコレートを知ってくださった方も多いかと思います。 今回は、初めてダンデライオン・チョコレートのチョコレートに出会った方に向けて、私たちのブランドやこだわり、楽しみ方について、簡単にご紹介したいと思います。 ダンデライオン・チョコレートとは ダンデライオン・チョコレートの発祥はアメリカ・サンフランシスコ。友人のガレージでチョコレートを一から作り始めたトッドとキャメロンが、試作を重ねて一番おいしいと思ったのが「カカオ豆と砂糖だけでつくったシンプルなチョコレート」でした。   【関連記事】なぜダンデライオン・チョコレートを日本に?“オタク感”あふれるチョコレートづくりと空気感を徹底再現 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら チョコレートってどうやってつくられているの? ところで、みなさんはチョコレートがどのようにできてきるか、ご存知でしょうか?多くの方はチョコレートファウンテンのように流れる液体のチョコレートを想像したり、原材料がカカオであることは知っていたりしても、実際どのようにして作られているかまで把握している方は少ないかもしれません。よく「最近の子どもは骨のない魚の切り身しか食べないから本物を知らない」なんて言ったりもしますが、チョコレートはどうでしょう?こんなに身近な食べ物なのに、大人でも知らないことかもしれません。 では、チョコレートをカカオ豆から作っている工場を目の前で見ることができて、その出来立てのチョコレートを使用したドリンクやペストリーをその場で食べられるとしたら、とてもワクワクしませんか? そんな想いでできたのが、オープンファクトリーを備えた「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」です。お店のドアを開けるとカカオの香りとチョコレートの機械音、楽しそうにチョコレートを作る製造スタッフが目の前に飛び込んできます。まさに、チョコレート工場に迷い込んだような異空間を体験できるのです。   Bean to Bar チョコレートができるまで 【関連記事】カカオ豆ときび砂糖のみでつくったチョコレート、なぜここまで味わいが違う?ダンデライオン・チョコレートがなぜ「きび砂糖」を使うのか ダンデライオン・チョコレートのチョコレートを楽しむ すべてのカカオ農園を訪れて入手するこだわりのカカオ豆と、オーガニックのきび砂糖だけでつくるチョコレートからは、シンプルだからこそ感じられる、その農園独特の味わいを知ることができます。 もし、ダンデライオン・チョコレートで初めて召し上がった商品がガトーショコラなどのペストリーなら次はチョコレートバー(板チョコレート)を、チョコレートバーが初めての商品だったなら次回はペストリーを、ぜひお試しください。   【関連記事】ダンデライオン・チョコレートのお気に入り商品ランキング2021どれが好き?ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバーとは   チョコレートバー各種 シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 チョコレートは奥深い チョコレートは私たちにとってとても身近なお菓子ですが、実はさまざまな側面からも興味をそそられるもの。味わいの面はもちろん、健康面や環境保全の面から見ても、とても奥深く、小学生の自由研究にも人気の題材だったりします。一枚のチョコレートのなかには、たくさんのストーリーが含まれているのです。   【関連記事】ヒトの味覚とテイスティング〜チョコレートの味わいは人それぞれ〜チョコレートは体にいい?期待できる効能と適切な摂取量サステナブルなカカオビジネス:ソルサル・カカオの取り組み...

ダンデライオン・チョコレートのこだわりとは - チョコレートの製法、楽しみ方をご紹介 -

贈り物やギフト選び、SNSなどをきっかけに、ダンデライオン・チョコレートを知ってくださった方も多いかと思います。 今回は、初めてダンデライオン・チョコレートのチョコレートに出会った方に向けて、私たちのブランドやこだわり、楽しみ方について、簡単にご紹介したいと思います。 ダンデライオン・チョコレートとは ダンデライオン・チョコレートの発祥はアメリカ・サンフランシスコ。友人のガレージでチョコレートを一から作り始めたトッドとキャメロンが、試作を重ねて一番おいしいと思ったのが「カカオ豆と砂糖だけでつくったシンプルなチョコレート」でした。   【関連記事】なぜダンデライオン・チョコレートを日本に?“オタク感”あふれるチョコレートづくりと空気感を徹底再現 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら チョコレートってどうやってつくられているの? ところで、みなさんはチョコレートがどのようにできてきるか、ご存知でしょうか?多くの方はチョコレートファウンテンのように流れる液体のチョコレートを想像したり、原材料がカカオであることは知っていたりしても、実際どのようにして作られているかまで把握している方は少ないかもしれません。よく「最近の子どもは骨のない魚の切り身しか食べないから本物を知らない」なんて言ったりもしますが、チョコレートはどうでしょう?こんなに身近な食べ物なのに、大人でも知らないことかもしれません。 では、チョコレートをカカオ豆から作っている工場を目の前で見ることができて、その出来立てのチョコレートを使用したドリンクやペストリーをその場で食べられるとしたら、とてもワクワクしませんか? そんな想いでできたのが、オープンファクトリーを備えた「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」です。お店のドアを開けるとカカオの香りとチョコレートの機械音、楽しそうにチョコレートを作る製造スタッフが目の前に飛び込んできます。まさに、チョコレート工場に迷い込んだような異空間を体験できるのです。   Bean to Bar チョコレートができるまで 【関連記事】カカオ豆ときび砂糖のみでつくったチョコレート、なぜここまで味わいが違う?ダンデライオン・チョコレートがなぜ「きび砂糖」を使うのか ダンデライオン・チョコレートのチョコレートを楽しむ すべてのカカオ農園を訪れて入手するこだわりのカカオ豆と、オーガニックのきび砂糖だけでつくるチョコレートからは、シンプルだからこそ感じられる、その農園独特の味わいを知ることができます。 もし、ダンデライオン・チョコレートで初めて召し上がった商品がガトーショコラなどのペストリーなら次はチョコレートバー(板チョコレート)を、チョコレートバーが初めての商品だったなら次回はペストリーを、ぜひお試しください。   【関連記事】ダンデライオン・チョコレートのお気に入り商品ランキング2021どれが好き?ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバーとは   チョコレートバー各種 シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 チョコレートは奥深い チョコレートは私たちにとってとても身近なお菓子ですが、実はさまざまな側面からも興味をそそられるもの。味わいの面はもちろん、健康面や環境保全の面から見ても、とても奥深く、小学生の自由研究にも人気の題材だったりします。一枚のチョコレートのなかには、たくさんのストーリーが含まれているのです。   【関連記事】ヒトの味覚とテイスティング〜チョコレートの味わいは人それぞれ〜チョコレートは体にいい?期待できる効能と適切な摂取量サステナブルなカカオビジネス:ソルサル・カカオの取り組み...

食べる人のワクワクを思って――チョコレートメーカーが作るスイーツはどうあるべきか

食べる人のワクワクを思って――チョコレートメーカーが作るスイーツはどうあるべきか

作り手の欲をどれだけ削ぎ落として、受け手の心に響くお菓子を作るか――ダンデライオン・チョコレートのペストリーシェフ、辻舞のお菓子づくりの起点は、常に「食べる人」にあります。かつては、みずからのこだわりを詰め込みすぎて悩んだこともあると話す彼女。入社後の考え方の変遷や、チョコレートスイーツづくりで大切にしていることなどについて聞きました。 <これまでのスタッフインタビューはこちら> CEO・堀淵清治なぜダンデライオン・チョコレートを日本に?“オタク感”あふれるチョコレートづくりと空気感を徹底再現 ペストリーシェフ・森本康志チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考 チョコレート・エクスペリエンスチーム・伴野智映子Bean to Bar チョコレートとの出会いで広がる世界、チョコレートを通して驚きと感動を伝えたい   辻舞(つじ・まい)ダンデライオン・チョコレート・ジャパン ペストリーシェフ神戸のフランス菓子パティスリーでパティシエとしてキャリアをスタートし、上京後ジャン=ポール・エヴァン、デカダンダンスドュショコラなどでショコラティエ、製造責任者として勤務。2015年にダンデライオン・チョコレート・ジャパンにペストリーチームのマネージャーとして入社し、製造管理やスタッフの育成、商品開発などを担当。 Bean to Bar チョコレートは実は好みじゃなかった ――ダンデライオン・チョコレートに入社された経緯から聞かせてください。フランス菓子のお店からキャリアをスタートして、その後は有名なチョコレート専門店を渡り歩いてパティシエや製造責任者をしていました。ただ、自分が作りたいお菓子と求められるお菓子とのギャップに悩んでしまって、少しお菓子づくりと距離を置こうと思って前職を辞めたんです。その後、偶然ダンデライオン・チョコレートの募集を見つけて、入社することになりました。――パティシエ時代から、チョコレートづくりには興味があったんですか?前職でボンボンショコラづくりを経験したときにすごく心が躍って、ずっとこの作業をしていたいと思うほど惹かれるものがありました。洋菓子とは違う、チョコレートを専門にする仕事にふれて、一般的にショコラティエと呼ばれるような専門職の魅力に引き込まれていきました。ダンデライオン・チョコレートの募集を見たとき、その記憶がよみがえってきて、ここでの仕事はおもしろそうだと思いました。 ――ボンボンショコラを作るときに感じた、洋菓子との最も大きな違いは何だったのでしょう。それまで作ってきたのは、材料のひとつにチョコレートがある洋菓子でしたが、ボンボンショコラはチョコレートが主役の洋菓子。生クリームでガナッシュを作ってチョコレートでコーティングする作業はとてもシンプルですが、ちょっとした温度差や乳化の具合などによって、ツヤも口溶けもまったく違うものになるんです。それがとてもおもしろくて。――元々、ダンデライオン・チョコレートの存在は知っていたんですか?仕事柄、Bean to Bar チョコレート自体は知っていましたが、ダンデライオン・チョコレートのことは知りませんでした。それに、ダンデライオン・チョコレートで働き始めるまでは、カカオの含有量が多いチョコレートやカカオニブそのものだけで食べるのは苦手だったんです。初めて、Bean to Bar のチョコレートを食べたときは、口溶けとフレーバーに対してキワモノだと感じ、いまだ成熟していない私の舌にとっては「おいしいけど、素材と合わせないと食べにくいな」という感じでした。――正直なところ、好みのチョコレートではなかった?はい(笑)。でも、面接のときに「食べたことがない」と正直に伝えると、その場で食べてごらんと渡されたチョコレートが、想像を遥かに超えておいしくて、衝撃を受けました。「これまでに食べたBean to Bar チョコレートとは違う、これは思いがけず幸運だな」と思いました。今思えば、これが自分の好みの分岐点だったかもしれません。ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバーを食べるようになってからは、カカオの含有量が高い物も素直においしいと思うようになりました。 チョコレートバー各種¥1,296(税込)シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 作り手の思いと、食べる人の楽しさを両立させる ――入社後はチョコレートスイーツを開発するペストリーチームに配属になったんですね。これまでの私の経験に期待して採用していただいたので、自分にできることを最大限に形にして行こうと思っていました。とはいえ、入社したときからずっと「カカオ豆からチョコレートを作ってみたい」と思い続けていたので、2年目くらいにチョコレートバーのプロファイル(開発)を任せてもらえたのは本当にうれしかったですね。オレンジのフレーバーがすごく印象的なインドの豆で、「この豆で開発をさせてもらえるなんて!」と感動したのを覚えています。――お菓子づくりとは違うおもしろさがありましたか?いわゆる、お菓子づくりの考え方はまったく通用しなくて、そこがおもしろかったですね。パティシエの常識からすると違うんじゃないかなと思うことが、チョコレートづくりにおいては正しい場合も多くて、驚きと発見の連続でした。砂糖を加えるタイミングでフレーバーに変化があることなどは、その後のチョコレートスイーツ開発にも活きています。――辻さんが開発してきた商品のことも聞かせてください。最初は、サンフランシスコ本店で提供している商品のレシピを活かしつつ、日本人の味覚に合うようアレンジをするのが私のミッションでした。試行錯誤を経て初めて商品化したのが、ほうじ茶で香り付けした蔵前のカフェ限定の「クラマエホットチョコレート」です。サンフランシスコの「ミッションホットチョコレート」のような、“お店の顔”になる商品にしたいと考えて作りました。ミッションホットチョコレートという名前は、サンフランシスコの第1号店がミッション地区にあることにちなんでいたので、日本でも同じようなストーリーを商品に重ねたいと思い、名前に「蔵前」とつけようと。――名前が先に決まったのですね。そうなんです。そして、蔵前という言葉を冠するにふさわしい素材を求めてお店の近くを歩き、出会ったのが「NAKAMURA TEA LIFE...

食べる人のワクワクを思って――チョコレートメーカーが作るスイーツはどうあるべきか

作り手の欲をどれだけ削ぎ落として、受け手の心に響くお菓子を作るか――ダンデライオン・チョコレートのペストリーシェフ、辻舞のお菓子づくりの起点は、常に「食べる人」にあります。かつては、みずからのこだわりを詰め込みすぎて悩んだこともあると話す彼女。入社後の考え方の変遷や、チョコレートスイーツづくりで大切にしていることなどについて聞きました。 <これまでのスタッフインタビューはこちら> CEO・堀淵清治なぜダンデライオン・チョコレートを日本に?“オタク感”あふれるチョコレートづくりと空気感を徹底再現 ペストリーシェフ・森本康志チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考 チョコレート・エクスペリエンスチーム・伴野智映子Bean to Bar チョコレートとの出会いで広がる世界、チョコレートを通して驚きと感動を伝えたい   辻舞(つじ・まい)ダンデライオン・チョコレート・ジャパン ペストリーシェフ神戸のフランス菓子パティスリーでパティシエとしてキャリアをスタートし、上京後ジャン=ポール・エヴァン、デカダンダンスドュショコラなどでショコラティエ、製造責任者として勤務。2015年にダンデライオン・チョコレート・ジャパンにペストリーチームのマネージャーとして入社し、製造管理やスタッフの育成、商品開発などを担当。 Bean to Bar チョコレートは実は好みじゃなかった ――ダンデライオン・チョコレートに入社された経緯から聞かせてください。フランス菓子のお店からキャリアをスタートして、その後は有名なチョコレート専門店を渡り歩いてパティシエや製造責任者をしていました。ただ、自分が作りたいお菓子と求められるお菓子とのギャップに悩んでしまって、少しお菓子づくりと距離を置こうと思って前職を辞めたんです。その後、偶然ダンデライオン・チョコレートの募集を見つけて、入社することになりました。――パティシエ時代から、チョコレートづくりには興味があったんですか?前職でボンボンショコラづくりを経験したときにすごく心が躍って、ずっとこの作業をしていたいと思うほど惹かれるものがありました。洋菓子とは違う、チョコレートを専門にする仕事にふれて、一般的にショコラティエと呼ばれるような専門職の魅力に引き込まれていきました。ダンデライオン・チョコレートの募集を見たとき、その記憶がよみがえってきて、ここでの仕事はおもしろそうだと思いました。 ――ボンボンショコラを作るときに感じた、洋菓子との最も大きな違いは何だったのでしょう。それまで作ってきたのは、材料のひとつにチョコレートがある洋菓子でしたが、ボンボンショコラはチョコレートが主役の洋菓子。生クリームでガナッシュを作ってチョコレートでコーティングする作業はとてもシンプルですが、ちょっとした温度差や乳化の具合などによって、ツヤも口溶けもまったく違うものになるんです。それがとてもおもしろくて。――元々、ダンデライオン・チョコレートの存在は知っていたんですか?仕事柄、Bean to Bar チョコレート自体は知っていましたが、ダンデライオン・チョコレートのことは知りませんでした。それに、ダンデライオン・チョコレートで働き始めるまでは、カカオの含有量が多いチョコレートやカカオニブそのものだけで食べるのは苦手だったんです。初めて、Bean to Bar のチョコレートを食べたときは、口溶けとフレーバーに対してキワモノだと感じ、いまだ成熟していない私の舌にとっては「おいしいけど、素材と合わせないと食べにくいな」という感じでした。――正直なところ、好みのチョコレートではなかった?はい(笑)。でも、面接のときに「食べたことがない」と正直に伝えると、その場で食べてごらんと渡されたチョコレートが、想像を遥かに超えておいしくて、衝撃を受けました。「これまでに食べたBean to Bar チョコレートとは違う、これは思いがけず幸運だな」と思いました。今思えば、これが自分の好みの分岐点だったかもしれません。ダンデライオン・チョコレートのチョコレートバーを食べるようになってからは、カカオの含有量が高い物も素直においしいと思うようになりました。 チョコレートバー各種¥1,296(税込)シングルオリジンカカオ豆とオーガニックのケインシュガー(きび砂糖)の2種類だけで作られたチョコレートバー。個性豊かなシングルオリジンのカカオ豆は、私たちが開発した独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持っている独特のフレーバーやニュアンスを引き出しています。 作り手の思いと、食べる人の楽しさを両立させる ――入社後はチョコレートスイーツを開発するペストリーチームに配属になったんですね。これまでの私の経験に期待して採用していただいたので、自分にできることを最大限に形にして行こうと思っていました。とはいえ、入社したときからずっと「カカオ豆からチョコレートを作ってみたい」と思い続けていたので、2年目くらいにチョコレートバーのプロファイル(開発)を任せてもらえたのは本当にうれしかったですね。オレンジのフレーバーがすごく印象的なインドの豆で、「この豆で開発をさせてもらえるなんて!」と感動したのを覚えています。――お菓子づくりとは違うおもしろさがありましたか?いわゆる、お菓子づくりの考え方はまったく通用しなくて、そこがおもしろかったですね。パティシエの常識からすると違うんじゃないかなと思うことが、チョコレートづくりにおいては正しい場合も多くて、驚きと発見の連続でした。砂糖を加えるタイミングでフレーバーに変化があることなどは、その後のチョコレートスイーツ開発にも活きています。――辻さんが開発してきた商品のことも聞かせてください。最初は、サンフランシスコ本店で提供している商品のレシピを活かしつつ、日本人の味覚に合うようアレンジをするのが私のミッションでした。試行錯誤を経て初めて商品化したのが、ほうじ茶で香り付けした蔵前のカフェ限定の「クラマエホットチョコレート」です。サンフランシスコの「ミッションホットチョコレート」のような、“お店の顔”になる商品にしたいと考えて作りました。ミッションホットチョコレートという名前は、サンフランシスコの第1号店がミッション地区にあることにちなんでいたので、日本でも同じようなストーリーを商品に重ねたいと思い、名前に「蔵前」とつけようと。――名前が先に決まったのですね。そうなんです。そして、蔵前という言葉を冠するにふさわしい素材を求めてお店の近くを歩き、出会ったのが「NAKAMURA TEA LIFE...

Bean to Bar チョコレートとの出会いで広がる世界、チョコレートを通して驚きと感動を伝えたい

Bean to Bar チョコレートとの出会いで広がる世界、チョコレートを通して驚きと感動を伝えたい

イベントやワークショップを通じて、チョコレートの奥深さやダンデライオン・チョコレートの魅力を発信しているスポークスパーソン・伴野智映子。彼女は、ダンデライオン・チョコレートの日本上陸のタイミングに入社し、その後の躍進を支えてきた立役者でもあります。「ダンデライオン・チョコレートで働き始めて、広い世界を知った」と話す伴野に、立ち上げ時のことやこれまでの変遷、今後の展望を聞きました。 <これまでのスタッフインタビューはこちら> CEO・堀淵清治なぜダンデライオン・チョコレートを日本に?“オタク感”あふれるチョコレートづくりと空気感を徹底再現 ペストリーシェフ・森本康志チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考 ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 全国一律送料無料キャンペーン中 伴野智映子(ばんの ちえこ)ダンデライオン・チョコレート・ジャパン チョコレート・エクスペリエンスチーム マネージャー 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科を卒業後、洋菓子メーカーやスパイス開発会社、某チョコレートブランドに勤務。2015年、アメリカはポートランドで一人旅をしていたときにBean to Bar チョコレートに出会う。2016年にダンデライオン・チョコレート・ジャパン入社。チョコレートバーの開発をはじめ、さまざまな業務に携わる。現在は、チョコレート・エクスペリエンスチームのマネージャーとして、ワークショップの講師やブログ記事の執筆などを行う。 ポートランドで出会ったBean to Bar チョコレートに魅せられて ──ダンデライオン・チョコレートの日本上陸と同時に入社されたんですよね。2016年の1月に入社したので、日本1号店が蔵前にオープンする1ヵ月前ですね。当時はアルバイトスタッフを含めて、20名程でのスタートでしたが、2021年現在は、総勢70名を超えました。――それまでも食に関わるお仕事をされていたのですか?はい。大学の栄養科学科を卒業後、洋菓子メーカーを経てスパイスの開発会社へ転職。3年にわたって開発や品質保証を担当した後、大手チョコレートブランドで4年半程働き、ダンデライオン・チョコレートに入社しています。――ダンデライオン・チョコレートに入社した経緯は?旅先のポートランドで、カカオ豆の焙煎からすべての工程を自社で一貫して行うBean to Bar チョコレートというものを初めて知ったんです。当時、私は大手チョコレートブランドで品質保証を担当していて、ベルギーの工場などにも視察に行っていたのですが、そこでは大きなタンクに入ったチョコレートがホースでどんどん型に流し込まれていくのが普通の光景で…。――なるほど。チョコレートブランドにいながら、チョコレートの作り方を知らなかったことにも、チョコレートの製造工程の奥深さにも衝撃を受けたんです。世界中に展開しているブランドだったので、各国に流通できる賞味期限を確保し、輸送にも耐えうる商品設計にしないといけないこともあり、「食の本質ってなんだろう」と考えていて、ポートランドでの出会いはまさにその答えをもらった感じで、余計心を動かされたのかもしれません。――そして、ダンデライオン・チョコレートとの出会いがあったわけですね。その旅から帰国後、偶然にも知り合いから「サンフランシスコのBean to Bar チョコレートメーカーが日本で事業展開するらしい」と、ダンデライオン・チョコレートのことを聞いたんです。お菓子を作るペストリーチームやカフェを担当するチームなどの募集があったのですが、私はチョコレートを作るプロダクションチームに応募して、採用されました。 戸惑いの日々でも心を動かされる発見があり、世界が広がっていった ――ダンデライオン・チョコレートのオープン当時のことを聞かせてください。日本でオープンする前から、サンフランシスコ本店のスタッフだった方が日本に来て、チョコレートづくりのインストラクターをしてくれました。彼女は英語しか話せないので、私が通訳してみんなに伝えることになったのですが、日本では多くのことが整っていない中でスタートしているので、戸惑うことも多かったですね。日本とアメリカでは常識が違うことも多く、アメリカから来てくれたインストラクターと日本のスタッフのあいだで板挟みになることもありました。――伴野さん自身も入社したばかりでありながら、チームをまとめ、通訳をしつつチョコレートづくりも覚えていかなければならないのは、大変だったと思います。そうですね。でも、チョコレートづくりは工程もシンプルなので覚えやすいですし、何よりその工程の一つひとつがおもしろくて。「本当にカカオ豆ときび砂糖だけでできるんだ」と驚いたり、チョコレートが一気に液体に変わる瞬間を見て感動したり…。毎日、何かしら心を動かされる発見があって、気づいたらハマっていた感じです。 チョコレートを繰り返し食べるうちに味覚が鍛えられていくのも実感しましたし、カカオ豆の産地ごとの味の違いもだんだん言葉で表現できるようになっていきました。Bean to...

Bean to Bar チョコレートとの出会いで広がる世界、チョコレートを通して驚きと感動を伝えたい

イベントやワークショップを通じて、チョコレートの奥深さやダンデライオン・チョコレートの魅力を発信しているスポークスパーソン・伴野智映子。彼女は、ダンデライオン・チョコレートの日本上陸のタイミングに入社し、その後の躍進を支えてきた立役者でもあります。「ダンデライオン・チョコレートで働き始めて、広い世界を知った」と話す伴野に、立ち上げ時のことやこれまでの変遷、今後の展望を聞きました。 <これまでのスタッフインタビューはこちら> CEO・堀淵清治なぜダンデライオン・チョコレートを日本に?“オタク感”あふれるチョコレートづくりと空気感を徹底再現 ペストリーシェフ・森本康志チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考 ダンデライオン・チョコレート公式オンラインストア その他 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 全国一律送料無料キャンペーン中 伴野智映子(ばんの ちえこ)ダンデライオン・チョコレート・ジャパン チョコレート・エクスペリエンスチーム マネージャー 東京農業大学応用生物科学部栄養科学科を卒業後、洋菓子メーカーやスパイス開発会社、某チョコレートブランドに勤務。2015年、アメリカはポートランドで一人旅をしていたときにBean to Bar チョコレートに出会う。2016年にダンデライオン・チョコレート・ジャパン入社。チョコレートバーの開発をはじめ、さまざまな業務に携わる。現在は、チョコレート・エクスペリエンスチームのマネージャーとして、ワークショップの講師やブログ記事の執筆などを行う。 ポートランドで出会ったBean to Bar チョコレートに魅せられて ──ダンデライオン・チョコレートの日本上陸と同時に入社されたんですよね。2016年の1月に入社したので、日本1号店が蔵前にオープンする1ヵ月前ですね。当時はアルバイトスタッフを含めて、20名程でのスタートでしたが、2021年現在は、総勢70名を超えました。――それまでも食に関わるお仕事をされていたのですか?はい。大学の栄養科学科を卒業後、洋菓子メーカーを経てスパイスの開発会社へ転職。3年にわたって開発や品質保証を担当した後、大手チョコレートブランドで4年半程働き、ダンデライオン・チョコレートに入社しています。――ダンデライオン・チョコレートに入社した経緯は?旅先のポートランドで、カカオ豆の焙煎からすべての工程を自社で一貫して行うBean to Bar チョコレートというものを初めて知ったんです。当時、私は大手チョコレートブランドで品質保証を担当していて、ベルギーの工場などにも視察に行っていたのですが、そこでは大きなタンクに入ったチョコレートがホースでどんどん型に流し込まれていくのが普通の光景で…。――なるほど。チョコレートブランドにいながら、チョコレートの作り方を知らなかったことにも、チョコレートの製造工程の奥深さにも衝撃を受けたんです。世界中に展開しているブランドだったので、各国に流通できる賞味期限を確保し、輸送にも耐えうる商品設計にしないといけないこともあり、「食の本質ってなんだろう」と考えていて、ポートランドでの出会いはまさにその答えをもらった感じで、余計心を動かされたのかもしれません。――そして、ダンデライオン・チョコレートとの出会いがあったわけですね。その旅から帰国後、偶然にも知り合いから「サンフランシスコのBean to Bar チョコレートメーカーが日本で事業展開するらしい」と、ダンデライオン・チョコレートのことを聞いたんです。お菓子を作るペストリーチームやカフェを担当するチームなどの募集があったのですが、私はチョコレートを作るプロダクションチームに応募して、採用されました。 戸惑いの日々でも心を動かされる発見があり、世界が広がっていった ――ダンデライオン・チョコレートのオープン当時のことを聞かせてください。日本でオープンする前から、サンフランシスコ本店のスタッフだった方が日本に来て、チョコレートづくりのインストラクターをしてくれました。彼女は英語しか話せないので、私が通訳してみんなに伝えることになったのですが、日本では多くのことが整っていない中でスタートしているので、戸惑うことも多かったですね。日本とアメリカでは常識が違うことも多く、アメリカから来てくれたインストラクターと日本のスタッフのあいだで板挟みになることもありました。――伴野さん自身も入社したばかりでありながら、チームをまとめ、通訳をしつつチョコレートづくりも覚えていかなければならないのは、大変だったと思います。そうですね。でも、チョコレートづくりは工程もシンプルなので覚えやすいですし、何よりその工程の一つひとつがおもしろくて。「本当にカカオ豆ときび砂糖だけでできるんだ」と驚いたり、チョコレートが一気に液体に変わる瞬間を見て感動したり…。毎日、何かしら心を動かされる発見があって、気づいたらハマっていた感じです。 チョコレートを繰り返し食べるうちに味覚が鍛えられていくのも実感しましたし、カカオ豆の産地ごとの味の違いもだんだん言葉で表現できるようになっていきました。Bean to...

チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考

チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考

ダンデライオン・チョコレートで販売している、カヌレやチョコレートプリンをはじめとしたチョコレートスイーツの数々。これらは、ダンデライオン・チョコレートで扱うカカオの風味を知りつくしたシェフの手によって生み出されています。「ダンデライオン・チョコレートのスイーツは、どれも“チョコレートありき”。Bean to Bar チョコレートの魅力を損なうことなく、どうすればもっと良さを引き出せるかを考えながら商品開発をしています」と話すのは、ダンデライオン・チョコレートのオンラインストアや各店舗で販売している、多くのスイーツの開発を担当する森本康志。今回は、京都で日々もくもくと商品開発にいそしむ森本に、新商品のアイディアが形になるまでのプロセスや、チョコレートスイーツづくりに込めた思いを聞きました。 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 全国一律送料無料キャンペーン中 森本康志(もりもと やすし)ダンデライオン・チョコレート・ジャパン ペストリーシェフ三重県伊勢市出身。製菓専門学校卒業後、名古屋市にある洋菓子店やカフェ&バーでパティシエとして研鑽を積む。デセールやプチガトーの開発・製造などを行う一方で、バリスタやバーテンダーとしても活躍の場を広げる。2016年ダンデライオン・チョコレート・ジャパンに入社。入社3ヶ月後に伊勢外宮前店ペストリーシェフに就任。2018年にオープンした京都東山一念坂店のペストリーシェフに抜擢される。インスピレーション溢れるアイディアで、現在は主に商品開発を担当。 パティシエやソムリエ、バーテンダーを経てダンデライオン・チョコレートへ ――ダンデライオン・チョコレートには、どのような経緯で入社されたのですか?そろそろ自分のお店を持ちたいと思って地元の伊勢に帰っていたとき、「ちょっとおもしろいお店ができるらしい」と聞いたのがダンデライオン・チョコレートとの出会いです。当時、カフェのスタッフとパティシエを募集していたのですが、どっちもやりたいと応募したら両方で採用されて、今に至ります。――それまでは、どういったお仕事をされていたんですか?お菓子の専門学校を出てから小さなケーキ屋に就職して、パティシエとして一通りの経験をさせてもらいました。その後、コーヒーの勉強がしたくてカフェバーに移ったんです。カウンターでコーヒーやワイン、カクテルなどを提供しながら、デザートも作って出すスタイルのお店でした。そういったキャリアを踏まえて、ダンデライオン・チョコレートではお菓子づくりとカフェ、両方の知識と経験が活かせるようフレキシブルに働いています。――なるほど。そして今は、新商品の開発がメインのお仕事なんですね。そうですね。あとは、僕なりの視点で、社内のスタッフやお客さまのちょっとした気づきになるようなことをブログや写真、動画などで発信したり、僕が開発したカヌレやチョコレートプリンを紹介するインスタライブを配信したりしています。 スイーツメニューは、チョコレートを引き立てるための衣装 ――商品開発の際は、どのようにアイディアを形にしていくのでしょう。僕にとって、チョコレートは「人」。メニューはその人がまとう衣装みたいなイメージです。だから、チョコレートからスイーツを組み立てるときは、「この子(チョコレート)にはどんな色が似合うのかな」とか、「こんなアクセントがあったらいいよね」とか、その子がより魅力的に見えるジャンルや色の衣装をあてていく感じですね。反対に、スイーツからチョコレートを考えるときは、「この衣装に合うのはどんな子かな」というように、衣装にぴったりはまる人(チョコレート)を探すんです。――独特の感覚で、おもしろいですね!具体的な商品を例にとって、もう少し詳しく考え方のプロセスを教えてください。じゃあ、チョコレートプリンを例に紹介しましょう。 この商品は当初、「ベンチェ, ベトナム 70%」を使って作ることを前提に考えていました。ベトナム産のカカオは、マイルドな中にどこかエキゾチックなニュアンスがあるんです。それが僕には、「ベトナムの可憐な少女」のように感じられたので、そこから想像を膨らませていきました。少女は純粋でピュアだから、味は何層に組むよりもシンプルに。食感もぷるんと滑らかで、軽やかさや元気さが感じられる、はつらつとしたものが良いと思って、チョコレートプリンに行きつきました。 チョコレートプリン 5個セット¥3,780(税込)原材料は、牛乳、生クリーム、砂糖、卵、チョコレート、バニラビーンズのみ。カカオの味わいをダイレクトに感じていただけるように、シンプルな素材で仕上げました。ベトナム産カカオのマイルドな中に感じられるエキゾチックなニュアンスを存分に味わえる、Bean to Bar チョコレート専門店ならではのチョコレートプリンです。 ――同じ衣装(スイーツ)で、人(チョコレート)を変えることもありますか?ありますね。例えば、伊勢店のカヌレは、日本酒っぽさのあるフレーバーのチョコレートに合わせて三重の地酒を使っていますが、オンラインで販売しているカヌレはチョコレートもお酒も変えています(※)。 ※伊勢店で販売しているカヌレには、タンザニア産のカカオを使用したチョコレートと三重の地酒「義左衛門」を使用し、オンラインで販売しているカヌレには、ドミニカ共和国産のカカオを使用したチョコレートとラム酒を使用しています。同じカヌレなら伊勢店の物をそのまま販売すればいいように思いますが、実店舗とオンラインでは食べてもらうタイミングも、シチュエーションも違いますよね。伊勢で焼きたてのカヌレを食べるなら、酒感のあるチョコレートと伊勢の地酒を組み合わせるストーリーが活きてくるけど、オンラインで購入して冷凍で届いた物を「伊勢発の商品ですよ」といわれても、そのストーリーには没入しづらいと思うんですよ。 カヌレ¥3,564(税込)香ばしくしっかりとした味わいの中に、すっきりとした酸味も持ち合わせるドミニカ共和国産カカオ豆のチョコレートを使用しています。香りづけのラム酒もチョコレートに合わせて、ドミニカ共和国産の「ロン バルセロ グラン・アニェホ」を選びました。アンバー(宝石の琥珀に似た色)に輝き、透き通ったラム酒は、ふくよかな甘みを持ちつつもすっきりとした飲み口が特徴です。 ――確かに、地の物はその土地で食べるからこそ伝わるメッセージがありますよね。なので、オンラインで販売するカヌレは「時間が経ってもカカオのおいしさを味わえるチョコレート体験」を重視して、使用するチョコレートとお酒を変えました。このように、お酒を使うスイーツを開発するにあたっては、合わせるお酒のバランスやマリアージュといった点で、ソムリエやバーテンダーをしていた経験を活かせています。――では、スイーツ開発において、使用するチョコレートが先に決まっていたメニューは?ダンデライオン・チョコレート初のクリスマス商品として作ったH2Oチョコレートムースは、ドミニカ共和国産のカカオを使用したチョコレートを使うことが決まっていました。こういうときは、そのチョコレートにとことん向き合うしかありません。 ※現在は販売していませんじっとチョコレートと対峙していると、「君にはそんな魅力もあるのね」「ここ(の要素)は隠しておきたいのね」というように、チョコレートのパーソナルな部分が少しずつ見えてきます。そこまで行けば、あとはどうすればそのチョコレートがもっとチャーミングになるかを考えるだけですね。――その子にどういう衣装を着せ、メイクを施すと、より美しく見えるかを考える…みたいなイメージですか?そうですね。「チョコレートのキリッとした酸味はすごく良いけど、それだけだときつく感じる人がいるかもしれないから、ムースにしたらやわらかくなるんじゃない?」とか、「生クリームでちょっと角を取ったら、優しい部分も引き立つんじゃない?」とか…。コーディネーターとして、もっと似合う着こなしを提案するような感じかもしれません。 「材料の良さが際立ったおいしい物」を作る努力が、人々の幸せにつながる ――お話しいただいたプロセスは、ダンデライオン・チョコレートが1種類のカカオ豆だけで作るシングルオリジンだからこそではないかと思いました。確かに、同じ商品でも使うチョコレートによって見える風景が全然違うのは、個性豊かなシングルオリジンにしかないおもしろさですね。スイーツづくりを計算式にすると、一つひとつの材料やプロセスを「1」として、それらを全部足した合計が完成形。でも、Bean...

チョコレートの個性を最大限に活かしたスイーツづくりの舞台裏――1+1を3にする思考

ダンデライオン・チョコレートで販売している、カヌレやチョコレートプリンをはじめとしたチョコレートスイーツの数々。これらは、ダンデライオン・チョコレートで扱うカカオの風味を知りつくしたシェフの手によって生み出されています。「ダンデライオン・チョコレートのスイーツは、どれも“チョコレートありき”。Bean to Bar チョコレートの魅力を損なうことなく、どうすればもっと良さを引き出せるかを考えながら商品開発をしています」と話すのは、ダンデライオン・チョコレートのオンラインストアや各店舗で販売している、多くのスイーツの開発を担当する森本康志。今回は、京都で日々もくもくと商品開発にいそしむ森本に、新商品のアイディアが形になるまでのプロセスや、チョコレートスイーツづくりに込めた思いを聞きました。 ダンデライオン・チョコレートの商品一覧はこちら 全国一律送料無料キャンペーン中 森本康志(もりもと やすし)ダンデライオン・チョコレート・ジャパン ペストリーシェフ三重県伊勢市出身。製菓専門学校卒業後、名古屋市にある洋菓子店やカフェ&バーでパティシエとして研鑽を積む。デセールやプチガトーの開発・製造などを行う一方で、バリスタやバーテンダーとしても活躍の場を広げる。2016年ダンデライオン・チョコレート・ジャパンに入社。入社3ヶ月後に伊勢外宮前店ペストリーシェフに就任。2018年にオープンした京都東山一念坂店のペストリーシェフに抜擢される。インスピレーション溢れるアイディアで、現在は主に商品開発を担当。 パティシエやソムリエ、バーテンダーを経てダンデライオン・チョコレートへ ――ダンデライオン・チョコレートには、どのような経緯で入社されたのですか?そろそろ自分のお店を持ちたいと思って地元の伊勢に帰っていたとき、「ちょっとおもしろいお店ができるらしい」と聞いたのがダンデライオン・チョコレートとの出会いです。当時、カフェのスタッフとパティシエを募集していたのですが、どっちもやりたいと応募したら両方で採用されて、今に至ります。――それまでは、どういったお仕事をされていたんですか?お菓子の専門学校を出てから小さなケーキ屋に就職して、パティシエとして一通りの経験をさせてもらいました。その後、コーヒーの勉強がしたくてカフェバーに移ったんです。カウンターでコーヒーやワイン、カクテルなどを提供しながら、デザートも作って出すスタイルのお店でした。そういったキャリアを踏まえて、ダンデライオン・チョコレートではお菓子づくりとカフェ、両方の知識と経験が活かせるようフレキシブルに働いています。――なるほど。そして今は、新商品の開発がメインのお仕事なんですね。そうですね。あとは、僕なりの視点で、社内のスタッフやお客さまのちょっとした気づきになるようなことをブログや写真、動画などで発信したり、僕が開発したカヌレやチョコレートプリンを紹介するインスタライブを配信したりしています。 スイーツメニューは、チョコレートを引き立てるための衣装 ――商品開発の際は、どのようにアイディアを形にしていくのでしょう。僕にとって、チョコレートは「人」。メニューはその人がまとう衣装みたいなイメージです。だから、チョコレートからスイーツを組み立てるときは、「この子(チョコレート)にはどんな色が似合うのかな」とか、「こんなアクセントがあったらいいよね」とか、その子がより魅力的に見えるジャンルや色の衣装をあてていく感じですね。反対に、スイーツからチョコレートを考えるときは、「この衣装に合うのはどんな子かな」というように、衣装にぴったりはまる人(チョコレート)を探すんです。――独特の感覚で、おもしろいですね!具体的な商品を例にとって、もう少し詳しく考え方のプロセスを教えてください。じゃあ、チョコレートプリンを例に紹介しましょう。 この商品は当初、「ベンチェ, ベトナム 70%」を使って作ることを前提に考えていました。ベトナム産のカカオは、マイルドな中にどこかエキゾチックなニュアンスがあるんです。それが僕には、「ベトナムの可憐な少女」のように感じられたので、そこから想像を膨らませていきました。少女は純粋でピュアだから、味は何層に組むよりもシンプルに。食感もぷるんと滑らかで、軽やかさや元気さが感じられる、はつらつとしたものが良いと思って、チョコレートプリンに行きつきました。 チョコレートプリン 5個セット¥3,780(税込)原材料は、牛乳、生クリーム、砂糖、卵、チョコレート、バニラビーンズのみ。カカオの味わいをダイレクトに感じていただけるように、シンプルな素材で仕上げました。ベトナム産カカオのマイルドな中に感じられるエキゾチックなニュアンスを存分に味わえる、Bean to Bar チョコレート専門店ならではのチョコレートプリンです。 ――同じ衣装(スイーツ)で、人(チョコレート)を変えることもありますか?ありますね。例えば、伊勢店のカヌレは、日本酒っぽさのあるフレーバーのチョコレートに合わせて三重の地酒を使っていますが、オンラインで販売しているカヌレはチョコレートもお酒も変えています(※)。 ※伊勢店で販売しているカヌレには、タンザニア産のカカオを使用したチョコレートと三重の地酒「義左衛門」を使用し、オンラインで販売しているカヌレには、ドミニカ共和国産のカカオを使用したチョコレートとラム酒を使用しています。同じカヌレなら伊勢店の物をそのまま販売すればいいように思いますが、実店舗とオンラインでは食べてもらうタイミングも、シチュエーションも違いますよね。伊勢で焼きたてのカヌレを食べるなら、酒感のあるチョコレートと伊勢の地酒を組み合わせるストーリーが活きてくるけど、オンラインで購入して冷凍で届いた物を「伊勢発の商品ですよ」といわれても、そのストーリーには没入しづらいと思うんですよ。 カヌレ¥3,564(税込)香ばしくしっかりとした味わいの中に、すっきりとした酸味も持ち合わせるドミニカ共和国産カカオ豆のチョコレートを使用しています。香りづけのラム酒もチョコレートに合わせて、ドミニカ共和国産の「ロン バルセロ グラン・アニェホ」を選びました。アンバー(宝石の琥珀に似た色)に輝き、透き通ったラム酒は、ふくよかな甘みを持ちつつもすっきりとした飲み口が特徴です。 ――確かに、地の物はその土地で食べるからこそ伝わるメッセージがありますよね。なので、オンラインで販売するカヌレは「時間が経ってもカカオのおいしさを味わえるチョコレート体験」を重視して、使用するチョコレートとお酒を変えました。このように、お酒を使うスイーツを開発するにあたっては、合わせるお酒のバランスやマリアージュといった点で、ソムリエやバーテンダーをしていた経験を活かせています。――では、スイーツ開発において、使用するチョコレートが先に決まっていたメニューは?ダンデライオン・チョコレート初のクリスマス商品として作ったH2Oチョコレートムースは、ドミニカ共和国産のカカオを使用したチョコレートを使うことが決まっていました。こういうときは、そのチョコレートにとことん向き合うしかありません。 ※現在は販売していませんじっとチョコレートと対峙していると、「君にはそんな魅力もあるのね」「ここ(の要素)は隠しておきたいのね」というように、チョコレートのパーソナルな部分が少しずつ見えてきます。そこまで行けば、あとはどうすればそのチョコレートがもっとチャーミングになるかを考えるだけですね。――その子にどういう衣装を着せ、メイクを施すと、より美しく見えるかを考える…みたいなイメージですか?そうですね。「チョコレートのキリッとした酸味はすごく良いけど、それだけだときつく感じる人がいるかもしれないから、ムースにしたらやわらかくなるんじゃない?」とか、「生クリームでちょっと角を取ったら、優しい部分も引き立つんじゃない?」とか…。コーディネーターとして、もっと似合う着こなしを提案するような感じかもしれません。 「材料の良さが際立ったおいしい物」を作る努力が、人々の幸せにつながる ――お話しいただいたプロセスは、ダンデライオン・チョコレートが1種類のカカオ豆だけで作るシングルオリジンだからこそではないかと思いました。確かに、同じ商品でも使うチョコレートによって見える風景が全然違うのは、個性豊かなシングルオリジンにしかないおもしろさですね。スイーツづくりを計算式にすると、一つひとつの材料やプロセスを「1」として、それらを全部足した合計が完成形。でも、Bean...