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【レポート】ドミニカ共和国 農園訪問

【レポート】ドミニカ共和国 農園訪問

私たちダンデライオン・チョコレートは創業以来、ダイレクトトレードのカカオ豆を使用したBean to Bar チョコレートを作り続けています。生産者の元を訪問し、カカオ豆の栽培や加工にかける想いを汲み取り、それを日々の商品開発に活かしてきました。   2020年、2021年はコロナウイルスの影響により海外渡航の機会を失い、残念ながら現地との直接的なコミュニケーションを取ることが叶いませんでした。そして2022年5月末、ようやく私たちはドミニカ共和国を訪問し、現地でカカオの栽培・加工を行うZORZAL CACAOに会い、直接話を聞く機会を持つことができました。 ZORZAL CACAOのカカオ豆は私たちが多くのペストリーに使用しており、チョコレートバーでは「ソルサル・エステート, ドミニカ共和国 70%」と「ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%」にも使用しています。今回の訪問では、現地の生産者の想いを知るとともに、私たちがチョコレートバーやペストリーに込めている想いを伝えてきました。 ZORZAL CACAOへの道のり 2022年5月末日、2回の乗り換えを含め30時間以上かけて、ドミニカ共和国(プエルト・プラタ空港)に入国。今回、アメリカのダンデライオン・チョコレートからソーシング(カカオ豆の買い付け)担当のGregを含む6名、日本からは3名のメンバーが農園を訪問しました。 左上から時計回りにコンフェクショナリーチームのDillon、ソーシング担当のGreg、コンフェクショナリーチームのAshley、 ラスベガス店のDenise 、商品開発担当のLauren 、プロダクションチームの田村、古野、クリエイションチームの辻、配送担当のHwan   到着初日、私たちはZORZAL CACAOが2018年から運営を始めたカカオの発酵・乾燥施設を訪問しました。 ZORZAL CACAOは私たちの滞在地から車でおよそ2時間半の場所にあるサンフランシスコ・デ・マコリスにあります。しばらく車を走らせると、車窓からはカカオの木が!青々と茂るカカオの葉の影にはラグビーボールのような形をしたカカオの実が、たわわとなっています。カカオの生産地域から遠く離れた地でチョコレート作りをしてきた私たちにとってカカオの木をこの目で見ることは、長い間待ち望んだ、とても感動的な瞬間でした。 車を降りた瞬間に私たちが感じたのは、カカオ豆が発酵している香りです。カカオと聞くと甘いチョコレートのような香りを想像しますが、実際にはカカオの実の中にある果肉部分を発酵させています。そのため酸の鋭い刺激的な香りとフルーツ由来の甘酸っぱい香りがして、鼻腔をくすぐります。   発酵施設には、階段状に4つの発酵ボックスが縦に並んでいます。それが横にずらりと整列することで、一度にたくさんのカカオ豆を発酵させることができます。 まず最初にカカオの果肉と種(カカオ豆)が最上段のボックスに入れられます。その後、下段のボックスに移しながら適宜攪拌しつつ、空気と接触させます。この攪拌のタイミングによって、カカオの香りや味わいをコントロールすることができます。 ここでは、最初のボックスで2日間、次のボックスで2日間、その後1日ずつボックスを移し、合計6日間かけて発酵を行っていました。...

【レポート】ドミニカ共和国 農園訪問

私たちダンデライオン・チョコレートは創業以来、ダイレクトトレードのカカオ豆を使用したBean to Bar チョコレートを作り続けています。生産者の元を訪問し、カカオ豆の栽培や加工にかける想いを汲み取り、それを日々の商品開発に活かしてきました。   2020年、2021年はコロナウイルスの影響により海外渡航の機会を失い、残念ながら現地との直接的なコミュニケーションを取ることが叶いませんでした。そして2022年5月末、ようやく私たちはドミニカ共和国を訪問し、現地でカカオの栽培・加工を行うZORZAL CACAOに会い、直接話を聞く機会を持つことができました。 ZORZAL CACAOのカカオ豆は私たちが多くのペストリーに使用しており、チョコレートバーでは「ソルサル・エステート, ドミニカ共和国 70%」と「ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%」にも使用しています。今回の訪問では、現地の生産者の想いを知るとともに、私たちがチョコレートバーやペストリーに込めている想いを伝えてきました。 ZORZAL CACAOへの道のり 2022年5月末日、2回の乗り換えを含め30時間以上かけて、ドミニカ共和国(プエルト・プラタ空港)に入国。今回、アメリカのダンデライオン・チョコレートからソーシング(カカオ豆の買い付け)担当のGregを含む6名、日本からは3名のメンバーが農園を訪問しました。 左上から時計回りにコンフェクショナリーチームのDillon、ソーシング担当のGreg、コンフェクショナリーチームのAshley、 ラスベガス店のDenise 、商品開発担当のLauren 、プロダクションチームの田村、古野、クリエイションチームの辻、配送担当のHwan   到着初日、私たちはZORZAL CACAOが2018年から運営を始めたカカオの発酵・乾燥施設を訪問しました。 ZORZAL CACAOは私たちの滞在地から車でおよそ2時間半の場所にあるサンフランシスコ・デ・マコリスにあります。しばらく車を走らせると、車窓からはカカオの木が!青々と茂るカカオの葉の影にはラグビーボールのような形をしたカカオの実が、たわわとなっています。カカオの生産地域から遠く離れた地でチョコレート作りをしてきた私たちにとってカカオの木をこの目で見ることは、長い間待ち望んだ、とても感動的な瞬間でした。 車を降りた瞬間に私たちが感じたのは、カカオ豆が発酵している香りです。カカオと聞くと甘いチョコレートのような香りを想像しますが、実際にはカカオの実の中にある果肉部分を発酵させています。そのため酸の鋭い刺激的な香りとフルーツ由来の甘酸っぱい香りがして、鼻腔をくすぐります。   発酵施設には、階段状に4つの発酵ボックスが縦に並んでいます。それが横にずらりと整列することで、一度にたくさんのカカオ豆を発酵させることができます。 まず最初にカカオの果肉と種(カカオ豆)が最上段のボックスに入れられます。その後、下段のボックスに移しながら適宜攪拌しつつ、空気と接触させます。この攪拌のタイミングによって、カカオの香りや味わいをコントロールすることができます。 ここでは、最初のボックスで2日間、次のボックスで2日間、その後1日ずつボックスを移し、合計6日間かけて発酵を行っていました。...

カカオの生産地を知ろう(ベンチェ, ベトナム)

カカオの生産地を知ろう(ベンチェ, ベトナム)

ベンチェ, ベトナム 70% 生産者:Marou生産国:ベトナム地域:ベンチェ 事業形態:ベトナム国内の農家と直接取引を行うチョコレートメーカーカカオ豆:生産組合で栽培、発酵、乾燥したカカオ豆を購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:メッシュの乾燥台カカオ豆のフレーバー:砂糖がけした生姜、糖蜜、アップルサイダー ベトナムはどんな国? ベトナム社会主義共和国は、インドと中国の間、インドシナ半島東部に縦に細長くのびる東南アジアの国。北は中国、西はカンボジアとラオスに接しています。 国土の面積は約32.9万㎢(日本の0.88倍)で、人口は9,646万人(2019年)。現在多くの日本企業も進出し、急激な経済発展を遂げている新興国のひとつです。   ベトナムは、北部、中部、南部の3つの区域に分かれていて、北部には政治・文化の中心である首都ハノイ、中部にはリゾート地として人気の高いダナン、南部にはベトナム最大の商業都市ホーチミンがあります。   公用語はベトナム語。「ベトナム」という国名は「越(ベト)」「南(ナム)」の意味で、19世紀初めに誕生したベトナム最後の王朝・グエン朝が全土を統一した際に「越国南方の地」と称したとされています。 このようにベトナム語の単語の多くは漢字をベトナム式に読んだもので日本語の音読みに近く、日本人には学習しやすい外国語のひとつと言われています。 ベトナムのカカオ事情 国の主要産業は米、コーヒー、カシューナッツ、ブラックペッパー、ゴムなどの​​農林水産業で、その中でカカオは約4,000トン、世界の生産量の約0.1%ほどです。   ベトナムにカカオが伝わったのは、1800年代のフランスからと言われています。1882年にフランスがハノイを占領し、1884年にはベトナムがフランスの保護国となり実質的な植民地となります。当時カカオは高価に取り引きされていたため、フランスは植民地であるベトナムに大規模なカカオ農園をつくり、生産体制を拡大しようとしていました。しかし、想定以下の品質のものしかできず、カカオ農園はそのまま置き去りにされてしまいます。   その後1980年代にはソ連の支援を受け大規模なカカオ農園が再度増加しますが、ソ連崩壊後は買い手が激減し、ベトナムのカカオ生産は再度困難な状況に陥ってしまいます。   2000年代になると米国のSUCCESS Allianceなどの投資の元、ベトナムに残る小規模カカオ農家への技術支援や生産・輸出体制の強化に乗り出します。   このようにベトナム産カカオは歴史や社会事情に振り回されながらも、今も残る農家たちによって大事に守られてきました。南北に長くのびる地形からも、生産地によってフレーバーが大きく異なるカカオ豆には、今や多くのBean to Bar チョコレートメーカーが注目しています。また、フランスの影響を色濃く残すベトナムならでは、暑い国でもチョコレートは受け入れやすく、ベトナム産カカオに特化したチョコレートメーカーが多いのも特徴です。 マルゥについて マルゥを創業したのは、ベトナムを旅行中に出会った2人のフランス人、ヴィンセント・モローとサミュエル・マルタです。2人はカカオ農園を訪れた際にその品質に魅了され、2011年にカカオサプライヤー兼チョコレートメーカーを立ち上げます。ちなみに「マルゥ(Marou)」は2人の苗字から名付けられています。  ...

カカオの生産地を知ろう(ベンチェ, ベトナム)

ベンチェ, ベトナム 70% 生産者:Marou生産国:ベトナム地域:ベンチェ 事業形態:ベトナム国内の農家と直接取引を行うチョコレートメーカーカカオ豆:生産組合で栽培、発酵、乾燥したカカオ豆を購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:メッシュの乾燥台カカオ豆のフレーバー:砂糖がけした生姜、糖蜜、アップルサイダー ベトナムはどんな国? ベトナム社会主義共和国は、インドと中国の間、インドシナ半島東部に縦に細長くのびる東南アジアの国。北は中国、西はカンボジアとラオスに接しています。 国土の面積は約32.9万㎢(日本の0.88倍)で、人口は9,646万人(2019年)。現在多くの日本企業も進出し、急激な経済発展を遂げている新興国のひとつです。   ベトナムは、北部、中部、南部の3つの区域に分かれていて、北部には政治・文化の中心である首都ハノイ、中部にはリゾート地として人気の高いダナン、南部にはベトナム最大の商業都市ホーチミンがあります。   公用語はベトナム語。「ベトナム」という国名は「越(ベト)」「南(ナム)」の意味で、19世紀初めに誕生したベトナム最後の王朝・グエン朝が全土を統一した際に「越国南方の地」と称したとされています。 このようにベトナム語の単語の多くは漢字をベトナム式に読んだもので日本語の音読みに近く、日本人には学習しやすい外国語のひとつと言われています。 ベトナムのカカオ事情 国の主要産業は米、コーヒー、カシューナッツ、ブラックペッパー、ゴムなどの​​農林水産業で、その中でカカオは約4,000トン、世界の生産量の約0.1%ほどです。   ベトナムにカカオが伝わったのは、1800年代のフランスからと言われています。1882年にフランスがハノイを占領し、1884年にはベトナムがフランスの保護国となり実質的な植民地となります。当時カカオは高価に取り引きされていたため、フランスは植民地であるベトナムに大規模なカカオ農園をつくり、生産体制を拡大しようとしていました。しかし、想定以下の品質のものしかできず、カカオ農園はそのまま置き去りにされてしまいます。   その後1980年代にはソ連の支援を受け大規模なカカオ農園が再度増加しますが、ソ連崩壊後は買い手が激減し、ベトナムのカカオ生産は再度困難な状況に陥ってしまいます。   2000年代になると米国のSUCCESS Allianceなどの投資の元、ベトナムに残る小規模カカオ農家への技術支援や生産・輸出体制の強化に乗り出します。   このようにベトナム産カカオは歴史や社会事情に振り回されながらも、今も残る農家たちによって大事に守られてきました。南北に長くのびる地形からも、生産地によってフレーバーが大きく異なるカカオ豆には、今や多くのBean to Bar チョコレートメーカーが注目しています。また、フランスの影響を色濃く残すベトナムならでは、暑い国でもチョコレートは受け入れやすく、ベトナム産カカオに特化したチョコレートメーカーが多いのも特徴です。 マルゥについて マルゥを創業したのは、ベトナムを旅行中に出会った2人のフランス人、ヴィンセント・モローとサミュエル・マルタです。2人はカカオ農園を訪れた際にその品質に魅了され、2011年にカカオサプライヤー兼チョコレートメーカーを立ち上げます。ちなみに「マルゥ(Marou)」は2人の苗字から名付けられています。  ...

カカオの生産地を知ろう(ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国)

カカオの生産地を知ろう(ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国)

ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%¥1,296(税込) 生産者:Zorzal Cacao生産国:ドミニカ共和国地域:ドゥアルテ 事業形態:私有地の農園と鳥の保護区も持つ中央発酵施設カカオ豆:16軒のカカオ農家からウェットビーンズを購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内のメッシュの乾燥台とセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:ナッツ、甘い果実 商品ページはこちら ドミニカ共和国はどんな国? ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島々の中では二番目に大きいイスパニョーラ島の東側に位置し、西側にはハイチ共和国があります。 国土の面積は約4.8万㎢、九州と高知県を合わせた広さで、人口は1,074万人(2019年)です。   ヨーロッパ人で初めてカカオを発見したのはコロンブスと言われていますが、実はヨーロッパ人で初めてドミニカ共和国に上陸したのもコロンブスだそうです。 ドミニカ共和国は原住民と様々な人種が混じり合う多民族国家で、様々な文化が混じり合っています。   また、ドミニカ共和国は米国メジャーリーグで活躍する選出を多く輩出する野球大国。日本プロ野球にもドミニカ共和国出身の選手がいると思うと、少し身近な国に感じられます。   公用語はスペイン語。国名の由来はスペイン語で「安息日」を意味し、スペイン人が入植した日がカトリック暦の「聖なる安息日」だったことに由来するそうです。 ドミニカ共和国のカカオ事情 国の主要産業はバナナ、ココナッツ、柑橘類などの農業で、その中でカカオは世界で10番目の生産国(2019年:89,000トン)で、国の一大産業のひとつになっています。   オーガニック認証を受けているカカオ豆が多いことも特徴で、ドミニカ共和国のカカオ生産の60%を占めているサンフランシスコ・デ・マコリスでは70%近くがオーガニック認証のカカオ豆を生産しています。   またドミニカ共和国では、カカオの品質が良くない、発酵せずに乾燥した安価な「サンチェス(Sanchez)」と、品質が良く発酵工程を経たBean to Bar メーカーが使用する「ヒスパニオラ(Hispaniola)」に分類しており、現状はサンチェスが60%、ヒスパニオラが40%と言われています。 ソルサル・カカオについて 彼らの農園があるレゼルバ・ソルサルは、サンフランシスコ・デ・マコリスから車で2時間ほどのところにあります。緑豊かな山あいにカカオが生い茂り、ツグミのさえずりも聞こえる、自然と共存出来る環境です。   ソルサル・カカオは、チャールズ・キルヒナー博士(通称チャック)が2012年に創業した、自然保護と経済活動の両立を目指して立ち上げられました。...

カカオの生産地を知ろう(ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国)

ソルサル・コミュニタリオ, ドミニカ共和国 70%¥1,296(税込) 生産者:Zorzal Cacao生産国:ドミニカ共和国地域:ドゥアルテ 事業形態:私有地の農園と鳥の保護区も持つ中央発酵施設カカオ豆:16軒のカカオ農家からウェットビーンズを購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内のメッシュの乾燥台とセメントのパティオカカオ豆のフレーバー:ナッツ、甘い果実 商品ページはこちら ドミニカ共和国はどんな国? ドミニカ共和国はカリブ海に浮かぶ島々の中では二番目に大きいイスパニョーラ島の東側に位置し、西側にはハイチ共和国があります。 国土の面積は約4.8万㎢、九州と高知県を合わせた広さで、人口は1,074万人(2019年)です。   ヨーロッパ人で初めてカカオを発見したのはコロンブスと言われていますが、実はヨーロッパ人で初めてドミニカ共和国に上陸したのもコロンブスだそうです。 ドミニカ共和国は原住民と様々な人種が混じり合う多民族国家で、様々な文化が混じり合っています。   また、ドミニカ共和国は米国メジャーリーグで活躍する選出を多く輩出する野球大国。日本プロ野球にもドミニカ共和国出身の選手がいると思うと、少し身近な国に感じられます。   公用語はスペイン語。国名の由来はスペイン語で「安息日」を意味し、スペイン人が入植した日がカトリック暦の「聖なる安息日」だったことに由来するそうです。 ドミニカ共和国のカカオ事情 国の主要産業はバナナ、ココナッツ、柑橘類などの農業で、その中でカカオは世界で10番目の生産国(2019年:89,000トン)で、国の一大産業のひとつになっています。   オーガニック認証を受けているカカオ豆が多いことも特徴で、ドミニカ共和国のカカオ生産の60%を占めているサンフランシスコ・デ・マコリスでは70%近くがオーガニック認証のカカオ豆を生産しています。   またドミニカ共和国では、カカオの品質が良くない、発酵せずに乾燥した安価な「サンチェス(Sanchez)」と、品質が良く発酵工程を経たBean to Bar メーカーが使用する「ヒスパニオラ(Hispaniola)」に分類しており、現状はサンチェスが60%、ヒスパニオラが40%と言われています。 ソルサル・カカオについて 彼らの農園があるレゼルバ・ソルサルは、サンフランシスコ・デ・マコリスから車で2時間ほどのところにあります。緑豊かな山あいにカカオが生い茂り、ツグミのさえずりも聞こえる、自然と共存出来る環境です。   ソルサル・カカオは、チャールズ・キルヒナー博士(通称チャック)が2012年に創業した、自然保護と経済活動の両立を目指して立ち上げられました。...

カカオの生産地を知ろう(カアボン, グアテマラ)

カカオの生産地を知ろう(カアボン, グアテマラ)

日本から遠く離れたカカオの生産地。「カカオの生産地を知ろう」では、私たちが使用しているカカオ豆の生産者や現地の様子をご紹介しています。今回はチョコレートバー「カアボン, グアテマラ 70%」のカカオ産地についてご紹介します。 Sold out 生産者:ADIOESMAC生産国:グアテマラ地域:アルタ・ベラパス 事業形態:中央発酵施設を持つ協同組合カカオ豆:協同組合で栽培、発酵、乾燥したカカオ豆を購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内の木製乾燥台カカオ豆のフレーバー:酸味のあるジャム、ココア グアテマラはどんな国? グアテマラは中央アメリカのメキシコの下、ホンジュラス、エルサルバドル、ベリーズに接し、西は太平洋、東はカリブ海に面した国です。国土の面積は約10.9万㎢で、日本の約1/3の大きさです。人口は1,660万人(2019年)で、日本の約0.13倍になります。 グアテマラはマヤ文明が栄えた国として知られており、世界遺産に登録されたマヤ文明の遺跡が多くあるのも特徴です。国民全体の約4割がマヤ文明を起源とする先住民で、公用語はスペイン語ですが、その他に22のマヤ系言語があります。「グアテマラ」という国名は、現在の首都グアテマラシティーに付けられた古代アステカの地名「クアウテメラン(森の多い土地)」をスペイン語にしたものだそうです。  グアテマラのカカオ事情 国の主要産業はコーヒー、砂糖、バナナを始めとする農業で、これらは主要輸出産品の7割近くを占めます。その中でカカオ豆の生産量は、グアテマラ政府の発表によると年間約12,500トン(2016年:世界の生産量の約0.3%)と少なく、うち約5%が主に欧米向けに輸出されています。 グアテマラには250,000もの農家が存在しますが、多くは比較的小規模で、カカオは二次作物として栽培されてきました。そのため生産性や収益性を上げるための投資もされず、また農園から発酵・乾燥を行う施設まで離れているため、各々の農家が持ち込むカカオに鮮度や品質の差があり、最終的なカカオ豆の品質の安定性に欠けてしまうという難点がありました。 現在では、USDA(米国農務省)管轄プロジェクトのサポートを受け、グアテマラ政府や大学、研究施設が協同してグアテマラに存在するカカオの品種解析や発酵・乾燥工程の分析を行う取り組みが始まっています。このプロジェクトを通して、グアテマラ産カカオの品質と生産量の向上、そして世界のカカオ市場への輸出拡大を含む収益の安定性を目指しています。 ADIOESMACについて グアテマラ北部に位置するアルタ・ベラパスは、この国で最も貧しい地域といわれる先住民マヤ族が生活しています。カカオはこの地域にとって重要な収入源ですが、これまではコヨーテと呼ばれる中間業者に安い価格でカカオを売るしかなく、グアテマラ国内での消費が主でしたが、現在では各農家が参加する農業協同組合が確立し、2-3地域が協同で発酵・乾燥施設を運営しています。 ADIOESMAC (Asociación de Desarrollo Integral Ox’ Eek Santa María Cahabón) は、43戸の農家で構成された協同組合で、カカオの栽培から発酵乾燥施設を共有して運営しています。 そして、彼らが生産したカカオ豆は、カカオ・ベラパスが買い取り、品質を安定させるためにブレンドした後、各国へ輸出されます。 実は、このカカオ・ベラパスはベリーズのマヤ・マウンテン・カカオと同じアンコモン・カカオが手がける2つ目のプロジェクト。しかし、マヤ・マウンテン・カカオと事業形態は異なり、カカオ・ベラパスではADIOESMACの技術支援や活動資金のサポートと、輸出事業を手掛けています。 ADIOESMACのカカオ豆は通常の2倍近く大きいため発酵に時間を要し、均一に発酵するのが難しいとされていますが、カカオ・ベラパスの技術サポートによって、品質の安定したカカオ豆を生産し、そのぶどうのような果実味と独特の発酵感、後に残る香ばしいココア感は、作り手によって如何様にも変化するユニークなフレーバーになっています。...

カカオの生産地を知ろう(カアボン, グアテマラ)

日本から遠く離れたカカオの生産地。「カカオの生産地を知ろう」では、私たちが使用しているカカオ豆の生産者や現地の様子をご紹介しています。今回はチョコレートバー「カアボン, グアテマラ 70%」のカカオ産地についてご紹介します。 Sold out 生産者:ADIOESMAC生産国:グアテマラ地域:アルタ・ベラパス 事業形態:中央発酵施設を持つ協同組合カカオ豆:協同組合で栽培、発酵、乾燥したカカオ豆を購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内の木製乾燥台カカオ豆のフレーバー:酸味のあるジャム、ココア グアテマラはどんな国? グアテマラは中央アメリカのメキシコの下、ホンジュラス、エルサルバドル、ベリーズに接し、西は太平洋、東はカリブ海に面した国です。国土の面積は約10.9万㎢で、日本の約1/3の大きさです。人口は1,660万人(2019年)で、日本の約0.13倍になります。 グアテマラはマヤ文明が栄えた国として知られており、世界遺産に登録されたマヤ文明の遺跡が多くあるのも特徴です。国民全体の約4割がマヤ文明を起源とする先住民で、公用語はスペイン語ですが、その他に22のマヤ系言語があります。「グアテマラ」という国名は、現在の首都グアテマラシティーに付けられた古代アステカの地名「クアウテメラン(森の多い土地)」をスペイン語にしたものだそうです。  グアテマラのカカオ事情 国の主要産業はコーヒー、砂糖、バナナを始めとする農業で、これらは主要輸出産品の7割近くを占めます。その中でカカオ豆の生産量は、グアテマラ政府の発表によると年間約12,500トン(2016年:世界の生産量の約0.3%)と少なく、うち約5%が主に欧米向けに輸出されています。 グアテマラには250,000もの農家が存在しますが、多くは比較的小規模で、カカオは二次作物として栽培されてきました。そのため生産性や収益性を上げるための投資もされず、また農園から発酵・乾燥を行う施設まで離れているため、各々の農家が持ち込むカカオに鮮度や品質の差があり、最終的なカカオ豆の品質の安定性に欠けてしまうという難点がありました。 現在では、USDA(米国農務省)管轄プロジェクトのサポートを受け、グアテマラ政府や大学、研究施設が協同してグアテマラに存在するカカオの品種解析や発酵・乾燥工程の分析を行う取り組みが始まっています。このプロジェクトを通して、グアテマラ産カカオの品質と生産量の向上、そして世界のカカオ市場への輸出拡大を含む収益の安定性を目指しています。 ADIOESMACについて グアテマラ北部に位置するアルタ・ベラパスは、この国で最も貧しい地域といわれる先住民マヤ族が生活しています。カカオはこの地域にとって重要な収入源ですが、これまではコヨーテと呼ばれる中間業者に安い価格でカカオを売るしかなく、グアテマラ国内での消費が主でしたが、現在では各農家が参加する農業協同組合が確立し、2-3地域が協同で発酵・乾燥施設を運営しています。 ADIOESMAC (Asociación de Desarrollo Integral Ox’ Eek Santa María Cahabón) は、43戸の農家で構成された協同組合で、カカオの栽培から発酵乾燥施設を共有して運営しています。 そして、彼らが生産したカカオ豆は、カカオ・ベラパスが買い取り、品質を安定させるためにブレンドした後、各国へ輸出されます。 実は、このカカオ・ベラパスはベリーズのマヤ・マウンテン・カカオと同じアンコモン・カカオが手がける2つ目のプロジェクト。しかし、マヤ・マウンテン・カカオと事業形態は異なり、カカオ・ベラパスではADIOESMACの技術支援や活動資金のサポートと、輸出事業を手掛けています。 ADIOESMACのカカオ豆は通常の2倍近く大きいため発酵に時間を要し、均一に発酵するのが難しいとされていますが、カカオ・ベラパスの技術サポートによって、品質の安定したカカオ豆を生産し、そのぶどうのような果実味と独特の発酵感、後に残る香ばしいココア感は、作り手によって如何様にも変化するユニークなフレーバーになっています。...

カカオの生産地を知ろう(ハシエンダ・アズール, コスタリカ)

カカオの生産地を知ろう(ハシエンダ・アズール, コスタリカ)

Sold out 生産者:Hacienda Azul生産国:コスタリカ地域:トゥリアルバ事業形態:私有地の農園と発酵施設カカオ豆:私有地で栽培発酵方式:5段のひな壇式発酵箱乾燥方法:ビニールハウス内にあるメッシュの乾燥台カカオ豆のフレーバー:ココア、甘いキャラメル コスタリカはどんな国? 国土の面積は約5.1万㎢で、九州と四国を合わせた広さ。人口は504.8万人(2019年)で、国土の1/4が国立公園や自然保護区の豊かな自然と動植物の宝庫でもあります。また、近隣の中央アメリカの国々と異なり「中米のスイス」とも言われる非武装中立国で、中米で最も安定した民主国家と言われています。公用語はスペイン語、国名の「コスタ・リカ」とはスペイン語で「富める海岸」という意味です。 コロンブスが黄金の装身具を身に着けた先住民を見て「コスタ・デル・オロ(黄金の海岸)」と名付けたことに由来するそうですが、その後、金が産出しないことが分かり「コスタ・リカ」に改めたと言われています。 コスタリカのカカオ事情 国の主要産業はバナナ、パイナップル、コーヒー等の農業です。その中でカカオは紀元前400年頃から消費されていたという調査結果もありますが、世界の中ではかなり少ない年間生産量約500トン(約0.01%)にとどまっています。しかし、自然農法にこだわった家族経営の小規模農家や、グリーンツーリズム(農村活性化政策)を活用したサステナブルな農園経営を目指す農家も多く、自然豊かなコスタリカならではの発展を遂げています。また、コスタリカには創設約50年になるCATIEという熱帯農業研究高等教育センターがあります。このセンターでは中米・カリブ海諸国の小規模カカオ農家が抱える農業問題に対する技術支援と研究を目的としており、品種の管理や研究をはじめ、近隣諸国のカカオ農園に品種の提言を行うなど、積極的に協力しています。その土地に合った品種をアドバイスするこで、中南米のカカオ農園の多くがカカオの品質向上と農家の収入安定に繋がっています。 ​ ハシエンダ・アズールについて ハシエンダ・アズールの農園は、コスタリカの首都サン・ホセの西側に位置するトゥリアルバというのどかな街にあります。緩やかに傾斜した丘を分けるように川が流れ、とても美しい景観の農園です。ウィルフレッド・ズーナー一家が運営しているこの農園のカカオの木は、約87ヘクタールのうちほぼ半分が、この10年で植林されたものです。CATIEがこれまで研究してきた中から高品質で耐病性の高い6品種(CATIE-R1、CATIE-R4、CATIE-R6、CC-187、ICS-95 T1、PMCT-58)を選定し栽培しています。ちなみにこれらはカカオ同士の交配によって出来た品種で、遺伝子組み替えではありません。ハシエンダ・アズールのカカオ豆は毎年安定した品質とフレーバーで、日本人にも親しみやすいお茶のような味わいが特徴で、海外のチョコレートメーカーにも愛される産地となっています。 ハシエンダ・アズールが目指すカカオ農園 ハシエンダ・アズールでは、カカオの収穫後の工程にも、作業効率を考慮した上で高品質なカカオ豆をつくる一手間があります。カカオの木はあえて緩やかな傾斜地に植え、カカオを刈り取ると地面に落ちて丘の下まで転がり落ちるようにし、それをトラックで集めます。重たいカカオの実を運ぶ手間がなくなり作業効率が上がるように考えられています。また、通常カカオ豆を発酵した後すぐに乾燥させますが、この農園では発酵後水洗いをしてから乾燥させています。水で洗うことによって、乾燥作業が容易になるのと同時に品質も安定します。また、乾燥に使用する台は比較的小さいサイズのもので、カカオ豆をトンボではなく手で返すことで都度不良品を仕分け、品質の良いカカオ豆だけを袋詰めしています。まるで教科書に載っているような計算通りの農園設計の中に、ひとつひとつの工程を大事に一手間加えたカカオ豆。ハシエンダ・アズールのカカオ豆に触れると、彼らの努力が伝わり、よりおいしいチョコレートにしようという気持ちになります。 コスタリカのBean to Bar チョコレートメーカー ・Sibu Chocolate2007年に創業した、カカオの栽培から発酵・乾燥、そしてチョコレートまでの全行程を自身で手がけるTree to Bar チョコレートメーカー。原材料はコスタリカ産のものにこだわり、商品パッケージにはカカオ豆の外皮を再利用したリサイクルペーパーを使用しています。日本での購入先はこちら。 関連商品 ハシエンダ・アズール, コスタリカ 70%¥1,400(税込)コスタリカの中央部カルタゴ州にある、活火山で知られるトゥリアルバ近くの「ハシエンダ・アズール」という小さな家族経営の農園で作られたオーガニック・カカオ豆。終盤にかけて徐々に高まるフレーバーの変化が特徴で、紅茶や青茶(半発酵茶)に合わせると更に風味が楽しめます。 ハシエンダ・アズール, コスタリカ...

カカオの生産地を知ろう(ハシエンダ・アズール, コスタリカ)

Sold out 生産者:Hacienda Azul生産国:コスタリカ地域:トゥリアルバ事業形態:私有地の農園と発酵施設カカオ豆:私有地で栽培発酵方式:5段のひな壇式発酵箱乾燥方法:ビニールハウス内にあるメッシュの乾燥台カカオ豆のフレーバー:ココア、甘いキャラメル コスタリカはどんな国? 国土の面積は約5.1万㎢で、九州と四国を合わせた広さ。人口は504.8万人(2019年)で、国土の1/4が国立公園や自然保護区の豊かな自然と動植物の宝庫でもあります。また、近隣の中央アメリカの国々と異なり「中米のスイス」とも言われる非武装中立国で、中米で最も安定した民主国家と言われています。公用語はスペイン語、国名の「コスタ・リカ」とはスペイン語で「富める海岸」という意味です。 コロンブスが黄金の装身具を身に着けた先住民を見て「コスタ・デル・オロ(黄金の海岸)」と名付けたことに由来するそうですが、その後、金が産出しないことが分かり「コスタ・リカ」に改めたと言われています。 コスタリカのカカオ事情 国の主要産業はバナナ、パイナップル、コーヒー等の農業です。その中でカカオは紀元前400年頃から消費されていたという調査結果もありますが、世界の中ではかなり少ない年間生産量約500トン(約0.01%)にとどまっています。しかし、自然農法にこだわった家族経営の小規模農家や、グリーンツーリズム(農村活性化政策)を活用したサステナブルな農園経営を目指す農家も多く、自然豊かなコスタリカならではの発展を遂げています。また、コスタリカには創設約50年になるCATIEという熱帯農業研究高等教育センターがあります。このセンターでは中米・カリブ海諸国の小規模カカオ農家が抱える農業問題に対する技術支援と研究を目的としており、品種の管理や研究をはじめ、近隣諸国のカカオ農園に品種の提言を行うなど、積極的に協力しています。その土地に合った品種をアドバイスするこで、中南米のカカオ農園の多くがカカオの品質向上と農家の収入安定に繋がっています。 ​ ハシエンダ・アズールについて ハシエンダ・アズールの農園は、コスタリカの首都サン・ホセの西側に位置するトゥリアルバというのどかな街にあります。緩やかに傾斜した丘を分けるように川が流れ、とても美しい景観の農園です。ウィルフレッド・ズーナー一家が運営しているこの農園のカカオの木は、約87ヘクタールのうちほぼ半分が、この10年で植林されたものです。CATIEがこれまで研究してきた中から高品質で耐病性の高い6品種(CATIE-R1、CATIE-R4、CATIE-R6、CC-187、ICS-95 T1、PMCT-58)を選定し栽培しています。ちなみにこれらはカカオ同士の交配によって出来た品種で、遺伝子組み替えではありません。ハシエンダ・アズールのカカオ豆は毎年安定した品質とフレーバーで、日本人にも親しみやすいお茶のような味わいが特徴で、海外のチョコレートメーカーにも愛される産地となっています。 ハシエンダ・アズールが目指すカカオ農園 ハシエンダ・アズールでは、カカオの収穫後の工程にも、作業効率を考慮した上で高品質なカカオ豆をつくる一手間があります。カカオの木はあえて緩やかな傾斜地に植え、カカオを刈り取ると地面に落ちて丘の下まで転がり落ちるようにし、それをトラックで集めます。重たいカカオの実を運ぶ手間がなくなり作業効率が上がるように考えられています。また、通常カカオ豆を発酵した後すぐに乾燥させますが、この農園では発酵後水洗いをしてから乾燥させています。水で洗うことによって、乾燥作業が容易になるのと同時に品質も安定します。また、乾燥に使用する台は比較的小さいサイズのもので、カカオ豆をトンボではなく手で返すことで都度不良品を仕分け、品質の良いカカオ豆だけを袋詰めしています。まるで教科書に載っているような計算通りの農園設計の中に、ひとつひとつの工程を大事に一手間加えたカカオ豆。ハシエンダ・アズールのカカオ豆に触れると、彼らの努力が伝わり、よりおいしいチョコレートにしようという気持ちになります。 コスタリカのBean to Bar チョコレートメーカー ・Sibu Chocolate2007年に創業した、カカオの栽培から発酵・乾燥、そしてチョコレートまでの全行程を自身で手がけるTree to Bar チョコレートメーカー。原材料はコスタリカ産のものにこだわり、商品パッケージにはカカオ豆の外皮を再利用したリサイクルペーパーを使用しています。日本での購入先はこちら。 関連商品 ハシエンダ・アズール, コスタリカ 70%¥1,400(税込)コスタリカの中央部カルタゴ州にある、活火山で知られるトゥリアルバ近くの「ハシエンダ・アズール」という小さな家族経営の農園で作られたオーガニック・カカオ豆。終盤にかけて徐々に高まるフレーバーの変化が特徴で、紅茶や青茶(半発酵茶)に合わせると更に風味が楽しめます。 ハシエンダ・アズール, コスタリカ...

カカオの生産地を知ろう(ワンプゥ, ホンジュラス)

カカオの生産地を知ろう(ワンプゥ, ホンジュラス)

Sold out 生産者:Cacao Direct生産国:ホンジュラス地域:ワンプシルピ事業形態:中央発酵施設を持つ社会的企業カカオ豆:200軒以上のカカオ農家からウェットビーンズを購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内の木製乾燥台カカオ豆のフレーバー:キャラメリゼしたナッツ、ココア ホンジュラスはどんな国? ホンジュラス共和国は中央アメリカ中部に位置し、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアに囲まれ、北はカリブ海、南は太平洋に面している国です。国土の面積は約11.2万㎢、日本の約1/3の大きさです。人口は974.6万人(2019年)で、公用語はスペイン語。ちなみに「ホンジュラス」という国名はスペイン語では「オンドゥラス」と発音し、16世紀初頭にコロンブスが来航した際、海が深すぎていかりが降ろせなかったことからスペイン語の「​​hondura(深み)」と称したことに由来するそうです。世界遺産に登録されている未開の熱帯雨林や、世界で最も美しいビーチのひとつに選ばれたこともあるロアタン島、マヤ文明のコパン遺跡など素晴らしい自然や観光名所がありながらも、麻薬の運び屋やギャングが集まり犯罪率が非常に高い「世界一危険な国のひとつ」とも言われる国です。 ホンジュラスのカカオ事情 国の主要産業は​​コーヒー、バナナなどの​​農林水産業で、中でもコーヒーは世界の生産量の4%を占め、国土の大部分が山岳地帯であることから品質の良いコーヒー豆が多いとも言われています。カカオについては、考古学的調査によると数千年もの間栽培されていて、紀元前1150年からはカカオが人類によって消費されていたという説もあります。しかし、1900年代後半になると経済成長やハリケーンなど自然災害の影響を受け、古くからある固有品種は絶滅の危機に瀕します。今ではカカオの生産量は年間約1,500トンと、世界の生産量の約0.04%しかありません。かつては多くの国際団体がこの地域の貧困問題を解決する手段のひとつとしてカカオの栽培に着手してきましたが、カカオは栽培期間が長くすぐに収入に繋がるものではないため、多くの農家がカカオの木や発酵箱とともに置き去りにされてきた歴史もあります。しかし、今ではホンジュラスに古くからある絶滅寸前だった品種を復活させたマヤン・レッドを含め、親木から接木をして農園を復活させる活動が少しずつ増えてきています。【関連記事】●シングルオリジンだからこそ、カカオの「産地」を大切に カカオ・ダイレクトについて カカオ・ダイレクトの創業者ジョージ・シュミットは、アメリカ陸軍としてワンプシルピ(現地では「ワンプゥ」と呼ばれています)で活動していました。滞在中、カカオ農園の荒れ果てた現状を知ったジョージは、除隊後ワンプシルピに帰還し、自らカカオ農家を一軒一軒訪ね、もう一度カカオの栽培をやらないかと協力を仰ぎました。ホンジュラス東部に位置するワンプシルピは、想像を絶する遠隔地にあります。近隣には1982年に世界自然遺産に登録された「リオ・プラタノ生物圏保護区」がありますが、この地域にはごく限られたアクセスしかなく、カカオ農園に辿り着くにはピパンテという丸太をくり抜いて作ったカヌーに乗り、生物保護区圏内のペトゥカ川を2日間かけて上流に渡らないといけません。そんな僻地でしたがジョージは諦めずカカオ農家に説得を続け、農家との間に仲介者がいないことを条件に、収穫後の生のカカオ豆(ウェットビーンズ)を購入し、発酵から乾燥、出荷までを行うカカオ・ダイレクトを創設しました。カカオ農家の多くは5ha以下の農地を所有する小規模農家。彼らはウェットビーンズをビニール袋に詰め、カカオ・ダイレクトが受け取る際にその場で現金収入を得ています。お互い直接顔を合わせ取り引きすることで、信頼性とカカオ豆の品質向上に繋がっています。 カカオ・ダイレクトがカカオを通して目指すこと 辺境の地でもあるワンプシルピはほぼ自給自足の生活でしたが、カカオ・ダイレクトはワンプシルピ初の企業体となり、彼らの取り組みによってワンプシルピの生活に紙幣が使われるようになりました。これは大きな変革です。さらに、2016年のCocoa of Excellence(カカオ豆のコンテスト)では見事優勝し、その賞金で学校に屋根と窓を取り付けるなど、地域全体の生活向上に寄与しています。カカオ・ダイレクトは市場価格よりも高い価格(ウェットビーンズで約$3.08/kg)で農家からカカオ豆を購入しています(ちなみに、すでに発酵・乾燥済みのカカオ豆の市場価格が$1.47/kgです)。そのカカオ豆を丁寧に発酵、乾燥することで、高品質のカカオ豆を高価格で販売することができます。Bean to Bar チョコレートで使用するカカオ豆の中では珍しい、全く酸味のない、熱帯雨林を彷彿とさせるミネラル感と土壌感のあるワンプゥ, ホンジュラスのカカオ豆。今では日本、アメリカ、ヨーロッパでもファンの多いカカオ豆になりました。彼らは全ての農家の顔を知っていることはもちろん、カカオ栽培の技術支援や道具のサポートも行い、長期的にカカオ農園をサポートし、更なるカカオ豆の品質向上に取り組んでいます。 ホンジュラスのBean to Bar チョコレートメーカー ・PALATO CHOCOLATE シェフ出身のモニが自国で採れる高品質のカカオ豆を使ってチョコレートを作りたいと思い立ち上げたBean to Bar チョコレートメーカー。ワンプゥ, ホンジュラスのカカオ豆を使用しています。 関連商品...

カカオの生産地を知ろう(ワンプゥ, ホンジュラス)

Sold out 生産者:Cacao Direct生産国:ホンジュラス地域:ワンプシルピ事業形態:中央発酵施設を持つ社会的企業カカオ豆:200軒以上のカカオ農家からウェットビーンズを購入発酵方式:並べた木箱乾燥方法:ビニールハウス内の木製乾燥台カカオ豆のフレーバー:キャラメリゼしたナッツ、ココア ホンジュラスはどんな国? ホンジュラス共和国は中央アメリカ中部に位置し、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアに囲まれ、北はカリブ海、南は太平洋に面している国です。国土の面積は約11.2万㎢、日本の約1/3の大きさです。人口は974.6万人(2019年)で、公用語はスペイン語。ちなみに「ホンジュラス」という国名はスペイン語では「オンドゥラス」と発音し、16世紀初頭にコロンブスが来航した際、海が深すぎていかりが降ろせなかったことからスペイン語の「​​hondura(深み)」と称したことに由来するそうです。世界遺産に登録されている未開の熱帯雨林や、世界で最も美しいビーチのひとつに選ばれたこともあるロアタン島、マヤ文明のコパン遺跡など素晴らしい自然や観光名所がありながらも、麻薬の運び屋やギャングが集まり犯罪率が非常に高い「世界一危険な国のひとつ」とも言われる国です。 ホンジュラスのカカオ事情 国の主要産業は​​コーヒー、バナナなどの​​農林水産業で、中でもコーヒーは世界の生産量の4%を占め、国土の大部分が山岳地帯であることから品質の良いコーヒー豆が多いとも言われています。カカオについては、考古学的調査によると数千年もの間栽培されていて、紀元前1150年からはカカオが人類によって消費されていたという説もあります。しかし、1900年代後半になると経済成長やハリケーンなど自然災害の影響を受け、古くからある固有品種は絶滅の危機に瀕します。今ではカカオの生産量は年間約1,500トンと、世界の生産量の約0.04%しかありません。かつては多くの国際団体がこの地域の貧困問題を解決する手段のひとつとしてカカオの栽培に着手してきましたが、カカオは栽培期間が長くすぐに収入に繋がるものではないため、多くの農家がカカオの木や発酵箱とともに置き去りにされてきた歴史もあります。しかし、今ではホンジュラスに古くからある絶滅寸前だった品種を復活させたマヤン・レッドを含め、親木から接木をして農園を復活させる活動が少しずつ増えてきています。【関連記事】●シングルオリジンだからこそ、カカオの「産地」を大切に カカオ・ダイレクトについて カカオ・ダイレクトの創業者ジョージ・シュミットは、アメリカ陸軍としてワンプシルピ(現地では「ワンプゥ」と呼ばれています)で活動していました。滞在中、カカオ農園の荒れ果てた現状を知ったジョージは、除隊後ワンプシルピに帰還し、自らカカオ農家を一軒一軒訪ね、もう一度カカオの栽培をやらないかと協力を仰ぎました。ホンジュラス東部に位置するワンプシルピは、想像を絶する遠隔地にあります。近隣には1982年に世界自然遺産に登録された「リオ・プラタノ生物圏保護区」がありますが、この地域にはごく限られたアクセスしかなく、カカオ農園に辿り着くにはピパンテという丸太をくり抜いて作ったカヌーに乗り、生物保護区圏内のペトゥカ川を2日間かけて上流に渡らないといけません。そんな僻地でしたがジョージは諦めずカカオ農家に説得を続け、農家との間に仲介者がいないことを条件に、収穫後の生のカカオ豆(ウェットビーンズ)を購入し、発酵から乾燥、出荷までを行うカカオ・ダイレクトを創設しました。カカオ農家の多くは5ha以下の農地を所有する小規模農家。彼らはウェットビーンズをビニール袋に詰め、カカオ・ダイレクトが受け取る際にその場で現金収入を得ています。お互い直接顔を合わせ取り引きすることで、信頼性とカカオ豆の品質向上に繋がっています。 カカオ・ダイレクトがカカオを通して目指すこと 辺境の地でもあるワンプシルピはほぼ自給自足の生活でしたが、カカオ・ダイレクトはワンプシルピ初の企業体となり、彼らの取り組みによってワンプシルピの生活に紙幣が使われるようになりました。これは大きな変革です。さらに、2016年のCocoa of Excellence(カカオ豆のコンテスト)では見事優勝し、その賞金で学校に屋根と窓を取り付けるなど、地域全体の生活向上に寄与しています。カカオ・ダイレクトは市場価格よりも高い価格(ウェットビーンズで約$3.08/kg)で農家からカカオ豆を購入しています(ちなみに、すでに発酵・乾燥済みのカカオ豆の市場価格が$1.47/kgです)。そのカカオ豆を丁寧に発酵、乾燥することで、高品質のカカオ豆を高価格で販売することができます。Bean to Bar チョコレートで使用するカカオ豆の中では珍しい、全く酸味のない、熱帯雨林を彷彿とさせるミネラル感と土壌感のあるワンプゥ, ホンジュラスのカカオ豆。今では日本、アメリカ、ヨーロッパでもファンの多いカカオ豆になりました。彼らは全ての農家の顔を知っていることはもちろん、カカオ栽培の技術支援や道具のサポートも行い、長期的にカカオ農園をサポートし、更なるカカオ豆の品質向上に取り組んでいます。 ホンジュラスのBean to Bar チョコレートメーカー ・PALATO CHOCOLATE シェフ出身のモニが自国で採れる高品質のカカオ豆を使ってチョコレートを作りたいと思い立ち上げたBean to Bar チョコレートメーカー。ワンプゥ, ホンジュラスのカカオ豆を使用しています。 関連商品...