【イベントレポート】HAPPY MOUTH

国内のダンデライオン・チョコレートは現在4店舗。
蔵前、伊勢、鎌倉、京都とそれぞれ歴史が深く、コミュニティが確立している魅力的な土地に店舗を構えています。地域に根付いたお店づくりを目指し、日々活動していると様々な方にイベントのお声がけをいただくことがあります。どのイベントも大変興味深いものばかりですので、今後は少しずつご紹介させていただきたいと思います。




“伊勢外宮前店、京都東山一念坂店のシェフの森本です。
7月28日(土)、29日(日)に開催した「HAPPY MOUTH 」と伊勢外宮前店とのコラボレーションイベントについてお伝えします。今回一緒にイベントを行うことになったHAPPY MOUTH は、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにほど近い高台にあります。
数寄屋建築である店舗の保全活動の一環として月に1度だけご夫婦で営業を行う少し面白いレストランです。


外観



HAPPY MOUTH のオーナーの早川夫妻が伊勢内宮を訪れた際、ダンデライオン・チョコレートに興味を持ち、イベントにお誘いしていただきました。 初めは「マルシェに出店して欲しい」とのことでしたが、僕の「カカオを使用した料理のコースができたら面白い」という一言をきっかけに、今回のディナー(シェフとお客さまが一緒にテーブルを囲み、家族のようにディナーを食べる形式)が実現しました。
HAPPY MOUTH はカカオを使用したイタリアンがベースのコース料理を、僕は最後のデザートを担当することになりました。
さらに、日中は地元のSEROW coffee松屋商店が中庭に出店、僕たちもチョコレートバーやペストリーを屋内の一角で販売するというイベントも開催することに。




お客さまに楽しんでいただきたいと何週間も前から準備を行ないました。
ところが、開催当日は台風の影響もあり大変な悪天候。直撃が予想された28日(土)は、時折晴れ間が見えるものの風がとても強く、日中の中庭でのイベントは中止、ディナーも半数のお客さまがキャンセルとなってしまいました。

翌29日(日)は、前日同様に大変な風と雨でしたが、オーナーの機転で、レストラン内を解放しSEROW coffee松屋商店もドリンクの販売を行うことができました。




夜の予約制のディナーでは、ニブやチョコレート、パルプなどのカカオを丸ごと使用した料理をコースでお楽しみいただきます。
甘さを抑えたとうもろこしのムースはタンザニア産(ココア・カミリ) のニブをアクセントに、ニブを練りこんだパンやパスタ、マグロの赤身の表面にそば粉のガレット生地を付けて焼いたものにチョコレートベースのソースをかけた料理 (まぐろのガレット風 チョコレートのアイオリ)など。
奥さまであるRinkoシェフの料理は見た目の美しさはもちろん、チョコレートの産地の使い分けやカカオの使い方が想像を超えるものでとても刺激的でした。


まぐろのガレット風 チョコレートのアイオリソース



そしてデザート。僕はクレープシュゼットとテリーヌショコラの2品を用意しました。
クレープシュゼットは、カカオニブで香りづけしたソースを使用し、余計なものを削ぎ落とし柔らかい食感と優しい味わいに。テリーヌショコラは、餅は餅屋ということで、チョコレートを塊でガツンと味わっていただけるものをお出ししました。
早川シェフのテーマに沿って、1つのものをみんなで共有しているコンセプトを視覚的に演出したいと思い、テリーヌショコラはホールを目の前でカットしながらサーブしました。
2つのデザートで味わいの強弱をつけ、カカオの可能性の広がりを感じてもらえるような工夫をしています。


テリーヌショコラ



お客さまにも五感全てでカカオを感じていただけたと確信しています。初めて出会う人同士がテーブルを囲んでいるにも関わらず、終始笑顔で素敵な時間が流れていました。

最後に、僕たちを繋げてくれたマニエラ花店、一緒にイベントを盛り上げてくださったSEROW coffeeと松屋商店のスタッフさん、そしてHAPPY MOUTH の皆さん、大変貴重な機会を作っていただき、本当にありがとうございます。
また近いうちにご一緒できることを楽しみにしています!


Photo by Th
Text by Morimoto

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