MAYA,
MOUNTAIN, BELIZE

マヤ・マウンテン、ベリーズ

Source

生産者/農園
マヤ・マウンテン・カカオ Ltd.

Region

地域
プンタ・ゴルタ、トレド地域

Source Type

特徴/事業形態
発酵所、社会事業

Beans

カカオ豆
300戸以上の農家から購入(未乾燥)

Fermentation Style

発酵方式
中央集中型、3段ボックスシステム

Tasting Notes

フレーバー
白ぶどう、パイナップル、蜂蜜

マヤ・マウンテン・カカオは、2010年にアレックス・ウィットモア、ジェフ・プジーナ、ガブリエル・ポップ、エミリー・ストーンによって設立されました。アレックスは、タザ・チョコレートの創業者で、ベリーズのプレミアムカカオの産地としての可能性に高い関心を寄せていました。ジェフは、ベリーズでカカオ生産量の多い地域にコットン・ツリー・ロッジというエコロッジを経営していました。ガブリエル・ポップはベリーズの南部にあるカカオ産地の出身で、生涯に渡ってカカオ農家を営んでいます。彼らはエミリーと一緒になって、農家に優しい市場を作り出し、森林崩壊を避けるための高品質なカカオ豆の栽培に力を入れ、小規模農家の生活改善に取り組みました。


この数年、エミリーのマヤ・マウンテンでの活動は、ベリーズがプレミアムチョコレートメーカーの高い関心を集めるほどに、大きい評価を得ています。エミリーは以前は草の根団体の主宰者であり、環境保護に深い関心を寄せてきました。そんな彼女がベリーズのカカオ産業に新風を吹き込み、30年来の慣習を打ち破る新たな試みを行っているのです。私たちは2012年にエミリーとタザ・チョコレート・ウィークで出会いました。以来、年に数回訪問し、マヤ・マウンテンのサステナブルな仕事に常に刺激を受けています。
2014年には、ダンデライオンチョコレートの卸を担当しているマヤ・グラニットがMMCの取締役となり、エミリーはグアテマラのカカオ・ベラパス(私たちが最近カアボンのカカオ豆を購入したところ)での新たな輸出プロジェクトに専念するようになりました。また、エミリーは、社会に変革をもたらしたことが評価され、アショカフェローとなりました。


一般的に、ベリーズのカカオ農家は栽培から発酵、乾燥そして市場への輸送までを自分たちで行っています。しかし多くの豆は変質しやすく、適切に発酵や乾燥がされていない場合はそれを売ることはできず、農家は自分たちでリスクを持たなければなりません。もし売れたとしても、それは世界の市場価格とほとんど変わらない値段になります。マヤ・マウンテン・カカオは、市場の圧力や不安定さを軽減し、同時にサステナブルな生産技術を奨励し、現地のカカオ経済をより健全で力のあるものにする新しいモデルを確立しました。


マヤ・マウンテンは、それぞれの農家の輸送に伴う金銭的リスクを抑えるため、農家から未乾燥の豆を集めてカカオの加工を集中化しています。農家は作業が減り、収入増になります(マヤ・マウンテンは割増の料金を払っています)。
すべての豆は「カカオ・ハウス」で発酵・乾燥されます。カカオ・ハウスはコットン・ツリー・ロッジの隣にある発酵施設で、ここで豆は3段のボックスシステムを順に回り、5日から7日の間たいせつに管理されます。その後、間接光のもとで自然乾燥するか、屋外の敷地に広げられます。ベリーズの気候は湿気が多く予測が難しいので、プラスチックの覆いのもとで自然乾燥をするのが一番良い方法です。乾燥させた後、カカオは手作業で選別されます。ひび割れたもの、芽が出たもの、傷のあるものなどは取り除かれ、麻袋に詰められます。
生産プロセスを集中化することには多くの利点があり、中でも最良の加工技術の研究を徹底的に行うことで、より高い値で取引される良質なカカオを生産することに繫がります。そして、生産者に利益が直接渡ることで、プレミアムカカオを育て発酵させていこうとする意欲になります。MMCは収穫前に少額の貸し付けも行い、品質とサステナビリティの基準に見合うような技術的支援も行います。さらに、MMCの高い価格水準により競争相手も最低価格を上げざるをえなくなり、地域全体のカカオコミュニティを支えることにつながっています。農家の増収は、彼らの子供たちの学費や、住宅の改装費、農園の将来の資金になっています。


MMCは300戸以上の農家と連携しています。多くはQ’eqchi’やMopan Mayaという地域ですが、マヤ・マウンテンの地域全体に広がっています。カカオは、マヤ地域の人々にとって唯一の収入源で、この地域にとって経済的に不可欠ですが、マヤの文化史にも深い関わりがあります。カカオの栽培は商業的にも文化的にも、マヤにおいてはじまったのです。同時に、カカオは地域経済発展を牽引する生命線でもあります。それはカカオが日陰で育ち、森林の生態系機能を模した多彩なアグロフォレストリー(樹木の中で作物を栽培する農業)システムの中で成長するからです。そのことが結果的に、水質や土壌を豊かにし、炭素を蓄え、雨を降らせることにつながり、サステナブルな生息地をもたらしているのです。


マヤ・マウンテンは、カカオ豆のサプライチェーンを簡素化し、透明性を高めていくことにより、この地域と密接に関わりながら、継続的に改革を重ねています。そして社会的影響力を持ち、環境への責務にも配慮しています。