Friday

06

Oct. 2017

【インタビュー】チョコレート・プロダクション 相島進吾

【インタビュー】チョコレート・プロダクション 相島進吾

10月11日(水)より「カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」の販売を開始します。販売を前に、今回のローストプロファイラーである相島くんにインタビューを行いました。(参考:カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」 発売決定!

 

 

以前はニュージーランドでパンを焼いていた

Q:いよいよ相島くんがプロファイルしたチョコレート、「カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」の販売が始まりますね。

 

相島:そうです。いよいよ来ました。

 

Q:楽しみですね。まずは相島くんについて教えてください。ダンデライオン・チョコレートに入社したきっかけは?

 

相島:僕はもともとブーランジェ(パン職人)で。ここに来る前はニュージーランドでパンを焼いてました。昔からオランダの食や文化が好きで、将来的には向こうで働きたいと思っています。チーズやソーセージなどの食べ物もそうですが、隣のドイツの影響を受けていて、パンも美味しいです。僕の好きなぎゅっと詰まったサワー系のパンです。

 

Q:オランダでブーランジェになるという夢があったのに、なぜ日本に?

 

相島:ヨーロッパのベーカリーに面接を受けに行きました。向こうのベーカリーでは、「お菓子が焼けるか?」「ケーキも作れるか?」といった質問をされます。「将来的にこっちで働くなら、パン以外の見識を深めた方が良い」と感じ、スイーツを学ぼうと帰国しました。

 

Q:ダンデライオン・チョコレートは元々知っていましたか?

 

相島:面接を受ける前に、ダンデライオン・チョコレートには1度、リサーチで来店しました。ハウスホットチョコレートとスコーンを注文して、カウンターに座りながらお店の様子を観察しました。ペストリーだけでなくチョコレートも豆から作っていて、その時にクラフトチョコレートが面白いと感じました。

最近ヨーロッパのパン業界では、原材料を重要視する傾向があります。小麦を育てるところから始めたり、オーガニックの材料を使用したり、なるべくフレッシュな全粒粉を使うために自ら製粉を行なったり。クラフトチョコレートとパンには通じるものがあると感じました。

 

 

アイテムのケアまで遡って商品の仕上がりをコントロールする

Q:ダンデライオン・チョコレートで働いてみてどうでした?

 

相島:期待していた部分を考える良い機会になりました。

Craft Chocolate Festival(参考:https://dandelionchocolate.jp/201701ccf/)などのイベントで生産者と話す機会が得られたのはすごく良かったです。あと、今まで見ることが出来ていなかった部分が見られるようになりました。

 

Q:見ることが出来ていなかった部分とは?

 

相島:僕たちのチョコレートはダイレクトにカカオ豆の味が出ます。ハスク(外皮)が少なく、豆の純度が高いほど澄んだ味がします。各工程をどれだけ丁寧に行うかで最終的な味わいが変わるのです。そうした工程を細かく遡っていくと、一見直接的にはつながらないような清掃や道具の扱いといった領域になるんです。アイテムのケアまで遡って商品の仕上がりをコントロールします。

 

Q:なるほど、具体的にどのようなことを行なっていましたか?

 

相島:そうですね…例えば、蔵前のファクトリーではエアコンのフィルターの掃除がすごく大事です。

今チョコレートプロダクションの作業場にはエアコンが3台あります。僕はそのうち2台を使いたい。3台目はテンパリングの機械に風が直撃するような位置にあるので、使うとモールドが冷えてチョコレートが広がりにくくなります。2台のエアコンで目指す温度を保てるように、定期的に掃除を行います。

 

Q:へー、そんなところまで。

 

相島:特段きれい好きというわけではありません。

チョコレートづくりとは直接関係のなさそうな掃除や温度調整まで気を配ることにより、チョコレートの完成度が上がります。これは驚きましたね。

だから僕は率先して掃除を行なっていました。

 

Q:働いている環境はどうでした?

 

相島:職場環境はとても良かったです。みんな仲も良いです。

また、就業時間がしっかり決まっているので、それ以外の時間を自分のために使えます。帰宅して自分のレシピを試行錯誤する時間ができたので、考えてものを作る良い癖がつきました。雇われている場合は当たり前ですが、レシピがしっかり決まっています。そうすると自分で工夫することがどうしても少なくなってしまいますよね。

 

 

最初から最後まで食べやすさを重視

Q:「カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」の開発の経緯を教えてください。

 

相島:現在店頭で販売しているチョコレートはすべて70%。85%のチョコレートがなかったので、必然的に開発の話が上がりました。僕の見解ですが、カカオ豆とプロファイラーのパーソナリティーを見たのかなと思います。実際開発し終わってみて、85%のチョコレートともカカオ豆とも相性ぴったりでした。

 

Q:「カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」ってどんな豆ですか?

 

相島:一言で言うと、安定していて高品質。鉄板の豆と言えます。最初に生豆で食べたときは、バナナのような芳醇さがあると感じました。

 

Q:相島くんが目指したのはどんなチョコレートですか?

 

相島:最初から最後まで食べやすさを重視しました。

お酒が好きな人でも、ウィスキーなど重く苦いものが苦手な人っていますよね?

たくさんの人に85%の美味しさを知ってもらうために、間口を広げるのが今回の僕の役目です。85%ですし、素直に作ったら少しビターに思われてしまうと感じました。ハイカカオを食べ慣れてない人でも美味しいと感じる、85%とは思えない軽さを目指しました。

まずは多くの人に食べてもらいたいです。

 

 

スタッフ全員で作ったチョコレートバー

Q:6種類目のチョコレートバーということで、開発する際にプレッシャーはありましたか?

 

相島:皆が開発する様子を横で見ていたので、プレッシャーはありませんでした。

自分の感覚はもちろんですが、今回はチョコレートチーム以外の意見も重要視しました。テスト段階でいろいろなフィードバックがあったので、毎回帰ってくるボールが楽しみでした。スタッフ全員で作ったバーだと思っています。

 

Q:開発で大変だったことはありますか?

 

相島:大変ではなかったです。開発以外に製造段階もほぼ任せてもらえました。あえてしてくれたんだと思います。最初から最後まで集中できたので嬉しかったです。

 

Q:こだわりのポイントはありますか?

 

相島:世の中に甘いものはたくさんあります。甘いものを食べるならクッキーやケーキでも良い。チョコレートを食べる理由は、僕は「苦味」にあると思います。ここのチョコレートを食べて得た概念ですが、フルーティ、フローラル、ナッティなどそれぞれ違った良さがあることを知りました。クラフトチョコレートの醍醐味は、チョコレートやカカオ、ココアといった言葉以外のボキャブラリーで表現される領域を探すことだと思います。

 

Q:完成したチョコレートバーを初めて見たとき、どう感じましたか?

 

相島:70%のチョコレートバーと85%とでは、ラッピングの色が違います。このラッピングペーパーのグレーの色も直線的なパターンも好みでした。

 

Q:「カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」のオススメの食べ方はありますか?

 

相島:僕のオススメは酸味のあるサワードウ(パン)をちぎって食べた後にチョコレートをかじるという食べ方。お互いに引き立てあって、これが美味い。このバーに合うサワードウをぜひ探してみてください。

 

Q:最後に一言お願いします。

 

相島:今回のチョコレートバーの1番の功労者はこの豆の発酵を手がけたたビセンテ・ノレロさんだと思います。焙煎や砂糖を入れるタイミングなどもチョコレートの味を決める重要な工程ですが、最も重要なのはカカオ豆を作ってくれた生産者と発酵を行なった方だと思っています。祖先が農業を行なっていたので、生産者の方への思い入れがどうしても強くなってしまいます。笑

大変な人数と時間がこのチョコレートに費やされています。見えないところで関わっている方たちまで想いを馳せて味わってください。85%なので甘さは控えめですが、グラッシーで紅茶っぽい味わいになったので、パクパク食べてもらえるのではないかと思います。楽しみにしてください。


 

相島くん、ありがとうございました。そしてお疲れ様です!

彼はダンデライオン・チョコレートを離れ、兼ねてからの夢であるブーランジェになるため、旅立ちました。相島くんの集大成となる「カミーノ・ベルデ, エクアドル 85%」は10月11日(水)から販売開始です。